【ドラゴンボールZ 悟空激闘伝】ゲームボーイ 1995年発売

広告/Amazon のアソシエイトとして、遊びゴコロは適格販売により収入を得ています。

【ドラゴンボールZ 悟空激闘伝】ゲームボーイ 1995年発売

『ドラゴンボールZ 悟空激闘伝』は、1995年8月25日にバンダイから5,800円(税別)で発売されたゲームボーイ用ソフトです。

開発はベックが担当し、前作『悟空飛翔伝』からシステムを一新した“アクティブビジュアルRPG”として登場。
ナメック星編を舞台に、悟飯、クリリン、ベジータ、ピッコロなど複数キャラクターが操作可能になり、舞空術によるフィールド探索と“ブルマの隠れ家”でのセーブ機能を実装。

戦闘では制限時間内にパンチ・キック・気功波などの攻撃コマンドを入力し、Bボタンでガードも行うリアルタイム性の高いバトルを採用しています。
さらに、水中のドラゴンボール回収、カエル射的、ドドリア追走といった多彩なミニゲームで物語を彩り、特定条件(レベル20以下クリア)で解放される超サイヤ人覚醒バトルのベストエンディングや、スーパーゲームボーイ対応によるカラーパレット演出も魅力。

出荷本数は約9万本、『ファミ通』18/40点など賛否両論ながら、原作再現度の高さとBGMの完成度は現在も再評価されています。

created by Rinker
¥2,537 (2025/06/20 09:36:45時点 楽天市場調べ-詳細)
機種ゲームボーイ
発売元バンダイ
発売日1995年8月25日
価格5,800円
ジャンルRPG

ゲームシステムと操作方法

本作のゲームシステムはRPG要素と対戦アクション要素を組み合わせた独特なものです。
本作の舞台はナメック星で、ストーリーモードでは物語に沿って悟飯、クリリン、ベジータのいずれかを操作キャラクターとしてフィールドを探索します 。

Aボタンで舞空術による飛行移動が可能で、フィールド上の敵キャラクターに接触すると戦闘が発生します。フィールド上ではブルマの隠れ家や特定のカエルに話しかけることでゲームのセーブが可能です。

戦闘システム

『ドラゴンボールZ 悟空激闘伝』の戦闘システム「アクティブビジュアルバトル」は、コマンド選択式RPGとリアルタイムアクションの利点を融合させた独自の仕組みです。
バトル開始時に表示される制限時間内に、パンチ・キック・気功波などの攻撃コマンドを順番に入力すると、その順序に沿ってアニメカットと共に攻防が自動で展開します。
これにより「ターン制なのに迫力ある演出」が楽しめるのが大きな特徴です。

プレイヤーは相手の攻撃に合わせてBボタンを押すことでガードが可能で、防御時の気力(上ゲージ)消費はなく、パワーゲージ(下ゲージ)に余裕がある限りほぼ無傷で受け止められます。
ただし、ガードを連打し続けるとパワーゲージが徐々に減少し、枯渇するとダメージを受けるようになります。さらに相手の背後に回り込んで不意打ちを狙ったり、気力を消耗させて隙をつくるなど、駆け引き要素も重要です。

キャラクターには行動ごとに減少する気力ゲージがあり、何も操作しない時間で自動回復します。気力がゼロになると移動やガードができなくなるため、攻めと守りのバランスを意識しながら戦う必要があります。
また、相手はこちらのコマンド入力がすべて終わるまで無制限に攻撃できるため、入力速度や順序も勝敗を左右するポイントです。

勝利すると獲得した攻撃・防御回数に応じて格闘、気弾、防御の各能力に経験値が入り、一定値に達するとレベルアップ。
HPや攻撃力の向上に加え、新たな必殺技の習得や操作キャラの追加が解放され、物語を進めるほど戦術の幅が広がります。

加えて、バトル設定を「ウェイトモード」にすると、コマンド実行中に時間が停止し、敵の攻撃を気にせずじっくり入力できるため、難易度や好みに合わせた調整が可能です。これらの要素が組み合わさることで、単なる数字の殴り合いではなく、原作らしい緊張感と戦略性を兼ね備えたバトル体験を実現しています。

