【ぷよぷよ】ゲームボーイ版『ぷよぷよ』徹底解説(1994年発売)

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【ぷよぷよ】ゲームボーイ版『ぷよぷよ』徹底解説(1994年発売)

1994年7月31日に発売されたゲームボーイ版『ぷよぷよ』は、当時大人気だった落ち物パズルゲーム『ぷよぷよ』を携帯機で遊べるようにした意欲作です。開発はウィンキーソフト、販売元はバンプレストで、税別価格3,980円で発売されました。

ゲームシステム

  • 基本ルール&ゲームモード:2つ一組で落ちるぷよを操作し、同色を4つ以上つなげて消す。連鎖(れんさ)発生で相手におじゃまぷよを送信し、先に画面を埋めれば勝利
  • モード:ひとりでぷよぷよ(ストーリーモード/難易度「やさしい」「ふつう」「むずい」)、とことんぷよぷよ(エンドレス/タイムアタック機能付き)、ふたりでぷよぷよ(通信ケーブル対戦、スーパーゲームボーイ使用で1カートリッジ2人対戦)
  • 表示&操作性:モノクロ(4階調)画面で顔の模様や濃淡でぷよを判別、判別が難しい場合はスーパーゲームボーイで自動カラー化、十字ボタン左右で移動、下で落下加速(約2倍)、A/Bボタンで回転、落下や回転に若干のもたつきがあり、高速操作や設置後の自動固定が独特
  • 演出&サウンド:ぷよ消去時は点滅のみ、派手なエフェクトや連鎖ボイスは未収録、おじゃまぷよ送信時の画面揺れ・効果音も簡略化、一部効果音がシンプルな電子音(金属音風)に差し替え

ゲームボーイ版『ぷよぷよ』は、基本的にアーケード版『ぷよぷよ』(いわゆるCPUとの対戦がある“新ぷよ”)のルールを踏襲しています。プレイヤーは上から落ちてくる2つ一組のぷよ(スライムのようなキャラクターの玉)を操作し、同じ色のぷよを4つ以上繋げて消すことで得点を稼ぎます。

ぷよを消した際に、その上に積まれていたぷよが落下し、新たな連結が起これば連続でぷよが消える――これを連鎖(れんさ)と呼び、連鎖が発生すると相手フィールドにおじゃまぷよ(邪魔玉)が降り注ぐ仕組みです。相手を先に画面いっぱいにぷよで埋め尽くしゲームオーバーにさせれば勝利となります。この対戦型のルールは、ただブロックを消すだけのパズルとは一線を画し、当時流行していた対戦格闘ゲームのような白熱した駆け引きを楽しめる点が画期的でした。

ゲームモードは、「ひとりでぷよぷよ」(一人用ストーリーモード)、「とことんぷよぷよ」(エンドレスのスコアアタックモード)、「ふたりでぷよぷよ」(対戦モード)の3種類が収録されています。一人用モードでは、プレイヤーキャラクターのアルルが次々に現れるCPUキャラクターと対戦していきます。難易度は「やさしい」「ふつう」「むずい」の3段階から選択可能で、「むずい」を選ぶと最初の3ステージがスキップされて4面のハーピーからスタートするといった違いがあります(高難易度では序盤を省略し、中盤から挑戦できる仕様です)。

エンドレスの「とことんぷよぷよ」では、時間切れまでにどれだけスコアを稼げるか競うタイムアタック機能も本作で追加されました。

対戦モードはゲームボーイ同士を通信ケーブルで繋ぐことで友達とプレイできますが、実は本作は任天堂の周辺機器「スーパーゲームボーイ」(スーパーファミコンに接続してゲームボーイソフトをテレビ画面で遊ぶアダプタ)にも対応しており、スーパーゲームボーイ上では1本のカセットで2人同時対戦**を行うことも可能です。これはスーパーゲームボーイならではの嬉しい特徴と言えるでしょう。

ゲームボーイ版ならではの点として、モノクロ画面でのぷよの表現があります。
ゲームボーイは白黒(4階調のモノクロ)ディスプレイのため、ぷよの色を判別することができません。その代わり、ぷよの形状や模様の違いとドットの濃淡によって種類を見分ける工夫がされています。

