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『ファイナルファンタジーIII』(FFIII)のニンテンドーDS版は、スクウェア・エニックスから2006年8月24日に発売されました。販売価格は通常版が5,980円(税込)で、CEROレーティングはA(全年齢対象)です。発売当時には、特別デザインのDS Lite本体とソフトを同梱した「クリスタルエディション」も同日発売され、こちらは22,780円(税込)で限定販売されています。
DS版はローカライズも行われ、北米版は2006年11月14日、欧州版は2007年5月に発売され、それぞれ英語を含む各地域の言語に対応。
ゲームカード容量は1Gビットで1人用のRPG。セーブデータは3枠を保持し、冒険の途中でもクイックセーブが可能です。ニンテンドーDSならではのデュアルスクリーンとタッチ操作に対応し、全編をタッチペンだけで進行できるのも特徴です。
メニュー操作や移動も直感的。通信はニンテンドーWi-Fiコネクションとローカルワイヤレスに対応し、後述の「モグネット」でプレイヤー同士やNPCと手紙の送受信が行える一方、対戦などのオンラインプレイ機能は非搭載。グラフィックはフル3D化、音楽も高音質化。開発はマトリックス、エグゼクティブプロデューサーは田中弘道。内容は1990年のファミコン版『FFIII』を基に、DS向けに全面リメイクされた作品となっています。
- ニンテンドーDS版『FFIII』は2006年8月24日発売、価格5,980円(税込)、CERO:A(全年齢対象)
- DS本体同梱の限定版「クリスタルエディション」(22,780円)も同日発売され即完売
- 1人用RPGでセーブ3箇所+クイックセーブあり。タッチペン操作やデュアルスクリーン表示に対応
- ニンテンドーWi-Fiコネクション/ワイヤレス通信対応で手紙交換システム「モグネット」を搭載(ネット対戦等は非対応)
- グラフィックをフル3D化し音楽も高音質化。開発はマトリックス社、オリジナル版開発者の田中弘道氏も制作指揮に参加
ゲームシステム(ジョブシステム・成長・難易度・通信要素など)
DS版『FFIII』は、オリジナル版の根幹であるジョブチェンジシステムを踏襲しつつ大幅に改良しています。プレイヤーは物語の進行に伴い風・火・水・土のクリスタルから新たなジョブ(職業)を入手し、自由にジョブチェンジ可能です。各キャラクターごとにジョブレベルが設定され、戦闘を重ねることでそのジョブの熟練度が上がり、能力値やスキル効果が向上します。
| 項目 | FC版 | DS版 | 影響 |
| ジョブ変更コスト | キャパシティポイント制 | 廃止→ジョブ調整期間(数戦の間だけ弱体化) | 自由度を保ちつつバランス安定 |
| ジョブバランス方針 | 賢者・忍者が上位互換化/吟遊詩人・狩人などは不遇 | 上下位概念を撤廃。吟遊詩人・狩人・風水師などを大幅強化/賢者は調整 | どのジョブでもクリア可能に |
| 専用アビリティ | 限定的(職差が薄い) | 戦士「猛攻」、ナイト「かばう」などを新設 | 役割差別化と戦術幅の拡大 |
| 赤魔道士の見直し | 装備制限が多く伸び悩み | 装備拡充、黒白魔法Lv5まで使用 | 中盤以降も有用性を維持 |
| 熟練度(ジョブレベル) | 戦闘で上昇(基礎は同様) | 同様に採用し手応えを強化 | 使い込むほど強化される設計を明確化 |
ジョブシステムの骨子とDS版の改良点
DS版ではキャパシティポイント制(ジョブ変更のポイント消費)が廃止され、その代わりにジョブ調整期間というシステムが導入されました。ジョブを変更すると一時的にステータスが低下し数戦の間弱体化しますが、一定戦闘後に本来の力を発揮できるようになる仕組みです。この変更によりジョブ変更の自由度は維持しつつ、ゲームバランスが調整されています。
ジョブ間のバランスは「どのジョブでもゲームクリアできること」を目指して再調整されています。ファミコン版では後半に手に入る賢者や忍者など一部ジョブが他の職業の完全上位互換となり、逆に吟遊詩人や狩人など活躍の場が少ないジョブも存在しました。DS版では下位職・上位職の概念を撤廃し、たとえば吟遊詩人や狩人は能力強化、風水師は強力なジョブへと大幅強化されています。戦士とナイトにはそれぞれ専用アビリティやナイトの「かばう等)が追加され役割差別化が図られました。また赤魔道士は装備可能品が増え黒白魔法ともにレベル5まで使用可能になるなど、全ジョブが最後まで有用となる調整がなされています。一方、ファミコン版で強力すぎた賢者は全魔法を使える長所はそのままに各種ステータスが抑えられるなど弱体化され、極端なジョブ格差を是正しています。