設定方法はゲームを開始(またはセーブデータをロード)すると、最初に表示される設定画面で「アクティブモード」(リアルタイムバトル)と「ウェイトモード」を切り替え可能です。一度「ウェイト」に設定すれば、以降ロードしても自動で切り替わることはなく、プレイヤーの意思で戻すまで維持されます。

修行とミニゲーム

修行について

修行は、悟空がナメック星に到着するまでの6日間の重力修行として描かれています。修行では、プレイヤーは1日1回、どこを鍛えるかのカリキュラム、修行時間、激しさ、休憩時間を設定できます。疲労値が100%になると仙豆を1個消費することで回復できます。ただし、仙豆には限りがあるため、使い過ぎには注意が必要です。仙豆を使い過ぎると、悟飯たちが回復できないままジースや悟空の身体を乗っ取ったギニューと戦うことになる可能性があります。

このゲームでは、戦闘力はBP(戦闘力)で表示されます。悟飯、クリリン、ベジータ、悟空のレベルは連動しており、悟飯やクリリン、ベジータ(操作できないがステータスは確認可能)のレベルは悟空と一緒に上がっていきます。悟空も宇宙船での修行でレベルが勝手に上がるとされています。経験値は全員で共有されるため、共に行動していないキャラクターも成長します。

ミニゲームについて

物語中盤では計4種類のミニゲームが発生し、ストーリーを彩ります。
例として悟飯が水中に沈むドラゴンボールを岩をどかして回収するミニゲーム、クリリンが動き回るカエルにエネルギー弾を当てる射的ゲーム、ドドリアから逃げ延びるステルスゲームなどがあり、それぞれ成功条件を満たすとストーリーが有利に進行します。ドドリアから逃げるミニゲームでは失敗して捕まった場合、戦闘に突入するもののクリリンの太陽拳(たいようけん)でイベント的に逃れることができ、原作再現の演出がなされています。

  • ミニゲーム1: 孫悟飯を操作し、岩を動かして水中に沈んだドラゴンボールを取るゲームです。水中では酸素ゲージが減るため、水面に出て呼吸する必要があります。酸素がなくなるとやり直しになります。
  • ミニゲーム2: クリリンを操作し、動き回るカエルにエネルギー弾を当てるゲームです。対戦相手のネイルより先に4匹仕留めればクリアとなります。
  • ミニゲーム3: クリリンを操作し、ドドリアから逃げ回るゲームです。画面下のドドリアの意欲ゲージがなくなるまで逃げ続ければクリアです。ドドリアのエネルギー弾に当たると意欲ゲージが回復し、捕まると戦闘になります。
  • ミニゲーム4: パネルにあるボタンを制限時間内に全て押すゲームです。クリアしても特に何もありません。

これらのミニゲームは、ストーリーモードの進め方によっては一度も出てこないこともあるようです。しかし、裏技を知っていればいつでも遊ぶことができるため、一度も遊ばずに終わってしまうのはもったいないという意見もあります。

ステージ一覧

ストーリーモードの進行はナメック星編のエピソードに沿ってステージ(章)形式で展開します。各ステージの概要と特徴は以下の通りです。

ステージステージ名称(概要)主な敵キャラ/ボスクリア条件・特殊ギミック
1ナメック星到着フリーザ軍兵士(ザコ敵)、キュイベジータでキュイを撃破。特になし
2ドドリアとの遭遇ドドリア追跡してくるドドリアから逃げ切る。失敗しても戦闘中に太陽拳イベントで逃亡可能)
3ザーボン1戦目ザーボン(第1形態)ベジータでザーボンを撃破
4ザーボン2戦目ザーボン(変身後)変身後のザーボンを撃破
5ギニュー特戦隊・前哨戦グルド、リクームグルド撃破後、リクームと二連戦
6ギニュー特戦隊・後半戦リクーム(2戦目)、バータ、ジース悟空でリクームを撃破し、引き続きバータとジースを撃破
7隊長ギニューの脅威ギニュー(自身の姿)、ギニュー(悟空の身体)ギニュー隊長を撃破
8最終決戦・フリーザフリーザ第1形態~第4形態連戦でフリーザの各形態を撃破
EX超サイヤ人覚醒(隠し最終局面)フリーザ(フルパワー形態)悟空を低レベル(Lv20以下)で第4形態撃破すると悟空が超サイヤ人化し、フリーザ最終(100%)形態との真の最終戦に突入

