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『パロディウス ポータブル』は、2007年1月25日にコナミデジタルエンタテインメントから発売されたPlayStation Portable(PSP)用ソフトです。
ジャンルは横スクロールシューティングゲームで、コナミの人気シリーズ「パロディウス」の過去作5作品を1本に収録したオムニバス的タイトルとなっています。開発はコナミの上海スタジオが担当し、発売当時は日本国内のみのリリースでした(PSPはリージョンフリーのため海外ファンも輸入してプレイ可能。本記事では、本作のゲームシステムや独特の魅力、開発秘話など詳細に解説します。
基本情報・概要

- タイトル・発売日・プラットフォーム:『パロディウス ポータブル』 (Parodius Portable) は2007年1月25日発売のPSP用ソフトです。廉価版として「コナミ・ザ・ベスト」版も2008年3月13日に発売されています(定価2,800円)。
- ジャンル:横スクロールシューティングゲーム(コメディ要素満載のパロディシューティング)。対象年齢はCERO C(15才以上)で、アイコンは「セクシャル」指定となりました(シリーズのコミカルなセクシー表現によるもの)。
- 開発・販売元:開発はコナミデジタルエンタテインメント社内のKonami Software Shanghaiチームが担当し、販売元はコナミデジタルエンタテインメントです。当時コナミはPSP向けに自社シューティングの復刻版を積極展開しており、本作は『グラディウス ポータブル』(2006年)に続くシリーズ第2弾的位置付けで、『ツインビー ポータブル』『沙羅曼蛇ポータブル』と同日発売されました。
収録内容
「パロディウス」シリーズ5作を1枚のUMDに収録したオムニバスソフトです。収録タイトルは以下の5作品となっています。
- 初代『パロディウス ~タコは地球を救う~』(1988年発売のMSX版シューティング)のパワーアップ移植版
- 『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』(1990年 アーケード)
- 『極上パロディウス 〜過去の栄光を求めて〜』(1994年 アーケード)
- 『実況おしゃべりパロディウス 〜forever with me〜』(1995年 スーパーファミコン版をベースにし1996年にPlayStation移植、本作にはPlayStation版を収録)
- 『セクシーパロディウス』(1996年 アーケード)
本作はパロディウスシリーズ最後の作品(2025年現在)と言えます。
純粋な新作ではなく過去作集約のコレクションですが、2007年以降パロディウスシリーズは新規タイトルが途絶えており 、結果的にシリーズを締めくくるタイトルとなりました(※ちなみにシューティングではありませんが1997年にシリーズ番外編のボードゲーム風SLG『パロウォーズ』が発売されています)。
発売当時、本作は往年のファンにとって懐かしの名作を携帯機で一挙に楽しめる決定版として歓迎されました。さらに後述するように、他の復刻移植と同時発売されたことからコナミのレトロゲーム戦略の一環として位置付けられています。
ゲームの特徴とシステム
『パロディウス ポータブル』は、「グラディウス」のパロディとして生まれたシリーズならではのユーモア溢れる世界観と、本格シューティングのゲーム性を併せ持っています。収録作品ごとに若干仕様の違いはありますが、基本的なゲームシステムや特徴を以下にまとめます。
パロディ要素と独特の世界観
タイトル名の通り「パロディのグラディウス」が出発点であり、シリーズを通して自社他作品や有名作品をコミカルに茶化す演出が満載です。