例えば、ある色のぷよには目が点々模様、別の色のぷよには目が丸模様、といったように微妙にデザインが異なっています。ただし画面が小さく解像度も低いため、プレイ中にとっさに判別するのは難しく、「白黒画面のゲームボーイで『ぷよぷよ』を遊ぶのは無理がある」と当時感じたユーザーも少なくありません。

実際、開発スタッフの一人(板鼻利幸氏)は「落下速度が上がっても識別できるように苦心してドットを打った」と語っていますが、慣れが必要なのは否めないようです。この問題はスーパーゲームボーイでプレイすることで大きく緩和されます。スーパーゲームボーイ使用時には本作は自動的にカラー表示となり、ぷよに本来の色が付きます(使用可能な色数の都合で緑ぷよが省かれ、青ぷよが水色、緑ぷよが青に置き換えられるなどの調整があります)。視認性という点ではスーパーゲームボーイ運用が推奨ですが、一方で操作性などゲーム内容そのものは後述のようにカラー化しても課題が残りました。

操作系についても触れておきましょう。基本的な操作は他機種版と同様、十字ボタン左右でぷよ移動、下で落下加速、A/Bボタンでぷよの回転です。しかしゲームボーイ版では操作感がやや独特で、他機種に比べて“もっさり”しています。

例えば、下ボタンによる落下加速が現在の落下速度の約2倍程度のスピードに留まっており、高速落下が固定速ではありません。そのため、序盤の低速ステージでは下ボタンを押しても落下が遅く、対戦のテンポが非常にゆったりしてしまいます。

また、ぷよが地面についた後に下ボタンを押し続けても即座に固定されず、その間じわじわと落下ボーナス点だけが入り続けるという奇妙な挙動も確認されています(本来ぷよが接地したらすぐ固定されるべきところ、なぜか固定せず点数加算だけされるバグのような現象です)。さらに回転ボタンの反応も悪く、回転直後のわずかな間は次の回転入力を受け付けない仕様のため、高速でぷよを操作したい場面で回転が間に合わず置けないことがあります。ぷよの横移動のスピードや、ぷよを消した後に次のぷよが出現するまでの時間など、全体的に処理が遅く設計されており、特に終盤ステージの高速落下時には操作が追いつかず難易度が上がってしまう傾向があります。

演出面も他機種版と比べると簡略化されています。ぷよが4つ揃って消えるときは点滅して消えるだけで、派手なエフェクトはありません。
また連鎖が発生しても本来のようなキャラクターの魔法攻撃演出(例:「ファイヤー!」という掛け声とともに魔法エフェクトが飛ぶ演出)がカットされ、そもそも連鎖ボイス(キャラクターの音声掛け声)も未収録です。大量のおじゃまぷよを相手に一度に送った際の画面の揺れ演出や効果音も省略されています。

さらに細かい点では、ぷよを横に動かしたときの効果音やゲームオーバー時にぷよが降り積もる効果音など、一部が簡易的な電子音(金属音のようなノイズ)に差し替えられており、音周りでも物足りなさが残ります。これらはゲームボーイの性能・容量上の制約によるものですが、後述するように漫才デモ(各対戦前後のキャラクター同士の掛け合い会話シーン)がほぼ完全に収録されているため、その分演出やサウンドにしわ寄せが来たようです。

ストーリー

Amazonより画像引用

『ぷよぷよ』は元々RPG『魔導物語』シリーズの世界観を流用しており、一見パズルゲームながら明確なストーリー設定が存在します。

主人公はアルル・ナジャという魔導師の卵(見習い魔法使い)の少女で、彼女は「オワニモ」という魔法(4匹以上の同色の魔物を時空の狭間へ消し去る呪文)を駆使して次々に現れる魔物たちを退治していきます。物語の舞台は「ぷよぷよ地獄」と呼ばれる不思議な空間で、アルルはそこに立ちはだかるモンスターやライバルたちとぷよ勝負をしながら最深部を目指します。プレイヤーは一人用モード「ひとりでぷよぷよ」で、このアルルの冒険を追体験することになります。