※ステージEXは特定条件でのみ発生する隠しバトルです。それ以外の場合、フリーザ第4形態撃破後は悟空は超サイヤ人にならないままエンディング(ナメック星脱出)となります。

登場キャラクター&必殺技一覧

『ドラゴンボールZ 悟空激闘伝』の各キャラクターの必殺技についてですね。ソースに基づき、このゲームに登場する主なキャラクターの技や攻撃方法を以下にまとめます。

Z戦士

  • 孫悟空(ゲーム中では「ごくう」と表記):
    • 界王拳: 気が満タンの時に気を溜めることで使用できます。界王拳は技の熟練度カウントの対象外とされています。
    • 太陽拳: 相手の動きを逆転させる効果があります。太陽拳も技の熟練度カウントの対象外とされています。
    • 元気玉: ある程度ダメージを与えた際のイベントで、悟空が元気玉を放ってフリーザ第4形態との戦闘が終了します。
    • かめはめ波: 気を溜めることで使用
  • 孫悟飯(ゲーム中では「ごはん」と表記):
  • クリリン:
    • 太陽拳: 悟空と同じく使用できます。
    • 気円斬: ソースによってはクリリンの技として挙げられています。
    • エネルギー弾: ミニゲームで動き回るカエルにエネルギー弾を当てるゲームがあります。
  • ベジータ:
    • ラッシュ
    • ギャリック砲

敵キャラクター(ボス)

  • キュイ:
  • ドドリア:
  • ザーボン:
    • 身後(ザーボン2)は誘導エネルギー波爆発波を使用するようになります。爆発波はマップ全体に及ぶ防御困難な技です。
  • ギニュー:
    • 戦闘力は120000で、さらに2倍近くまで上昇させることもできます。
  • リクーム:
    • ギニュー以外の特戦隊隊員の中では最も戦闘力が高いです。
  • ジース:
  • バータ:
    • 移動力が高く格闘戦を仕掛けてきますが、防御はしません。
  • グルド:
    • 原作と違い、動きを止めつつ攻撃を仕掛けてきます。
  • フリーザ:
    • 第1形態(フリーザ1)は光弾系の技は使わず、接近してのダッシュ格闘を行います。
    • 第2形態(フリーザ2)はこの段階で戦闘力530000となり、誘導エネルギー波やマップ全体に及ぶ爆発波を使用します。
    • 第3形態(フリーザ3)は主に連続エネルギー弾で攻撃してきます。
    • 最終形態(フリーザ4)はスピードが速く、多彩な攻撃を仕掛けてきます。ある程度ダメージを与えるとイベントが発生し、悟空の元気玉で戦闘が終了します。
    • フルパワー(フリーザ(フルパワー))は、レベル20以下でフリーザ4に勝利した場合のみ登場し、技の威力がさらに上がっています。

敵キャラクター(一般兵士)

  • スーイ: ビームガンを撃ってきます。
  • バナン: 主に格闘戦を仕掛けてきます。
  • ラーズベリ: 攻撃はビームガンのみですが、防御もします。
  • アプール: エネルギー波のほか格闘戦も仕掛けてくるバランス型です.
  • ナップル: ザコの中では最高の戦闘力ですが、固有の技名はソースに記載されていません。

グラフィック・サウンド解説

本作のグラフィックは、戦闘時に多彩な立ち絵やカットイン演出を駆使し、原作アニメの臨場感を再現しています。
立ち絵は攻撃や防御のたびに細かく切り替わり、フェイスグラフィックも豊富に用意されているため、キャラクターごとの動作や感情表現が際立ちます。

一方、フィールド画面はシンプルな2等身ドット絵ですが、横スクロールで描かれるマップ移動やブルマの隠れ家などの演出で飽きさせません。
さらにスーパーゲームボーイ対応により、スーパーファミコン経由では専用カラーパレットとボーダーが適用され、モノクロ時代のゲームボーイにカラーの華やかさをもたらしています。

サウンド面では、作曲家・西澤洋氏による完全オリジナルのチップチューンサウンドが厚みのあるBGMと効果音を支えています。戦闘曲は雑魚戦用が2曲、ボス戦用が複数用意され、終盤ではオープニング曲を流用した感動的な演出も実装。効果音はパンチやキック、気功波の音が非常に良く作り込まれており、戦闘時の迫力を高めています。音楽トラックはファン制作のMP3集で21曲が確認されており、戦略的なバトルテンポを盛り上げる多彩な楽曲構成が魅力です。