例えば、自機(プレイヤーキャラクター)にはコナミの看板STG『グラディウス』シリーズのビックバイパーだけでなく、タコやペンギン、ツインビーの機体などユニークなキャラが揃い、敵キャラやボスも巨大な猫戦艦、謎の踊り子、果てはモアイ像の艦隊などシュールなデザインばかりです。ゲーム中には悪魔城ドラキュラ(Castlevania)シリーズの敵キャラや『ツインビー』『がんばれゴエモン』など、コナミの他作品までもパロディのネタに含まれており、ファンなら思わずニヤリとする小ネタが散りばめられています。
ステージタイトルやキャッチコピーにも時事ネタやCMのパロディを用いる徹底ぶりで、ポップでナンセンスなお笑いセンスがシリーズ最大の魅力です。
横スクロールシューティングとしてのゲーム性
基本的なゲーム進行はオーソドックスな横スクロールSTGです。
各ゲームともステージ制で、次々と現れる敵編隊を撃破しながら進み、最後に個性的なボスとの戦闘を経てステージクリアとなります。
残機がなくなるかコンティニューを使い切るとゲームオーバーです(ただし本作ではコンティニュー無制限に設定されており、気軽に再挑戦できます。
操作は方向キーで自機を動かし、ボタンでショット(攻撃)やミサイルを発射、そしてパワーアップを発動します。グラディウス譲りのパワーアップゲージシステム(カプセルを取るとゲージが進み、任意のタイミングで速度アップやミサイル、オプション装備などを発動可能)に加え、ツインビー譲りのベルを取ることで特殊効果を得るシステムも健在です。
例えばベルを取ると画面上部にシュールなメッセージとともに自機が巨大化したり、メガホンで謎のセリフを発射する攻撃になったりと、パワーアップも笑いの要素になっています。
豊富なステージ構成とボス演出
各収録タイトルはそれぞれステージ構成がバラエティ豊かです。南国ムードから宇宙空間、お菓子の国、遊園地、温泉街(露天風呂)に至るまで、真面目なSTGでは考えられないようなコミカルステージが連続します。
BGMも『カルメン組曲』『威風堂々』といったクラシック音楽のアレンジや、時には民謡・歌謡曲まで用いられ、場面のバカバカしさを盛り上げます。
各ステージ最後には強烈なインパクトのボスキャラが待ち受け、一筋縄ではいかない攻撃パターンでプレイヤーを苦しめます(巨大ムカデに扮したダンスショーの花形女性、ネコが操縦する戦艦、温泉では巨大なタコの女将(!?)など)。
しかし演出がユーモラスなおかげで「理不尽な難しさ」よりも演出を見て楽しむ余裕を持てるのもパロディウスの良さでしょう。シリーズによっては特定条件で隠しステージが存在するものもあります(例:『パロディウスだ!』では特定場所でベルを取り続けるとモアイ像だらけの隠し面にワープ)が、本作では一部移植元の違いから隠しステージが再現されていないケースもあります。
しかし、収録5作品合わせるとステージ数は相当なボリュームで、飽きさせない多彩な内容になっています。
グラフィックと音楽
1980年代末~90年代のアーケード・コンシューマ作品がベースということで、ドット絵2DグラフィックとFM音源アレンジ音楽のレトロな味わいが特徴です。
PSPの液晶画面では色鮮やかな2Dドットがくっきり表示され、携帯機ながらアーケードさながらの再現度でプレイできます。「画面比率変更機能」によりオリジナルと同じ4:3表示(左右に黒枠)か、ワイド画面いっぱいに引き伸ばした表示かを選択可能で、自分の好みの表示モードで楽しめます。
BGMは前述のようにクラシックや有名曲のアレンジが多く、「こんな曲まで!?」という意外性が笑いを誘います。
ただし、後述する通り権利の関係で一部の楽曲はオリジナルから差し替えとなっており 、ファンに馴染み深い曲が変更されている点は注意が必要です。
効果音についても、撃墜時に「ひでぶ!」など文字が飛び出す演出(初代MSX版のネタ)や、取ったアイテムによってはツッコミボイスが流れるなどコミカルに作り込まれています。
ゲームモード・便利機能
本作独自の追加要素として、各ゲームのオープニングムービーやBGMを鑑賞できる「ムービー&ミュージックギャラリー」が搭載されています。プレイしなくても名シーンや名曲を楽しめるファンサービス機能です。
また難易度や残機数の設定変更も柔軟に可能で、初心者から上級者まで自分に合ったバランスで遊べます。
ゲーム途中の中断セーブ&ロード機能もあり、携帯機らしく好きなタイミングでゲームを保存して後で続きを再開することができます。
さらに、アーケード版では2人同時プレイ可能だったタイトルもPSP版では1人用に統一されていますが、その代わり2P側キャラでも1人プレイ可能になっており、例えば『実況おしゃべりパロディウス』では2Pキャラでプレイすると実況アナウンスの台詞が変化する(男女アナウンサーが交代する)といった違いも楽しめます。
細かな点では、コナミコマンド(上上下下左右左右BA)による特殊パワーアップも健在ですが、使用回数に制限があるなどの調整がされています。
過去作との違い・移植度
収録作品自体は基本的に元のアーケード/家庭用版を忠実に再現していますが、いくつか移植に際しての変更点があります。
最大の変更点は前述のBGM差し替え問題で、著作権の都合で一部のステージ曲がオリジナルから別の曲に変更されています。
例えば、『極上パロディウス』ステージ4Aの「オリーブの首飾り」がモーツァルト「交響曲第40番」に差し替え、初代『パロディウス』の名物曲「マイムマイム」も別の曲に差し替えられるなど、よりによって人気のある曲ばかりが変更されたため当初ファンから不満の声が上がりました。
しかし、権利処理の難しさを考慮すると致し方ない面でもあり、この点は賛否が割れています(※後年になると差し替え曲自体がニコニコ動画のMAD素材として人気となり、「中毒性が高い良曲」と再評価されるという現象も起きました))。
また、初代MSX版『パロディウス』については大幅にリファインされたリメイク版のみ収録で、MSX版そのものは遊べません。
MSX版で表示されていた「ひでぶ!」などの文字演出も一部簡略化されています。
『パロディウスだ!』では隠しステージが削除(移植元の差異による)、特定スコアの計算バグ(16進数計算になってしまうバグ)など細かな不具合も引き継がれています。
一方で改善点として、処理落ち(ゲームの動作速度低下)を再現するオン/オフ設定が追加され、オリジナル同様の動きを楽しむか快適さを優先するか選択できるようになりました。
『実況おしゃべりパロディウス』に関してはロード時間がPS版より短縮されテンポよく遊べるといったメリットもあります。
総じて、「完全移植」とは言えないまでもPSPという携帯機で手軽にシリーズ全作を遊べる点は大きな魅力であり、ゲーム内容自体の面白さ・バカバカしさは今なお色褪せていません。
開発背景・制作秘話
「パロディウス」シリーズは元々、コナミが自社の名作STG『グラディウス』をパロディ化したことから誕生しました。
1988年のMSX版『パロディウス ~タコは地球を救う~』は、当時の開発スタッフが半ば遊び心で作った番外編でしたが、その出来の良さとユーモアが話題となり、その後アーケード向け正式続編『パロディウスだ!』(1990年)へと繋がりました。
以降もシリーズはコンスタントに作られ、90年代半ばまで約2~3年おきに新作が登場しています。
制作チームにはグラディウスシリーズのスタッフが多く関わり、音楽は古川もとあき氏や山根ミチル氏らコナミサウンドチーム、キャラクターデザインは浜川修二郎氏(Shuzilow.HA名義)など、当時のコナミらしい才能が結集していました。
特に浜川氏は可愛らしいデフォルメキャラから妖艶なお色気キャラまで幅広くデザインし、シリーズのビジュアル面の魅力を支えています(本作のパッケージイラストも浜川氏が担当し、当時との画風の変化も話題になりました )。
しかし、1996年の『セクシーパロディウス』を最後にアーケード新作は途絶え、シューティング市場自体も次第に縮小していきます。そこで2000年代中頃、コナミは自社IPの復活戦略として、過去のシューティング名作群を PSP で蘇らせるプロジェクトを開始しました。開発には、往年のゲーム移植に強い外部スタジオM2や自社内のShanghai開発チームなどが協力し、まず2006年に『グラディウス ポータブル』を発売。
それが好評だったことから第2弾として2007年1月に『パロディウス ポータブル』を含む3タイトルを同時リリースする運びとなりました。
一挙にツインビー、沙羅曼蛇、パロディウスとコナミシューティングの代表作が出揃ったことで、当時は「コナミが本気で懐かしゲームファンを取りに来た」と注目され話題になります。
開発中のエピソードとして、公表当初は収録タイトルのうち1作が「シークレットタイトル」とされていました 。ファンの間では「何が収録されるのか?」と憶測を呼びましたが、蓋を開けてみれば初代MSX版の強化移植版だったというオチでした。
これはMSX版がマイナーだったこともありサプライズ演出だったのでしょう。また、懸案だったBGMの版権問題にも開発陣は頭を悩ませたようです。古いゲームとはいえ、一部楽曲は未だ版権が厳しく管理されており、例えば前述の「マイムマイム」は発売当時すでに原著作権者が不明で許諾取得が困難になっていました。
結果として問題のある曲は差し替える判断がなされましたが、選曲には相当気を遣ったことがうかがえます(差し替え先の曲もできるだけ雰囲気を壊さないものが選ばれましたが、それでもファンからは賛否ありました)。このような権利クリアの苦労は、単なる移植にも現代ならではの課題として裏話として語られています。
開発スタッフについて、PSP版のスタッフロールは新規に作成された移植スタッフのものに差し替えられています。グラディウスポータブルではオリジナルのスタッフロールが削除されたことで批判もありましたが、パロディウスではその反省を踏まえ、移植スタッフのクレジットは入れつつもED曲が途中で終わらないよう調整されました。エンディングにこだわるレトロゲーマーへの配慮もうかがえます。
コナミの戦略としては、本作リリースによりパロディウスというIPに再び注目を集め、将来的なシリーズ新作の可能性も模索していたと言われます。もっとも、本作発売後しばらくシリーズは休眠状態が続き、2025年現在でも新作シューティングは出ていません。しかし2024年には「極上パロディウスだ!」の商標が更新登録されたことが報じられ、約17年ぶりのシリーズ復活にファンの期待が高まっています。こうした動きも、過去に本作でシリーズを総括した遺産があればこそと言えるでしょう。
発売・プロモーション展開
発売日と地域展開:『パロディウス ポータブル』は2007年1月25日に日本国内で発売されました。上述の通り同日に『ツインビー ポータブル』『沙羅曼蛇 ポータブル』も発売され、店頭では3タイトルが並んで販促されるなど賑わいを見せました。当初から海外発売の予定はなく、北米・欧州市場では公式リリースが行われていません。これはパロディウスシリーズ自体が欧米で知名度が低かったことや、権利処理の問題が影響したと考えられます。しかしPSP本体がリージョンフリーだったため、熱心な海外シューティングファンは日本版を輸入してプレイしていました。日本国内ではその後、2008年3月13日に廉価版「コナミ ザ ベスト」が発売されています。価格は税込3,080円(税抜2,800円)と求めやすくなり、本作を入手しやすい機会となりました。
プロモーション・広告展開:発売当時、コナミは積極的にレトロシューティング復刻の宣伝を行っていました。雑誌広告や公式ウェブサイトでの告知はもちろん、店頭デモ映像やポスターなどでも「あの名作がPSPでよみがえる!」とアピールされました。
キャッチコピーは「ついに!さらに!パロに?PSP。」という洒落たフレーズが用いられ、グラディウスに続いてパロディウスも登場するワクワク感を演出しています。
パッケージデザインは浜川修二郎氏描き下ろしのイラストで、ビックバイパーに乗ったペンギンやウサギ姿の少女など主要キャラが勢揃いし、一目でパロディウスと分かる賑やかなものです。CERO C(15才以上)作品ということで露骨な宣伝は控えめでしたが、それでもテレビCMが制作され深夜帯に放映されたとの情報もあります。
また、ゲーム誌「週刊ファミ通」や「電撃PlayStation」でも発売前後に特集記事が組まれ、開発者インタビューこそありませんでしたが収録タイトルの紹介や攻略情報が掲載されました。特にファミ通では発売スケジュール欄でゴールドの目立つ表示で取り上げられ、旧作ファンへの訴求を図っていました。
メディア露出:メディアレビューに関して後述しますが、本作は2007年のファミ通アワードにおいてPSP部門のノミネートタイトルの一つにも挙げられています (ファミ通アワード 2007 〜 ノミネートタイトル一覧 / ファミ通.com)。大作ソフトが並ぶ中でのノミネートは異例で、復刻タイトルながら注目度の高さを示すエピソードです。
その他、ゲーム情報サイトなどでも「コナミ名作シューティング復活」とニュースになり、往年のゲーマー向けイベント(東京ゲームショウなど)でも出展映像が流されました。直接的な開発秘話の露出は少なかったものの、コナミ公式のプレスリリースでは「ユーザーからの熱い要望に応えた企画」であることが強調され、ファンコミュニティの声を受けて商品化したことが示唆されています。
評価・レビュー・受賞歴
専門誌・レビュアーの評価
『パロディウス ポータブル』の発売当時の評価は概ね好意的なものが多く見られました。ゲーム専門誌「ファミ通」のクロスレビューでは、40点満点中おおむね平均的なスコアだったと伝えられています(具体点数は非公開ですが、復刻ものとしては健闘した模様)。レビュアーのコメントとしては「5作も収録されたお得感と携帯で遊べる手軽さ」が評価点とされ、一方で「一部BGM変更は残念」「新規要素は少ないがファンアイテムとして十分」などの声がありました。また、かつての難易度がそのまま再現されているため「昔クリアできなかった人には依然手強い」「Easy設定やコンティニュー無限で救済措置があるのは◎」といった指摘もあり、レトロゲームの遊びやすさ向上に一定の配慮が感じられる点は評価されました。
ユーザーやファンの反応
コアなシューティングファン・パロディウスファンからは概ね歓迎され、「PSPごと買ってでも遊びたい」という声もあがったほどです。当時すでにレア化していた過去ハードのパロディウス作品をまとめて遊べることに感激する意見や、「電車の中でパロディウスができるなんて夢のようだ」といった喜びの声が多数見受けられました。一方で否定的な意見としては、「思い出のBGMが別物になっていて寂しい」「2人同時プレイが無くなったのは残念」という声が散見されました。
特にBGM差し替え問題は発売当初議論になり、「移植の悲劇だ」と嘆くファンもいました。
しかし繰り返しになりますが、この点は事情を理解するファンも多く、「収録できただけでも奇跡」と擁護する意見もありました。また、「収録タイトルが多すぎて一つ一つに割く時間がなくなりがち」との指摘もあり、贅沢な悩みですがボリュームの大きさゆえの声もありました。
受賞歴
本作単体でのゲームアワード受賞はありませんでしたが、先述のようにファミ通アワード2007の優秀ゲーム候補に名を連ねています (ファミ通アワード 2007 〜 ノミネートタイトル一覧 / ファミ通.com)。また、2010年代以降にはレトロゲーム専門のランキング企画などで「PSPおすすめ復刻タイトル」や「今こそ遊びたいシューティング傑作集」の一つとして本作が挙げられることがあります。発売から年月を経て、レトロゲームの再評価ブームの中で本作も「名移植」として取り上げられる機会が増えました。
オンライン評価
Amazonや価格.comなどユーザーレビューを見ると、Amazonでは★5満点中4前後(2025年現在)の高評価を維持しています。「懐かしさに感動した」「携帯機とは思えぬ再現度」「シューティングはやっぱりコナミ」といった肯定的レビューが目立つ一方、「BGM目当てだったのに残念」「動きが微妙に違う気がする」といった声も一部あります。総じてシリーズファンには満足度が高く、未経験の若い世代にはレトロゲーム入門として新鮮に映ったようです。
ファンコミュニティと関連コンテンツ
『パロディウス ポータブル』は、単に過去作を遊べるソフトというだけでなく、シリーズ全体の歴史を再認識させる役割も果たしました。発売当時から現在に至るまで、ファンコミュニティでは本作やパロディウスシリーズに関連した様々な活動やコンテンツが見られます。
シリーズ全体との関連性
本作をきっかけにパロディウスシリーズに興味を持ったユーザーが過去作品(MSX版やスーパーファミコン版など)を遊んでみたり、関連するコナミの他シューティング(グラディウスやツインビーなど)にも手を広げたりするケースが多く見られました。
パロディウスは他作品ネタが多いため、コナミ作品のクロスオーバー的存在でもあります。そのため、本作で知ったキャラクターが別ゲームではどう活躍しているのか調べてみる、といった楽しみ方も生まれています。例えば本作で初登場のキャラ「こいつ(タコ)」や「ペン太郎(ペンギン)」の元ネタを辿って『グラディウスII』や『けっきょく南極大冒険』をプレイしてみる、といった具合です。
SNSやファンアート
発売から年月が経った現在でも、Twitter(X)やイラスト投稿サイトにはパロディウスシリーズのファンアートが定期的に投稿されています。
とりわけ人気キャラクターの「ちちびんた☆リカ」(露出度の高い踊り子)や「こいつ」、モアイ艦隊のコミカルな姿など、独特のビジュアルはクリエイター魂を刺激するようです。
公式が長らく新作を出さない中でもファンがイラストや漫画、コスプレで作品愛を発信し続けており、コミケなど同人イベントでもパロディウスの同人誌やグッズが出品されることがあります。
ニコニコ動画では前述のBGM差し替え曲がMAD素材として流行した他、実況プレイ動画やスーパープレイ動画も複数アップロードされ、本作収録の5タイトルそれぞれの攻略や魅力を語る投稿が今なお視聴できます。
これらユーザー発信のコンテンツが後追いの新規ファンを生み、細く長くシリーズの火を灯し続けていると言えるでしょう。
イベントや大会
パロディウスシリーズは対戦要素こそないものの、スコアアタックなどシューティングゲームとしての遊びもあります。
レトロゲーム愛好家のイベントでパロディウスのスコアアタック大会が開かれたり、ゲームセンターのイベントでパロディウスが設置されることもありました。
本作は携帯機ゆえ公式大会等はありませんでしたが、発売当時に秋葉原のゲームショップで体験会が催され、来店客が自由にプレイできるようPSP試遊台が置かれたりもしました。
さらに、2020年代にはレトロゲーム配信が盛んなことから、TwitchやYouTubeで本作のプレイ配信をするユーザーもいます。特に海外では本作が公式に出なかったこともあり、「Japan-exclusive Parodius Portable」をプレイ紹介する動画が英語圏で人気を博した例もあります。
ノスタルジーとコレクターアイテム
『パロディウス ポータブル』自体が今やコレクターズアイテム化しています。生産数が多くなかったことや人気シリーズの詰め合わせという希少性から、中古市場ではプレミア価格が付く傾向にあります。
例えば2024年時点で大手中古販売店では1万円前後の価格で取り引きされており、未開封品ともなれば更に高値になることもあります。
ファンにとっては思い入れのあるタイトルゆえ、「手元に持っておきたい」「コレクションに加えたい」という需要が根強いのでしょう。また、関連グッズとして当時発売された攻略本やサウンドトラックCD(過去作のもの含む)も併せて収集する人もいます。本作の発売によって再度サントラCDや設定資料集が見直される動きもあり、コナミ公式からも過去の音源をまとめたCDセット「KONAMI Shooting Collection」などがリリースされています。さらに、2023年にはAnalogue PocketやMiSTer向けにパロディウスのFPGA版が登場し、現行の環境で遊ぶ手段も模索されています。このように、本作は単なる移植に留まらずシリーズのアーカイブ的役割を担い、その後の保存や継承にも寄与していると言えます