このような調整により、プレイヤーは自分の好きなジョブ編成で物語を進めやすくなりました。「ジョブチェンジ=育成」の楽しさを残しつつ遊びやすくした点はメディアからも高く評価されています。
成長システムとアビリティ設計
成長システム自体はオーソドックスな経験値制レベルアップですが、各ジョブの熟練度(ジョブレベル)が戦闘での行動によって別途上がる仕組みで、これにより同じジョブでも使い込むほど強くなります。さらにDS版では各ジョブ固有のアビリティが新設計され(例えば暗黒騎士にはHPを犠牲に敵全体を攻撃する「魂の祈り(SoulEater)」が追加)、戦術の幅が広がりました。
魔法については従来通り魔法レベル制(各段階の魔法使用回数が決まっている方式)を採用していますが、DS版ではテレポやデジョンなど一部魔法の仕様変更や、新魔法の追加もあります。MP制ではなく段数制のため序盤から強力魔法を連発はできませんが、レベルアップやアイテムで使用回数は増えていきます。
難易度・テンポ調整
| 要素 | FC版 | DS版 | 影響 |
| 獲得経験値/ギル | 標準 | 大幅増加(ボスは約10倍の例あり) | レベル上げ・資金繰りの手間を軽減 |
| エンカウント率 | 高め | 見直し | ダンジョン攻略のストレスを軽減 |
| 同時出現数 | 複数(制限なし) | 最大3体に制限 | 一部の個体値・行動回数が調整され局所難度が上昇 |
| 中ボス撃破後の処遇 | 全回復なし | HP・MPが全回復 | 長丁場での持久力を補強 |
| セーブ関連 | ダンジョン内セーブ不可 | クイックセーブで中断可 | 実質的な休息が可能に |
難易度に関して、DS版は全体的にバランス調整が施されており、原作より遊びやすく調整されています。
具体的には、ザコ敵・ボス敵の多くで獲得経験値やギル(お金)が大幅増加しており、特にボスは原作の約10倍近い経験値やギルを落とすケースもあります。このためレベル上げの手間が緩和され、物資も潤沢になりやすいメリットがあります。
またエンカウント率も見直され、ダンジョン攻略のストレスが軽減されています。一方で敵の最大同時出現数がDS版では3体までに制限された影響からか一部モンスターの能力値が調整されており、1ターンに複数回行動する中ボスが増えるなど戦闘難度が上がっている局面も存在します。例えば中ボス撃破後にはパーティ全員のHP・MPが全回復する新システムが追加されており、長丁場のダンジョン攻略が緩和されました。
総じてDS版の難易度は「序盤中盤は易しく、終盤や隠し要素はやや手応えがある」バランスと言えます。ファミコン版で高難度の象徴だったラストダンジョンの長さやセーブ不可も基本そのまま再現されていますが、DS版ではいつでも中断できるクイックセーブが可能なため、実質的には途中休息しながら攻略できるようになっています。この点は現在遊ぶ上でもありがたい調整です。
通信要素「モグネット」と隠し要素
DS版独自の通信要素として、「モグネット(Mognet)」と呼ばれる手紙システムがあります。ゲーム中で手に入る「モーグリ」を介し、作中のNPCキャラクターや他のプレイヤーにメールを送受信できる仕組みです。
モグネットでは、たとえばシドやサラ姫といった登場人物たちとの手紙のやりとりを通じて、彼らの裏話や追加エピソードを見ることができます。また、この通信機能はWi-Fi経由で他プレイヤーとメール交換を行うこともでき、友達同士でメッセージを送る遊びにも対応しています。他プレイヤーとのメール交換を一定回数行うと開放される隠し要素もあり、本作の隠しジョブ「たまねぎ剣士(オニオンナイト)」はその一例です。具体的には他のプレイヤーへ手紙を7通以上送受信すると、村の長老からの手紙イベントが発生し、それを進めることでオニオンナイトのジョブが習得できます。
さらにモグネット経由でのみアクセスできる隠しダンジョン「暗闇の洞窟」と、シリーズお馴染みの隠しボス「鉄巨人(アイアンジャイアント)」も用意されており、これらはゲームクリア後の高難度やり込み要素となっています。
加えて、伝説の鍛冶屋が登場して各ジョブ専用の最強武器を鍛えてくれるイベントや、最強の剣アルテマウェポンの入手も、モグネットを使った通信イベントをこなすことで可能になります。このように本作の追加要素の多くは通信機能と結び付いていますが、DS版発売当時は携帯電話やメールが普及した時代に「ゲーム機でメール送信する必然性は薄い」との指摘もあり、さらには周囲に通信相手がいないと隠し要素を楽しめないため一部ユーザーから不満の声も上がりました。特に完全シングルプレイRPGにも関わらず通信前提の要素がある点は賛否が分かれた部分です。
この問題は後年の移植版(スマホ版やPSP版)で解消されており、DS版限定の特徴とも言えます。もっともモグネット関連はあくまでおまけ要素であり、通信しなくても本編クリアや通常のプレイには影響ありません。そのため友達と情報交換しながら遊ぶ楽しみを提供する要素として、当時としてはユニークな試みでした。総合すると、DS版『FFIII』のゲームシステムは原作の魅力を残しつつ現代向けに遊びやすさを追求した内容であり、ジョブチェンジの戦略性やレトロRPGらしい歯応えをバランス良く味わえる作品に仕上がっています。
要点まとめ
- ジョブチェンジシステムを大幅改良。ジョブごとに熟練度が存在し、使い込むほど強化
- 原作で弱かったジョブ(吟遊詩人・狩人・学者など)を強化し、全ジョブに活躍の機会。賢者・忍者は弱体化で極端な格差を是正
- ジョブ変更のキャパシティポイント制を廃止し、一定戦闘ごとの調整期間を導入。どのジョブでも最後まで攻略できるバランス
- 難易度調整:敵から得られる経験値・資金増加や中ボス撃破後の全回復など遊びやすく改善。一方で一部ボスの複数回攻撃化など戦略性も要求
- 通信要素「モグネット」でNPCや他プレイヤーと手紙交換可能。隠しジョブ「たまねぎ剣士」や追加ダンジョンなどは通信イベントで解放
- モグネット必須の隠し要素には賛否(通信環境がないと楽しめない)があったが、本編進行には不要。通信で遊びの幅を広げるDS版独自の試み
ストーリー(ネタバレ注意)
〈プロローグ/序章〉
物語の舞台は、広大な浮遊大陸とその下に広がる地上世界を有するファンタジー世界です。主人公たちはそれぞれ異なる境遇で育った4人の若者で、DS版では彼らにルーネス、アルクゥ、レフィア、イングズという名前と個性が与えられています。(原作ファミコン版では無名の4人でした)
物語の序盤、ルーネスたちは「勇気だめし」のため訪れた洞窟(アルター洞窟)の奥で、光を失いかけたクリスタルと不思議な声に出会います。クリスタルは彼ら4人を「光の戦士」として選び、世界に迫る闇を振り払う使命を授けました。こうして主人公たちはクリスタルから最初の力(ジョブ)を授かり、故郷の村を旅立つことになります。
序章ではまず、封印の洞窟に封印されたジンの討伐が描かれます。ジンの呪いでカズスの村人やサスーン王国の姫が幽霊状態になってしまう事件が発生し、4人はこれを解決するため各地を奔走します。若者たちは旅の途中でシド(飛空艇職人)やサラ姫などの協力を得て見事ジンを討伐し、人々を救いました。
こうして世界に散らばるクリスタルを巡る彼らの冒険が始まります。序盤のストーリーは各地の異変を解決し仲間と絆を深めるオムニバス的展開で、古典的RPGらしい勧善懲悪のエピソードが続きます。
例えばトーザス村では小人の姿になって洞窟を探検し、炎の洞窟では火のクリスタルを守るサラマンダーとの戦いを経て新たなジョブを手に入れる…といった具合です。序章のクライマックスでは巨大古代文明の浮遊大陸から飛空挺で脱出し、自分たちが暮らしていた浮遊大陸の外に「さらに広い地上世界」が広がっていることを知ります。この瞬間は本作ストーリーの最初の大きなどんでん返しであり、序盤のハイライトとなっています。主人公たちは地上世界に降り立ち、ここから物語は中盤へと進みます。
〈中盤/クリスタル探索の旅〉
地上世界に出た光の戦士たちは、世界各地に点在する水・土のクリスタルを探す旅を続けます。しかし地上はすでに暗黒の影に覆われつつあり、各地で異変が起こっていました。
中盤のストーリーでは、古代文明や4人の闇の戦士など世界の秘密が徐々に明かされ、物語はスケールを増していきます。
光の戦士たちは伝説の土のクリスタルが祀られた土の神殿を訪れますが、そこには闇の力に操られた光の巫女アリアが倒れていました。彼女を救出して水のクリスタルのもとへ向かい、暗闇の洞窟で待ち受ける巨大な影と対峙します。その正体はかつて高度な文明を築いた古代人が封印した闇の存在であり、闇の力を解放しようと企む黒幕がいることが示唆されます。
水のクリスタルを解放し新たなジョブを得たものの、土のクリスタルはなおも闇の力に囚われたまま…。4人は各地で力を蓄えながら、闇の黒幕に立ち向かう決意を固めていきます。
旅の途中、ドワーフの洞窟での魔人ハイン討伐や、伝説の召喚獣リバイアサン・バハムートとの遭遇、空中浮遊する古代遺跡サロニアでの内乱の解決など、次々にイベントが発生します。これらの冒険を経て、光の戦士たちはついに闇の黒幕である人物の名を突き止めました。その名はザンデ。かつて不死の大神官ノアの弟子であった男です。ザンデはノアから与えられた「有限の命」という賜(授かり物)に絶望し、世界を止めて自らの時を永遠にしようと画策していたのです。彼こそが各地のクリスタルから光を奪い、世界に闇を広げていた元凶でした。
物語中盤のクライマックスでは、光の戦士たちは古代遺跡「シルクスの塔」にてザンデと対峙します。激戦の末、ついにザンデを打ち倒した4人。しかし物語はここで終わらず、最大の悲劇と真の黒幕が姿を現します。
〈終盤/ラストダンジョンと最終決戦〉
ザンデを倒した直後、闇の力が暴走して暗闇の雲(Cloud of Darkness)と名乗る強大な存在が出現します。暗闇の雲は世界を無に帰さんとする混沌の化身であり、ザンデですら操りの駒に過ぎませんでした。
暗闇の雲は圧倒的な力で光の戦士たちに襲いかかり、一度は彼らを絶望の淵に追い詰めます。しかしそこへ、かつて闇に世界を救った4人の闇の戦士たちの魂が現れます。闇の戦士たちは「闇にもまた希望がある」と語り、光の戦士たちに最後の力を託しました。
こうして蘇った主人公たちは、世界の命運を賭けてクリスタルタワーの最深部「闇の世界」へと乗り込みます。ラストダンジョンでは4つのダーククリスタルを解放し、各所で暗闇の雲の眷属である強力な闇の魔物たち(エーリアス、2ヘッドドラゴン、エキドナ、ケルベロス)との連戦を勝ち抜かなければなりません
。非常に長く厳しい戦いの末、ようやく暗闇の雲のもとへ辿り着いた光の戦士たち。最後の決戦では、光と闇それぞれ4人の戦士たちの思いが一つになり、暗闇の雲に立ち向かいます。強大な暗闇の雲との戦闘は死闘となりますが、クリスタルの加護と仲間たちの絆の力でこれを打ち破ることに成功します。暗闇の雲消滅とともに世界に光が戻り、各クリスタルもその輝きを取り戻しました。闇の戦士たちの魂は安らかに眠りにつき、世界には再び平和が訪れます。
エンディングでは、主人公たち4人が故郷に帰還し、それぞれの旅立ちを見送った人々との再会を果たす場面が描かれます。ルーネスは育ての親と抱き合い、アルクゥは幼馴染と未来を語り、レフィアは故郷の鍛冶屋に帰り、イングズは仕えていた王女との絆を新たにします。シドやデッシュといった旅の仲間たちも各地で新たな生活を始め、世界中が光の戦士たちの勝利を祝福しました。
こうして「光の4戦士」の冒険は完結し、スタッフロールではシリーズ伝統の「悠久の風」が流れる中、平和を取り戻した世界の風景が映し出されます。エピローグでは「そして伝説が始まった…」との一文で締めくくられ、次世代へ語り継がれる光の戦士たちの物語が余韻とともに幕を下ろします。
なおDS版ではエンディング後に新たなやり込み要素として、前述の隠しダンジョンで最強ボスに再挑戦することも可能です。ストーリー自体は原作をおおむね踏襲していますが、DS版では主人公に名前や個別エピソードが付与されたことで、各キャラクターの心情描写が強化されている点が特徴です。セリフ回しも丁寧な口調に改められ、よりドラマ性が感じられる演出になっています。全体として王道的なクリスタル冒険譚であり、序盤~中盤はコミカルな事件や感動的な出会い、終盤は世界の命運を懸けたシリアスな戦いと、メリハリの効いた構成となっています。未プレイの方のために大筋のみ述べましたが、物語の細部にはFFならではの演出やサプライズも多く盛り込まれており、35年経た現在でも色褪せない魅力を持つストーリーです。
要点まとめ
- 序盤(プロローグ):浮遊大陸に暮らす4人の青年がクリスタルに選ばれ光の戦士となる。各地の異変を解決しながら旅立ち、浮遊大陸の外に更なる世界があることを知る
- 中盤:世界に広がる闇の影を追い、水・土のクリスタルを探索。古代文明の謎や闇の戦士の存在が明らかに。黒幕ザンデを倒すが、直後に真の敵「暗闇の雲」が出現
- 終盤(クライマックス):暗闇の雲に一度敗れるも闇の戦士たちの助けで復活。クリスタルタワー最深部で暗闇の雲と最終決戦し勝利。世界に光が戻り、平和なエンディングを迎える
- DS版はキャラクターに固有名と個別エピソードが追加され、よりドラマ性が強化。セリフも丁寧な口調に修正され物語に深みが増した
- 原作を踏襲したクリスタルを巡る王道ファンタジーで、冒険ロマンあふれる展開から世界の危機へと発展するメリハリのあるストーリー構成
- 序盤中盤のエピソードにコミカルさや心温まる要素、終盤はシリアスで熱い展開が待ち受けており、今なお色褪せない冒険譚として評価されている
地域差(日本/北米/欧州/アジアの発売日・仕様・価格・表記・難易度・規制・売上など)
ニンテンドーDS版『FFIII』は日本国内を皮切りに海外でも展開されました。以下の表に、主要地域ごとの発売日や基本情報の違いをまとめます。
| 地域 | 発売日 | 発売元 | 言語 | 価格(発売時) | レーティング |
| 日本 (JP) | 2006年8月24日 | スクウェア・エニックス | 日本語 | 5,980円(税込) | CERO A (全年齢) |
| 北米 (NA) | 2006年11月14日 | スクウェア・エニックス (北米法人) | 英語 | $39.99 (推定発売価格) | ESRB E10+ (10歳以上対象) |
| 欧州 (EU) | 2007年5月3日~4日 | スクウェア・エニックス (欧州法人) | 英語・仏語・独語・西語・伊語 | £29.99 / €39.99 (地域による) | PEGI 12 |
| 韓国・アジア (AS) | 2006年 秋~冬ごろ | 現地パブリッシャー (韓国版: Daiwon) | 韓国語 他 | 現地通貨換算約$40 | GRB: All (韓国) 他地域相当 |
日本版と海外版で大きな仕様差はありませんが、一部表記や要素に違いがあります。言語について、北米版は英語のみ、欧州版は5言語マルチリンガル(ゲーム開始時に言語選択)となっています。また欧州版では呪文名やアイテム名が各言語にローカライズされているため、例えばPhoenix Down(フェニックスの尾)やCure(ケアル)がそれぞれの言語版表記になります。
難易度に関しては、日本版と海外版で基本的に変更はないとされています。ゲームバランスも共通ですが、一部海外版では細かな不具合修正やテキスト修正が施された可能性があります(公式発表は無し)。
例えば、北米版発売前に開催されたE3 2006の英語版試遊では「北米では日本より少し遅れて9月発売予定」と報じられましたが、実際は11月発売となり、その間にローカライズ調整が行われたものとみられます。レーティングは日本がCERO Aに対し、北米ではESRBでEveryone 10+ (E10+)<sup>※</sup>に区分されています(わずかなファンタジー戦闘描写などを考慮)。欧州PEGIでは12相当となりました。いずれも成人指定など厳しい規制は無く、内容の差異も存在しません。
売上の地域差を見ると、日本国内ではDS版『FFIII』は大ヒットを記録し、累計約110万本(2022年時点)を売り上げています。
発売当時の初週販売本数は約50万本に達し、当時のDS用ソフトとしては歴代2位の好調なスタートでした(1位は『Newスーパーマリオブラザーズ』)。
北米や欧州でもシリーズ初登場タイトルという話題性から堅調に売れ、全世界累計では200万本以上を販売しています。とくに北米では任天堂プラットフォーム向けのFF作品が久々だったこともあり、多くのRPGファンに歓迎されました。欧米では宣伝において「16年ぶりに海外初登場のFFIII」とアピールされ、FFシリーズファンのみならず新規ユーザー層にも訴求しました。
なおゲーム内容に関する規制の差異は、露出度の高い衣装や宗教的要素なども特になく、各地域版で変更は報告されていません。強いて言えば、英語版で一部モンスター名がマイルドな表現に変わった程度です(例:「Medusa」が「Ahriman」に名称変更等)。総じてDS版FFIIIは全世界でほぼ同一仕様で発売され、広く受け入れられた作品と言えます。
地域別のプロモーションでは、日本では発売前に特製DS Lite同梱版の抽選販売やテレビCM(お笑い芸人アンジャッシュ出演)が展開されました。北米では任天堂公式イベントでの体験出展やゲーム専門誌でのレビュー掲載、欧州でも各国ゲームメディアで特集が組まれるなど、それぞれの市場に合わせた販促が行われています。また欧米版パッケージデザインは、日本版がタイトルロゴ中心のシンプルなものだったのに対し、欧米版では4人のキャラクターCGイラストを配したデザインとなり、マーケティング上の嗜好の違いも見られました。
要点まとめ
- 日本版:2006年8月24日発売。限定同梱版も発売。言語は日本語のみ。売上約110万本以上
- 北米版:2006年11月14日発売(英語版)。価格$39.99前後。ESRB区分E10+。売上は数十万本規模でシリーズ新規層にも浸透
- 欧州版:2007年5月発売(各国語にローカライズ)。PEGI12相当。5か国語収録のマルチランゲージ仕様。販売本数は北米と合わせ世界累計200万本以上
- アジア版:韓国では2006年末に現地語版発売(Daiwon社)。他アジア地域でも英語版等が流通。基本仕様は共通で、地域ごとの規制変更は特になし
- 難易度・仕様差:ゲーム内容・難易度は全地域共通。レーティングは各地域で若干差(日本CERO A、北米E10+等)あるが内容変更なし
- プロモーション:日本は同梱版やCM展開、北米・欧州でもイベント出展や雑誌レビューでPR。パッケージアートは日本版ロゴ主体、海外版はキャラクターイラスト付きと差異あり
プレイヤー受容と評価(レビュー・インタビュー・ユーザーの声)
DS版『FFIII』は、発売当時ゲームメディアやプレイヤーから概ね好評をもって迎えられました。日本のゲーム専門誌『ファミ通』のクロスレビューでは40点満点中34点(9/8/9/8)を獲得し、同誌のゴールド殿堂入りを果たしています(ファミコン版は36点・プラチナ殿堂)。
レビュアーからは「グラフィックの進化や遊びやすさの向上に驚いた」、「ジョブチェンジの戦略性がやはり面白い」といった肯定的な意見が目立ちました。一方で「隠し要素に通信が必要な点はマイナス」との指摘もあり、当時からモグネット要素への賛否は存在していました。総じて「リメイクとして良質な仕上がりだが、一部旧来の不便さも残る」と評価されていたようです。
大手ゲームサイトの4Gamer.netでも発売直後の特集記事で「原作の感動を最新機で再び。3Dリメイクにより新鮮な気持ちで冒険できる」と紹介され、グラフィック演出やキャラクターの掘り下げを称賛しています。特にオープニングのフルCGムービーや戦闘シーンのエフェクト強化など、演出面の強化は多くのプレイヤーにアピールしました。
ユーザーからの受容も概ね良好で、当時の口コミでは「旧作の難しい部分が改善されていて遊びやすい」といった声や「DSとは思えないほど映像が綺麗」という驚きが聞かれました。任天堂系ハードでFFシリーズ本編が発売されるのは久々ということもあり、新世代のプレイヤー層にも興味を持たれています。
店頭消化率も高く、発売初週で品薄になる店舗もあったほどです。一方で往年のファンからは「3Dになったことで雰囲気が変わった」「可愛らしいキャラデザインは好みが分かれる」との意見もありました。DS版のキャラクターデザインは吉田明彦氏が手掛け、デフォルメ3Dキャラとなったため、儚げなドット絵の印象が強かった原作ファンには多少の戸惑いもあったようです。しかし「キャラに個性が生まれたのは良い」という肯定的意見も多く、シナリオ面の強化を評価する声も上がりました。物語終盤に主人公4人それぞれのエピローグ描写が追加された点などは「感動的だった」「泣けた」と語るユーザーもいました。
開発者側の発言として興味深いのは、2025年に行われた田中弘道氏&浅野智也氏のインタビューです。(参考記事)
田中氏(オリジナル版ディレクター/DS版総指揮)と浅野氏(DS版プロデューサー)は当時の開発を振り返り、「最新ハードDSで最高のFFIIIを作ろうと10項目のリメイク方針を定めた」と語っています。その最上位にあったのが「キャラクターに名前と個性を付ける」ことで、IV以降のシリーズと同様にキャラ描写を強化する狙いだったそうです。この方針は結果的に奏功し、先述の通り多くのプレイヤーが主人公たちに愛着を抱くことにつながりました。また、田中氏は「ファミコン版は無個性キャラで批判もあったが、リメイクでは個性を表現したかった」と当時を振り返っています。
他にもインタビューでは、開発を担当したマトリックス社と協力し奥行き感のある3D表現を模索したこと、吉田明彦氏ら豪華スタッフが参加したことなどが語られました。これら制作秘話は、リメイク版に対する開発陣の並々ならぬ熱意を物語っています。
ユーザー評価としては、発売から年月を経て相対的に落ち着いた視点で見る声もあります。「リメイクとして完成度は高いが、難易度はやや高めで今のゲームに慣れた人には不親切に感じる部分も」という意見や、「最近のFF(例えばアクション性のある最新作など)に比べるとクラシックなRPGなので人は選ぶ」といった声も2020年代には聞かれます。ただしそうした意見も「だからこそ昔ながらのRPGを楽しみたい人には最適」という前向きな評価に繋がっています。実際、DS版FFIIIはその後スマホやPSP、Steamにも移植され長く販売が続けられていることからも、根強い人気と評価の高さがうかがえます。総合評価として、DS版『FFIII』はファミコンの名作RPGを現代に蘇らせた成功例と位置付けられています。シリーズ未体験だった海外ユーザーにも好評をもって受け入れられ、リメイクとして商業的にも評価的にも大きな成果を収めました。
要点まとめ
- 評論家レビュー:ファミ通クロスレビュー34/40点と高評価でゴールド殿堂入り。グラフィックや遊びやすさ、ジョブシステムの面白さが好評
- ユーザーの声:映像強化やキャラ付けに驚き・好意的反応。「難易度緩和され遊びやすい」「DS最高峰のグラ」との声多数。一方で通信要素への不満や「3D化で雰囲気が変化した」との意見も
- 開発者インタビュー:田中氏・浅野氏は「DSで最高のFFIIIを」と意気込み、キャラに名前付与や3D化など10項目の方針を設定。田明彦氏らの参加で演出強化。個性あるリメイクに手応え。
- 評価のポイント:ジョブチェンジ等ゲーム性は今でも評価が高く、原作の良さを継承。難易度は賛否あるが歯応えを好む層には好印象。レトロRPGの良リメイクとして再評価も
- 商業的成功:国内ミリオン達成、海外含め200万本超のヒット。新旧ファン双方から支持され、後の移植やピクセルリマスター版発売にも繋がるなどシリーズの財産となった作品
現在でも遊べるか・通信要素の有無など新規/復帰プレイヤーへのガイド
2025年現在, ニンテンドーDS版『FFIII』を遊ぶ方法としては、ニンテンドーDSもしくは互換機(ニンテンドー3DS/2DS等)でソフトを入手してプレイする形になります。DS版ソフトは既に新品生産が終了しているため、入手は中古ショップやネット通販(Amazon・オークションサイト等)が主な手段です。
価格は中古で数百円~数千円程度が相場ですが、コレクター向けの限定版(クリスタルエディション)や未開封品は高値になる場合もあります。幸いDSシリーズ本体は後継機の3DSファミリーでも互換プレイ可能なので、現在DS本体を持っていなくてもニンテンドー3DSさえあればDS版FFIIIを起動できます。
なおNintendo SwitchなどではDSカードを直接プレイできないため注意してください(※Switch向けには別途2Dリマスター版が2023年に発売されていますが、本記事では割愛します)。
動作環境について、DS版はオフラインで完結するゲームのためシングルプレイ部分は完全に現在でも遊べます。カートリッジを本体に挿入し、当時と同様にゲームを進行可能です。
グラフィックやUIは流石に現代基準では粗さも感じるものの、3Dリメイクとして今なお十分鑑賞に耐えるクオリティです。音楽もDS音源ながら原作の名曲がしっかり再現されており、ヘッドフォン推奨で楽しめます。
ニンテンドーWi-Fiコネクションは2014年5月にサービス終了したため、残念ながらインターネット経由でのモグネット通信は現在利用できません。したがって他のプレイヤーと遠距離で手紙をやりとりする機能(Wi-Fi通信)は事実上使用不可です。しかし、DS版FFIIIはローカル通信(ワイヤレスプレイ)にも対応しており、近くにDS本体とソフトを持つ人がいればオフラインでお互いに手紙を交換できます。
もし友人や家族でカートリッジを持っている場合、通信相手になってもらうことで隠し要素の解放は今でも可能です。例えば、互いに7通ずつ手紙を送受信すれば「たまねぎ剣士」のジョブ解禁イベントが起こります。ただ現実には2台のDSと2本のソフトを揃えるハードルもあるため、隠し要素を今から完全攻略するのはやや困難と言えます。
通信相手がいない場合は、NPCへの手紙だけでも一部イベントは楽しめますが、オニオン装備入手など一部コンテンツにはプレイヤー間通信が必須です。この点は現代のプレイヤーには悩ましい部分ですが、実は後述の他機種版では改善されています。どうしてもDS版で隠し要素を見たい場合、インターネット上の攻略情報では「自分でDSを2台用意して1人通信」「有志が運営する非公式サーバーでWi-Fi通信を擬似再現」等の裏技も紹介されていますが、一般的ではないため自己責任となります。
新規プレイヤーや久々に復帰する方へのガイドとしては、まずDS版の特徴であるジョブシステムを存分に楽しんでほしいという点が挙げられます。攻略難度は序盤は比較的易しいものの、後半は計画的なジョブ編成とレベル上げが必要です。各クリスタルで新ジョブを得たら、パーティの役割分担を考えてジョブチェンジしてみましょう。例えば、風のクリスタル獲得後はナイトや学者が有用、火のクリスタル後は吟遊詩人や魔剣士(暗黒騎士)を試すなど、適材適所のジョブ選択が攻略のポイントです。
DS版ではセーブがワールドマップ上でしかできない(ダンジョン内はクイックセーブのみ)ため、長めのダンジョンに入る前にはしっかり準備を整えましょう。テントやコテージといった回復手段も購入しておくと安心です。
復帰プレイヤーの方で当時行き詰まった経験がある場合、今一度じっくりレベル上げをして挑めば意外とあっさり進めたりします。当時攻略情報を見ずに苦労した箇所も、今ならネット上に豊富な攻略Wikiや掲示板の知見が蓄積されています。「分裂する敵には◯◯が有効」「最後のダンジョンはレベル○○以上推奨」など有用な情報が簡単に見つかるので、困ったら参考にするのも一つの手です。もちろん自力で謎解き・攻略する楽しさも格別ですので、バランスを取りつつプレイしてください。
DS版は現在でも遊ぶ価値は十分ありますが、もしDS実機をお持ちでない場合や通信要素込みで遊びたい場合、代替手段として他プラットフォーム版を検討するのもありです。2011年以降に配信されたスマートフォン版・PSP版・Steam版(3Dリメイク版)は基本的にDS版をベースにしており、Wi-Fi通信機能がない代わりに隠し要素がオフラインで解放可能になるなど改良されています。
例えばスマホ/PSP版では一定のイベント進行で自動的にオニオンナイトや隠しダンジョンが解禁されます。そのため「どうしても通信要素込みで完璧に遊びたい」という場合は、そうした移植版を選ぶ方法もあります。ただし現在の移植版は入手経路によっては配信終了していることもあり、最新ハード向けには2Dドット絵のピクセルリマスター版が主流となっています。ピクセルリマスター版はジョブシステムこそ踏襲していますが、ゲームバランスや演出がDS版と異なるため、あくまでDSオリジナルの3Dリメイク体験を求めるならやはりDS版をプレイするのが一番です。
まとめると、DS版『FFIII』は今でも十分遊べる内容であり、DS/3DS本体さえあれば問題なくプレイ可能です。通信サービス終了により一部コンテンツには制約がありますが、本編クリアには影響なく、隠し要素も工夫次第で触れられます。グラフィックやUIはレトロフューチャーな趣がありますが、不便さもまたRPGの醍醐味という向きには味わい深いでしょう。新規プレイヤーには往年の名作RPGの魅力を、復帰プレイヤーにはあの頃の冒険の追体験を提供してくれる作品です。ぜひ時間を作って、光の戦士たちの物語に再び触れてみてください。
要点まとめ
- DS版は今でもプレイ可能:DS/DS Lite/3DS本体でカートリッジを動作可。中古入手も容易(数百円~)だが新品は生産終了
- オフライン本編は問題なし:シングルプレイ部分は当時同様に遊べる。グラフィックやUIもDS水準だが十分許容範囲
- Wi-Fi通信は停止:2014年のサービス終了によりネット経由のモグネットは不可。他プレイヤーとの手紙交換はローカル通信で代替可能(DS2台必要)
- 隠し要素解放の現状:通信相手がいないとオニオンナイト職など入手困難。ただストーリー攻略に支障なし。後発のスマホ版等では通信不要で隠し要素取得可能
- 新規プレイヤーへの助言:こまめなセーブと準備、ジョブ編成の工夫が攻略の鍵。攻略サイトやWikiも活用しつつレトロRPGの歯応えを楽しんで
- 復帰プレイヤーへの助言:当時詰まった所も現在は情報充実で安心。DS版ならではの3Dリメイク体験は今なお新鮮なので、ぜひ再挑戦を!
比較:ファミコン版とDS版の主な相違点
最後に、オリジナルのファミコン版(1990)とDSリメイク版(2006)の主要な違いを表にまとめます。DS版プレイ時の参考情報としてご活用ください(※DS版中心に必要最小限の比較)。
| 項目 | FC版 (1990年) | DS版 (2006年) |
| グラフィック | 8bitドット絵の2D表示。 キャラチップは無個性4人組 | ポリゴン3D表示に刷新 キャラモデルはデフォルメ3Dで個別デザイン |
| サウンド | FC内蔵音源によるBGM (3和音+ノイズ) | DS音源で原曲を高音質化再現。 OPにフルCGムービー+BGM追加 |
| ジョブシステム | ジョブチェンジは「容量値」消費制。 一部上位ジョブが下位の完全上位互換 | 容量値廃止しジョブ調整期間導入。 全ジョブを大幅リバランス |
| キャラクター設定 | 主人公4人に**固有名なし**。 シナリオ上の個別台詞ほぼ無し | 4人に名前と性格背景付与。 章ごとに仲間NPC登場し会話増加 |
| 難易度 | シリーズ随一の高難度: 終盤の長大ダンジョン&ノーセーブ | 経験値/ギル増などで全体難度緩和。 中ボス撃破時の全回復追加で遊びやすく |
| 通信・追加要素 | 通信機能なし。隠し要素も特になし | Wi-Fi/ワイヤレス通信対応でモグネット実装。 通信絡みの隠しジョブ・隠しボス追加 |