グラフィック
多彩な立ち絵とカットイン演出
戦闘時のキャラクター立ち絵は、パンチやキック、気功波などの攻撃やガード動作ごとに表示が切り替わり、原作アニメの名シーンをトレスしたカットインも多数用意されています 。
動作パターンの豊富さ
ストーリーイベント時のフェイスグラフィックも多彩で、2等身ドットキャラの動作パターンが豊富に用意されているため、キャラクターの感情や状況が伝わりやすく工夫されていま。
臨場感のあるドット絵
通常気弾(光弾)を連射すると、1発ごとにキャラクターの一枚絵が切り替わる演出があり、連続攻撃の爽快感をグラフィック面でも強調しています。
フィールド画面
フィールド上は横スクロール形式のシンプルなドット絵でキャラクターが小さめに描かれますが、ブルマの隠れ家やカエルとのセーブ演出など、RPG的な演出でメリハリをつけています。
スーパーゲームボーイ対応
スーパーファミコンに接続してプレイすると、専用カラーパレットとスクリーンボーダーが適用され、モノクロ画面ながらカラーの鮮やかさが加わります。

サウンド
作曲・編曲:西澤洋
本作の音楽は西澤洋氏が手がけ、ゲームボーイのチップチューン音源を最大限に活かしたオリジナル楽曲が展開されます。
BGMの質とバリエーション
戦闘曲は雑魚戦用が2曲、ボス戦用が3曲以上用意され、テンポの良いサウンドで戦闘に熱狂感を与えます。終盤ではオープニング曲を引用した演出で盛り上げる工夫もあります。
効果音の完成度
パンチやキック、気功波の発射音は「非常によくできている」と評され、戦闘時の爽快感を支える要素となっています。
音楽トラック数
ファンによるMP3収録リストでは全21トラックが確認されており、ストーリーの進行からバトルまで幅広い場面を音楽で彩ります。
音響面の指摘
まれにエネルギー技の効果音が同じに聞こえるため、ガードのタイミングがわかりにくいとの指摘もありますが、全体としてサウンド面は高い完成度を誇ります。
これらの演出と音響の工夫により、『ドラゴンボールZ 悟空激闘伝』はゲームボーイ作品としては異例の没入感と原作再現度を実現し、レトロゲームファンやドラゴンボールファンに今なお支持される要因となっています。

販売実績・評価

本作の国内販売実績は出荷ベースで約9万本と、当時の人気作品としてはやや控えめな数字でした。
ゲームレビュー誌での評価も賛否が分かれています。『ファミ通』クロスレビューでは40点満点中18点(6, 3, 5, 4の内訳)と低めのスコアに留まっています。

また『ファミリーコンピュータMagazine』読者評価のゲーム通信簿でも30点満点中21.4点という評価で、キャラクター性や熱中度は比較的高得点だったものの、操作性やお買い得度でやや点数を下げています。

一方、ユーザーからの評価は当時のDBゲームとしては概ね好意的でした。
ゲームファンや原作ファンの口コミでは「原作ストーリー再現度の高さ」や「豊富なキャラ演出」「BGMの良さ」などが称賛されています。特に「ゲームボーイでここまでドラゴンボールの戦闘を表現できているのは凄い」という声や、「悟空激闘伝は当時遊んだDBZゲームの中で一番のお気に入りだった」といった回顧も多く見受けられました。
海外では公式発売がなかったものの、一部の熱心なドラゴンボールファンが輸入してプレイしており、「理解できなくても楽しめる出来」「他のDBゲームとは一味違うRPG要素が面白い」といった感想が寄せられていました。

もっとも批判点がなかったわけではありません。
戦闘システムに関して一部からは「結局は弱攻撃(通常エネルギー弾)の連射が最も強く、戦略が単調になりがち」と指摘されています。
実際、本作ではゲージを最大まで溜めて放つ必殺技よりも、ゲージ少量で連射可能な通常気弾でガードを崩しながらダメージを稼ぐ戦法が有効で、後半ほどその傾向が顕著になります。そのため全ての戦闘がワンパターン化しやすい点や、数値上の戦闘力の設定がゲーム上あまり意味をなしていない点(終盤ザコ敵の戦闘力が序盤ボスより低い等)も賛否両論となりました 。しかしこれらの不満点を差し引いても、「原作の名場面を追体験できるゲームボーイ作品」として当時の子供たちには根強い人気がありました。