ステージが進むごとに個性豊かな敵キャラクターが登場し、アルルとの間でコミカルな会話イベント(漫才デモ)が展開され、アルルとの掛け合い漫才のような軽妙なトークの後にバトル開始となります。他にも、ドラコケンタウロス(ドラゴン娘)やシェゾ・ウィグィイ(闇の魔導師)、ルルー(格闘家の女の子)など、『魔導物語』から引き継がれたキャラクターが次々と登場します。それぞれユニークな性格設定があり、対戦前後の漫才デモでは思わずクスッと笑える掛け合いが見どころです。ゲームボーイ版では容量の制約がありながらも、この漫才デモがほぼ全て収録されている点は特筆に値します。移植にあたってアニメーション演出や台詞の一部簡略化はあったものの、携帯機で原作さながらの掛け合いが楽しめるようになっています。これは同じ携帯機でもゲームギア版『ぷよぷよ』では漫才デモがばっさり削除されていたことを考えると、ゲームボーイ版の大きな強みと言えるでしょう。

アルルはステージを勝ち進む中で、彼女に思いを寄せるサタン(闇の貴公子)や、そのサタンに恋するルルーなどとも対決していきます。物語終盤、最終ボスとして待ち受けるのはサタンです。見事サタンを打ち破るとエンディングとなります。

全体として、『ぷよぷよ』のストーリーはシリアスなRPGというよりはギャグテイストで、キャラクター同士の掛け合いやコミカルな設定が魅力です。元ネタとなったRPG『魔導物語』シリーズのエピソードを背景にしているため、ファンならニヤリとできる小ネタも散りばめられています(例えば、登場キャラの組み合わせや一人称の違いなどに原作の要素が反映されています)。もっとも、ストーリー自体はパズル対戦を盛り上げる舞台装置に過ぎないので、初めてプレイする方は深く構えず、「かわいいキャラたちが繰り広げるお芝居を楽しむ」くらいの気持ちで臨むとよいでしょう。

開発背景

『ぷよぷよ』誕生とヒットの経緯:『ぷよぷよ』は元々コンパイルの社内企画として生まれました。開発者の米光一成氏(後にスティングを設立)は「パズルゲームはキャラクター性が弱い」と感じており、自社RPG『魔導物語』のキャラクターを使って対戦型パズルを作れないかと考案したのが始まりでした。1991年にMSX2とファミコンディスクシステム向けに第一作が登場し、翌1992年10月にはセガとの協業でアーケード版『ぷよぷよ』がリリースされます。これが大ヒットとなり、かわいらしい見た目と本格的な対戦ゲーム性で瞬く間に人気を博しました。当時は対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターII』ブームの最中でもあり、『ぷよぷよ』の連鎖を駆使した対戦という新要素は斬新で、全国各地で大会が開催され「ぷよマスター」「ぷよキング」といった名人が誕生する社会現象にもなりました。こうした人気を受け、コンパイルおよび各社から家庭用機への移植が相次ぎます。

多機種展開とゲームボーイ版の位置付け:アーケード版を皮切りに、『ぷよぷよ』は1992年末のメガドライブ版(12月発売)、1993年3月のゲームギア版(携帯機初の移植)、同日発売のPC-98版、12月のスーパーファミコン版、1994年4月のPCエンジン(CD-ROM²)版、7月のX68000版と、ほぼ怒涛の勢いで主要プラットフォームを網羅していきました。ゲームボーイ版『ぷよぷよ』はその流れの中で、1994年7月31日に発売されました(X68000版の2日後に発売されており、ほぼ同時期です)。販売元はスーパーファミコン版と同じバンプレストで、ゲームボーイ市場では任天堂の『テトリス』以来となる本格対戦パズルとして期待されていました。

ゲームボーイ版の開発を担当したのはウィンキーソフトです。ウィンキーソフトは『スーパーロボット大戦』シリーズなどで知られる開発会社で、バンプレストの携帯機タイトルの制作にも関わっていました。コンパイル自身は他機種版の開発に注力していたこともあり、ゲームボーイ版は外部のウィンキーソフトに委ねられた形です。

ゲームボーイはモノクロかつ低解像度というハード特性上、単純移植するだけでは遊びにくくなる懸念がありました。そのため開発陣はぷよのドット絵に工夫を凝らし、例えば先述のように色を形で判別できるよう各ぷよの顔パターンを変える試みがなされています。
また、スーパーゲームボーイ対応によるカラー表示や一台での対戦サポートなど、新ハードの機能も盛り込まれました。ゲームボーイ版は容量2メガビットのロムカートリッジで、これは当時の他の移植版(例:SFC版8メガ、MD版4メガなど)に比べるとかなり小容量です。

限られた容量の中で可能な限り原作の魅力を再現しようとした結果、漫才デモ等のシナリオ部分を優先して収録し、その代わり音声や一部演出を削る決断がなされたようです。実際、ゲームギア版では漫才デモ自体が省略されていたので、ゲームボーイ版でそれを入れ込んだのは英断と言えるでしょう。

移植に伴う変更点:開発背景として興味深いのは、ゲームボーイ版で独自に追加・変更された要素もあることです。先ほどゲームシステムで触れたタイムアタック機能付きの「とことんぷよぷよ」は、実はオリジナル(アーケードや他機種版)には無かったモード拡張です。一定時間が経過すると自動的にゲームオーバーになるルールで、スコアアタックに時間制限のスリルを与えています。こうした新要素は、携帯機ならではの短時間プレイ向けアレンジとも考えられます。その一方で、先述した操作レスポンスの変更や難易度バランスの違いも見られます。例えばCPUキャラクターの思考ルーチン(ぷよの積み方や攻撃パターン)がオリジナルと異なり、全体的に強化されています。中盤以降の敵はかなり手強く、初代『ぷよぷよ』他機種版ではカモ的存在だった「すけとうだら」(魚の骸骨踊り手)や「ハーピー」(歌う鳥人間)といったキャラも普通に連鎖を組んでくるため、油断できません。スケルトン-Tに至ってはゲームボーイ版ではぷよを自在に回転までさせてくる(本来は無回転で積むマヌケキャラ)という変貌ぶりで、中級者でも苦戦する難易度となりました。これはゲームギア版など他の携帯機移植でも見られた調整で、携帯機の処理性能上、複雑なAIを各キャラ個別に作る余裕がなかったため思考ルーチンが画一化された結果とも推測されています。またシナリオ面では、他機種版でアルルが自分のことを「あたし」と呼ぶ場面がゲームボーイ版では「ぼく」に修正されているなど、細かなテキストの変更も確認されています。こうした違いを探してみるのも、各機種版をプレイする楽しみの一つかもしれません。

開発当時の状況:ゲームボーイ版が発売された1994年夏は、ちょうどスーパーゲームボーイの登場(同年6月発売)直後でした。任天堂もスーパーゲームボーイ対応タイトルを推進していた時期であり、本作もパッケージこそ通常のものですが店頭では「カラーで遊べるぷよぷよ!」といった宣伝がなされていたようです。もっとも、先述の通りスーパーゲームボーイでカラー化しても根本的な操作性の問題は残ったため、「それなら最初からスーパーファミコン版を遊んだ方が…」という声も当時のゲーム雑誌に載っていました。実際、本作発売時点ですでにスーファミ版『す~ぱ~ぷよぷよ』(1993年12月発売)が市場にあり、据置機でカラー&サウンド充実の『ぷよぷよ』が遊べる環境があったわけです。携帯ゲーム機で手軽にぷよぷよが遊べる価値と、据置機で快適に遊べる体験、この両者のバランスの中でゲームボーイ版『ぷよぷよ』は生み出されたと言えるでしょう。

発売地域ごとの相違点

ゲームボーイ版『ぷよぷよ』は基本的に日本国内向けにリリースされたタイトルで、海外では正式には発売されませんでした。ここでは、日本版と海外での状況について比較しながら解説します。

地域発売日タイトル/パッケージ特徴主要キャラクター展開・ローカライズ状況備考
日本(国内版)1994年7月31日『ぷよぷよ』/アルルやぷよ達のイラスト(初期版・後期版でロゴ位置や裏面レイアウトに微細な違い)アルル、カーバンクル、サタン 他オリジナル版そのまま。SFC版『す~ぱ~ぷよぷよ』先行発売。外出先向けに需要あり。販売本数は不明(SFC版170万本超と比較すると小規模)
北米(米国)該当タイトルなし『Mean Bean Machine』(1993年11月・MD)と『Kirby’s Avalanche』(1995年・SFC)で代替展開。GB版は未発売。GBでオリジナル『ぷよぷよ』は遊べず。ゲームギア版に隠し英語モード「Puzlow Kids」搭載(未発売)
欧州(ヨーロッパ)該当タイトルなし北米同様、MD/GG版『Mean Bean Machine』とSFC版『Kirby’s Ghost Trap』で展開。GB版未発売。『Puyo Puyo』ブランドで海外正式発売は1999年以降(NGP版『Puyo Pop』など)

日本(国内版)

ゲームボーイ版『ぷよぷよ』は1994年7月31日に日本で発売されました。タイトルはそのまま『ぷよぷよ』で、内容も前述の通り『魔導物語』由来のキャラクターや設定がそのまま使われています。日本では既にアーケードや他機種版で『ぷよぷよ』が広く知られていたため、キャラクターたち(アルルやカーバンクル、サタン他)も馴染み深いものでした。

本作のパッケージにはアルルやぷよ達のイラストが描かれており、実は初期版と後期版でパッケージデザインに微細な違いがあることが知られています(ロゴ位置や裏面レイアウト変更など)。ゲーム内容に違いはありませんが、マニアの間では「パケ違い」が話題になる珍しいケースでした。

また、日本国内ではスーパーファミコン版『す~ぱ~ぷよぷよ』(1993年12月発売)が先行しており、据置機での人気も高かったため、ゲームボーイ版は「外出先でもぷよぷよが遊べる」として一定の需要がありました。販売本数の正確なデータは不明ですが、スーパーファミコン版が約170万本を売り上げる大ヒットだった一方、ゲームボーイ版はそれに比べると大きな商業的成功とはいかず、後発の続編などに引き継がれていきます。

北米(米国)

北米ではゲームボーイ版『ぷよぷよ』そのものはリリースされませんでした。しかし『ぷよぷよ』のゲームシステム自体は別の形で紹介されています。

セガは1993年11月、メガドライブ(ジェネシス)向けに『Dr. Robotnik’s Mean Bean Machine(ドクター・ロボトニックのミーンビーンマシーン)』を発売しました。これは『ぷよぷよ』をベースに、キャラクターをセガの人気シリーズ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の悪役ロボトニック博士とその手下達に差し替えた作品です。

ゲーム内容は連鎖でおじゃまを送り合う対戦パズルそのままで、ぷよぷよは「ビーン(豆)」という設定に変えられています。ゲームギア版も同時期に発売され、こちらは実はコンパイル開発の外伝パズル『なぞぷよ』の流用でした。
任天堂も1995年に同様の動きを取り、スーパーファミコン版『す~ぱ~ぷよぷよ』をベースに任天堂キャラを当てはめた『Kirby’s Avalanche(カービィのアバランチ)』を北米で発売しています。星のカービィシリーズのキャラクターが登場し、ぷよぷよは「ブロブ」と呼ばれるスライムとして描かれています。
こうしたローカライズ(キャラクター差し替え)は、当時北米では『魔導物語』のキャラクターが知られていなかったためで、親しみやすい自社IPに置き換えることで市場展開を図った形です。

結果として、北米のプレイヤーにとって『ぷよぷよ』はしばらく「ミーンビーンマシーン」や「カービィのパズルゲーム」のイメージで浸透することになりました。
ゲームボーイでの展開について言えば、セガはゲームボーイ市場に参入していなかったためロボトニック版は出ず、任天堂もカービィ版をゲームボーイでは展開しませんでした(代わりにゲームボーイでは同年『カービィのピンボール』『カービィのブロックボール』といったパズルゲームがリリースされています)。

そのため、北米ではゲームボーイでオリジナルのぷよぷよを遊ぶ手段は存在しなかったと言えます。なお、ゲームギア版『ぷよぷよ』には本体のリージョン設定を検出してタイトルを『Puzlow Kids(パズロウキッズ)』という英語名に自動切替する隠し英語モードが内蔵されていました。これは北米や欧州発売を見据えた実験的機能でしたが、結局ゲームギア版は日本国外では発売されず幻の存在となっています。

欧州(ヨーロッパ)

欧州でもゲームボーイ版『ぷよぷよ』はリリースされていません。
欧州市場では、北米同様にセガの『Dr. Robotnik’s Mean Bean Machine』(メガドライブ/ゲームギア版)や任天堂の『Kirby’s Ghost Trap(カービィのゴーストトラップ)』というタイトルで認知されました。

『Kirby’s Ghost Trap』は欧州向けに改題したカービィ版ぷよぷよで、北米名のAvalancheと中身は同じです。言語の違い以外は大きな変更はなく、漫才デモもカービィとデデデ大王のコミカルな掛け合いに差し替えられていました。欧州ではメガドライブ(欧州名:Genesis)やゲームボーイも広く普及していましたが、上述のようにぷよぷよのブランド名自体はまだ使われず、公式に”Puyo Puyo”として発売されるのはかなり後年になります(初めて海外で”Puyo Puyo”の名が冠されたのは1999年のネオジオポケットカラー版『Puyo Pop』や2001年のゲームボーイアドバンス版『Puyo Pop』などでした)。

欧州でも90年代当時は日本オリジナルのキャラクターより自国で知られたキャラを用いる方が売れるという判断が働いていたのでしょう。いずれにせよ、ゲームボーイというハードに限って言えば、日本以外の地域では公式な『ぷよぷよ』タイトルは存在しない状況でした。そのため、欧米のレトロゲーマーがゲームボーイ版『ぷよぷよ』を遊ぶ場合、日本版カートリッジを取り寄せるかエミュレータを使うしか手段がなかったのです。

まとめると、ゲームボーイ版『ぷよぷよ』は日本専売であり、海外では同内容のゲームが別タイトル・別キャラクターで展開されていました。ローカライズにあたってキャラクターの変更や名前の変更、軽微なグラフィック変更(例えばHarpyがWestern版では服を着せられ”Dark Elf”に改名される等)が行われていますが、ゲームルール自体は共通です。一部の海外PC版では『Qwirks(クワークス)』という名前でぷよぷよクローンが発売された例もあります。しかしながら、やはりぷよぷよ本来の世界観が海外正式版で楽しめるようになるのは、セガが版権を引き継いだ後の21世紀に入ってからでした。ゲームボーイ版の発売当時、もし日本国外のファンがこれを知ってプレイしたら、日本語が分からなくとも可愛らしいキャラと奥深い連鎖システムに魅了されたことでしょう。

影響と評価

分類主な内容具体例対象ユーザー備考
ネガティブ評価モノクロ判別困難・操作のもたつき「劣化ゲー」「GBで遊ぶなら通以降を推奨」シリーズファン・ゲームメディア白黒画面/入力遅延が不満点
ポジティブ評価漫才デモ収録・通信対戦/SGB対応「カラーなら見やすい」「携帯機で対戦楽しい」携帯性重視のユーザー(小中学生等)入門編としての裾野拡大に貢献
影響・展開続編・後続作での改善とグローバル展開への布石『通』GB版(相殺ルール追加)、GBC版『SUN』『〜ん』シリーズ全体・レトロコレクターGB版試行錯誤が携帯機版の完成度向上に寄与

ゲームボーイ版『ぷよぷよ』は、その発売当時から評価が賛否両論となった作品でした。シリーズファンやゲームメディアからは、「携帯機でぷよぷよが遊べるようになった意義」は認められつつも、やはりモノクロ表示の限界や操作性の問題が指摘されました。

実際、前述したとおり白黒画面ではぷよの判別が難しくプレイしづらいこと、処理落ちや入力遅延のような操作のもたつきがあることはプレイヤーの不満点として挙がりました。
こうしたことから、本作に対し辛口な評価が下されており、ゲームボーイでどうしてもぷよぷよをやりたい場合でも本作ではなく後発の『通』(ぷよぷよ通)以降を選ぶ方が良いとまで言われています。

しかし一方で、ゲームボーイ版『ぷよぷよ』にはポジティブな評価点も存在します。まず、繰り返しになりますが漫才デモやキャラクターが削られず収録されている点は高く評価できます。ゲームギア版ですら省略された演出を頑張って詰め込んだ努力は、ファンにとって嬉しいものでした。

また、通信対戦やスーパーゲームボーイ対戦への対応も、「携帯機ならでは」「ファミコンではできない」ユニークな遊び方を提供しています。発売当時のゲーム雑誌の読者レビューには「白黒だと見づらいがカラーで遊べば問題ない」「携帯機でぷよぷよができるのはやっぱり楽しい」といった声も見られ、携帯性を重視するユーザーからは一定の支持がありました。特に、小中学生など自分専用の据置機を持っていない層にとって、ゲームボーイ版は友達同士でぷよぷよ対戦を楽しむ入門編として機能した側面もあります。「連鎖の練習を学校の休み時間にした」といった当時の思い出を語るファンもおり、そうした裾野拡大への貢献という意味では本作は役割を果たしたと言えるでしょう。

売上面で見ると、前述のようにスーパーファミコン版がミリオンセラーになる中、ゲームボーイ版の販売本数は大きく見劣りしました。ただ、その後の展開に与えた影響という点では重要です。コンパイルは本作リリース後も勢いに乗り、続編『ぷよぷよ通』のゲームボーイ版(通称:ぽけっとぷよぷよ通)を1995年に発売します。
『通』ではゲームボーイ版でも多少チューニングが改善され、一人対戦での「相殺」ルールなど新要素も追加されました。

さらにシリーズ第3作『ぷよぷよSUN』の移植版『ぽけっとぷよぷよSUN』(GBC)や、第4作『ぷよぷよ〜ん』の移植版『ぽけっとぷよぷよ〜ん』(GBC)へと続いていきます。これら後続作品ではゲームボーイカラー対応によるカラー表示や、難点だった操作レスポンスの改善なども図られています(特に『〜ん』はカラー専用ソフト)。つまり、本作での試行錯誤が次作以降に活かされ、ゲームボーイでも快適にぷよぷよを遊べる環境作りに繋がったとも評価できます。

また、セガがコンパイルから『ぷよぷよ』シリーズの版権を引き継いだ後(1998年以降)には、海外にも「Puyo Puyo」ブランドで作品を出すようになりました。例えば1999年のネオジオポケットカラー版『Puyo Pop』(ぷよぷよ通の英語版)や、2004年の『Puyo Pop Fever』(ぷよぷよフィーバー)で初めて欧米市場に「ぷよぷよ」の名が登場します。

こうしたグローバル展開まで見据えると、本作ゲームボーイ版は日本国内での携帯機普及期におけるシリーズ認知度維持に貢献したピースの一つと言えるでしょう。実際、ゲームボーイ版『ぷよぷよ』自体は海外では知られていませんでしたが、それでも後年になってレトロゲームコレクターの間で話題にのぼることがあります。「モノクロで動くアルルたち」が新鮮だとか、ゲームボーイ版独自の不思議な調整(例の落下ボーナスバグなど)を検証する動画が配信されたりと、マニアックな楽しみ方もされています。

総じて、ゲームボーイ版『ぷよぷよ』は「名作パズルゲームの意欲的な移植だが不完全燃焼」という評価に落ち着くでしょう。にもある通り、「多数のハードで出ている中であえて本作を選ぶ理由は薄い」が正直なところです。しかし、それでも「ゲームボーイでぷよぷよを遊びたい」「あの頃どこでもぷよぷよに熱中した」というファンの思い出と結びついた価値は確かに存在します。初心者にとっては携帯機で練習して腕を磨くきっかけになり、コアファンにとってはコレクションアイテムや研究対象にもなり得る一本です。現在プレイする場合、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソール等での配信は確認されていないため入手難度は高めですが、機会があれば是非一度体験してみてはいかがでしょうか。白黒の世界でぷよぷよ地獄を戦い抜くのも、他機種版とは一味違ったスリリングな体験ができるかもしれません。

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