関連作品比較・影響

同時期のドラゴンボールゲームと比較すると、『悟空激闘伝』はそのユニークなゲーム性で際立っています。
前年発売の前作GB用RPG『悟空飛翔伝』はカードバトル式の戦闘でしたが、本作ではコマンド入力式リアルタイムバトルに刷新され、操作キャラや必殺技の数も大幅に増加しました。

またスーパーファミコンで展開されていた格闘ゲームシリーズ「超武闘伝」(1993-1994年)やアドベンチャーゲーム「超悟空伝」シリーズ(1995年)とも一線を画しています。
例えば格闘ゲームの超武闘伝シリーズが純粋な対戦アクションだったのに対し、本作はRPG的な育成・物語要素を盛り込み、一人用モードの充実を図っています。
一方、SFCの「超悟空伝」突激編・覚醒編(物語体験型ゲームブック風ゲーム)とは同じナメック星編を扱いながら、悟空激闘伝はより戦闘に重きを置いたゲームプレイになっています。
実際、悟空激闘伝発売から約1ヶ月後にSFCで発売された『ドラゴンボールZ 超悟空伝 覚醒編』でもフリーザ編の終盤が描かれますが、悟空激闘伝とは異なるアプローチ(アドベンチャーパート中心+戦闘簡略化)であり、同じ原作エピソードでもゲーム性の違いが際立っていました。

本作のシステムは後続作品にも多少の影響を与えています。直接のシリーズ続編はゲームボーイでは企画されませんでしたが、数年後にゲームボーイカラーで発売されたカードRPG『ドラゴンボールZ 伝説の超戦士たち(Legendary Super Warriors)』(2002年)では、本作と同様に原作のサイヤ人編~フリーザ編以降をRPG形式で追体験する内容となっており、「携帯機で原作体験をするDBゲーム」の路線は受け継がれました。

また、本作のような原作再現重視のゲームデザインは後年のドラゴンボールゲームにも通じるものがあります。近年のレトロゲーム評価では「悟空激闘伝の戦闘演出は今見ても凝っている」「低レベルクリアで超サイヤ人になる隠し要素は当時画期的だった」など再評価の声もあり、同時期の作品群の中でもユニークな位置付けと言えるでしょう。

現代での評価

発売から約30年近く経った現在でも、『悟空激闘伝』はレトロゲームファンやドラゴンボールファンの間で一定の評価を保っています。
特に原作ナメック星編の忠実な再現ゲームボーイ作品としての完成度が再評価ポイントとして挙げられます。

容量の制約で一部省略されたシーンはあるものの、主要な戦闘やイベントは押さえられており、ミニゲーム等で原作の細かい演出まで盛り込もうとした開発陣の工夫は「隠れた名作」として語られます。また真エンディングに関する隠し要素(低レベルクリアで悟空が超サイヤ人に覚醒)も当時の少年達にとって驚きと興奮を与えた要素で、現代でも攻略情報とともに話題になることがあります。

コレクターズアイテムとしての価値も徐々に高まっており、中古市場価格を見ると、カートリッジのみの中古は概ね1,500〜3,000円前後、箱説付きの完品は5,000〜10,000円程度で取引されています。状態によって価格差は大きく、保存状態の良い未開封品や美品完品となると20,000〜30,000円以上のプレミア価格が付くこともあります 。発売当時の流通本数がそれほど多くないこともあり、年代物のドラゴンボールゲームとしてコレクターの需要があるようです。

総じて、『ドラゴンボールZ 悟空激闘伝』は派手な知名度こそないものの、ゲームボーイのレトロ名作として静かな再評価を受けています。
「原作愛」に支えられた丁寧な作り込みや、携帯機ならではの工夫が随所に感じられる本作は、ドラゴンボールゲームの黎明期を語る上で欠かせない一本と言えるでしょう。当時プレイしたファンにとってはもちろん、今から遊んでみてもレトロゲームの味わいとドラゴンボールの世界観を楽しめる作品として、2025年現在でも根強い人気を保っています。

created by Rinker
¥2,537 (2025/06/20 09:36:45時点 楽天市場調べ-詳細)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA