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『FINAL FANTASY V』の通常戦闘曲「バトル1(Battle 1)」は、FFシリーズでもっとも耳にする機会が多いタイプのBGM、「雑魚戦専用テーマ」の代表格です。作曲はシリーズの顔・植松伸夫。英語表記は公式・海外Wikiともに “Battle 1” と表記されており、FF5を象徴する戦闘BGMとして位置づけられています。
サントラ上でのトラック長はおよそ1分15秒前後で、各種配信サービスでもほぼ同じ尺で収録されています。一方、実際のゲーム内でループする部分は約34秒とされており、「短いループに情報量をぎゅっと詰め込む」というスーパーファミコン時代らしい設計になっています。
ゲーム内で最初に「バトル1」が流れるのは、タイクーン隕石の前ではなく、海賊アジト前の洞窟での戦闘からです。それまではイベント専用BGM「急げ!急げ!!」が使われているため、プレイヤーは少しゲームが落ち着いたタイミングで初めて“いつもの戦闘曲”に触れることになります。
興味深いのは、裏ボス「オメガ」戦でもBGMが「バトル1」のままである点です。オメガはラスボス以上とも言われる超高難度の隠しボスであり、多くのプレイヤーが初見では一瞬で全滅させられてしまう存在です。にもかかわらず、BGMは普段と同じ通常戦闘曲。ここで“あえて変えない”演出によって、プレイヤーは「いつもの戦闘曲のままなのに、とんでもない敵が出てきた」という強烈なギャップを体験することになります。
FF5の戦闘BGM全体を俯瞰すると、通常戦闘「バトル1」、ボス戦「バトル2」、ギルガメッシュ戦「ビッグブリッヂの死闘」、エクスデス戦「決戦」、ネオエクスデス戦「最後の戦い」という構成です。
その中で「バトル1」は、いわば“日常の戦闘”を支える土台のような役割を担っています。ストーリーがシリアスになっても、ダンジョンが変わっても、プレイヤーが雑魚戦に突入すれば必ず耳にする曲であり、ゲーム全体のテンポやリズム感を作る重要な柱と言えるでしょう。
また、サウンドトラック面で見ると、「バトル1」は『FINAL FANTASY V Original Sound Version』をはじめ、オリジナルサントラのリマスター盤や、Pixel Remaster版のサントラにも繰り返し収録されてきた“定番トラック”です。Pixel Remaster版では「Battle 1 FFPR Ver.」というアレンジタイトルで収録されており、オリジナルから30年以上経った現在でも“現役”の楽曲として扱われています。
このように、「バトル1」は単に“最初に聴く戦闘曲”というだけでなく、ゲームプレイの大部分の時間に寄り添い、裏ボス戦にまで姿を見せることで、FF5の世界観とプレイヤー体験を支える存在になっています。通常戦闘曲でありながらシリーズ全体でも屈指の知名度を持つのは、この“露出の多さ”と“あえて変えないという演出”の組み合わせによるところが大きいでしょう。
- 要点まとめ
- ●FF5の通常戦闘専用BGMで、英語表記は “Battle 1”
●サントラの長さは約1分15秒前後だが、実際のループ部分は約34秒と非常にコンパクト
●ゲーム内では海賊アジト前の洞窟での戦闘から使用され、その後の雑魚戦の大半をカバー
●裏ボスオメガ戦でもBGMが「バトル1」のままで、難度とのギャップが強烈な印象を残す
●多数のボス戦BGMが存在する中で、“日常の戦闘”を支える軸として機能する
●オリジナル版からPixel Remaster版まで、サントラや各種配信で繰り返し収録される定番曲
FF戦闘イントロの集大成としての「バトル1」
FFシリーズのファンのあいだでよく話題になるのが、FF1〜6に共通して使われている“戦闘曲イントロ”のモチーフです。いわゆる「ララララララソソ」と説明されることの多い2小節のベースラインで、エンカウントの電子音からこのフレーズに切り替わると、「あ、FFの戦闘が始まったな」と条件反射的に感じるプレイヤーも多いはずです。
この共通イントロは、シリーズによって細部のアレンジは違うものの、FF1〜6の通常戦闘曲で一貫して用いられてきました。FF5「バトル1」でも当然このパターンが踏襲されており、エンカウントSEに続いて静かに立ち上がるベースが、まさに“あの2小節”を刻み始めます。
ただし、「バトル1」の場合、このイントロは過去作とまったく同じ形では鳴りません。高音パートを抑え、ベースラインのニュアンスを微妙に変えることで、“シリーズ伝統のフレーズ”でありながら、しっかりFF5独自の空気感を持たせています。ファンの間でも「よく聴かないと気づかないが、ちゃんと例のイントロが入っている」と指摘されることが多く、過去作へのささやかなオマージュとして機能しているのがわかります。
音楽的な面でも、このイントロは非常に巧妙です。エンカウント音の直後に、ド派手なリフではなく一瞬落ち着いたベースソロのようなフレーズを持ってくることで、プレイヤーの意識は一度“間”を与えられます。しかし、このベースライン自体は緊張感のある音の動きをしており、「静かなのに、なんだか戦闘が始まりそうな気配がする」という不思議な感覚を生み出しています。多くの音楽分析サイトでも、「落ち着いたイントロが、逆に戦闘への緊張感を高めている」と評価されています。
さらに面白いのは、このイントロフレーズが曲の後半にも再登場する構成です。中盤以降の盛り上がりの中で、ベースパートとしてさりげなく同じモチーフが顔を出し、イントロと曲全体をゆるやかにつないでいます。これにより、「戦闘が始まる瞬間のドキドキ」と、「戦闘の最中の疾走感」が、同じモチーフで一続きに感じられるようになっているのです。
シリーズ全体で見ても、FF5までに“あのイントロ”のスタイルはかなり洗練されており、「バトル1」ではそのまとめ役のようなポジションを担っています。FF4までは比較的ストレートに戦闘曲の前振りとして機能していたイントロが、FF5ではより音楽的に洗練され、曲全体の構造の中に組み込まれています。その結果、「ただのお約束のフレーズ」ではなく、「曲を支える重要なモチーフ」として再定義されているのがポイントです。
プレイヤー視点で言えば、このイントロが持つ意味は非常にシンプルです。エンカウントの電子音が鳴ったあと、わずか数秒で「今から戦闘だ」と頭が切り替わる“スイッチ”の役割を果たしています。特にFF5のようにエンカウント頻度が高いゲームでは、戦闘に入るたびにプレイヤーの集中力をリセットしてくれるこのフレーズの存在が、ゲーム全体のテンポ感に大きく貢献していると言えるでしょう。
また、FFシリーズに長く触れているプレイヤーにとっては、作品をまたいで同じパターンが鳴ること自体が“シリーズ体験”の一部になっています。FF1〜4を遊んだあとにFF5をプレイすると、「またこのイントロが来た」という安心感と同時に、「でも曲の雰囲気はしっかり違う」という新鮮さを味わえます。FF5「バトル1」は、その“伝統”と“新しさ”のバランスが非常にうまく取られている例だと言えるでしょう。
こうした観点から見ると、「バトル1」は単にFF5の通常戦闘曲というだけでなく、FF戦闘曲イントロの歴史を締めくくる一つの到達点としても評価できます。FF6以降はサウンド面でも大きく変化していきますが、その前段階として「FFらしい戦闘イントロ」を完成させたのが、このFF5「バトル1」だと考えることもできるでしょう。
- 要点まとめ
- ●FF1〜6に共通する戦闘曲イントロのモチーフ(通称「ララララララソソ」)をFF5でも踏襲
●「バトル1」では、このモチーフをベース中心にアレンジし、FF5独自の雰囲気を持たせている
●静かで落ち着いた導入だが、ベースラインの動きによって戦闘前の緊張感をじわじわ高める構造になっている
●イントロのモチーフが曲後半でも再登場し、戦闘開始のドキドキと戦闘中の疾走感を一つのラインでつないでいる
●プレイヤーにとっては、「エンカウント音→お馴染みのイントロ」という流れが、“戦闘開始のスイッチ”として機能している
●シリーズ全体の文脈では、FF戦闘イントロの集大成・到達点として捉えられる楽曲でもある。
楽曲構成とサウンドの特徴(イントロ〜中間部まで)
「バトル1」は、サントラ上では約1分15秒ほどの短いトラックですが、その中にイントロ・主旋律・中間部・再展開といった要素がコンパクトに詰め込まれています。一見シンプルなループに聞こえつつ、よく耳を澄ますと“聞きどころ”が何段階も用意されているのが、この曲の大きな魅力です。
まずイントロは、先ほど触れたように静かなベースラインから始まります。ドラムはまだ控えめで、シンコペーションも少なめ。ここではあくまで「これから戦闘が始まる」という空気を作ることに徹しており、余計な音を足さないことで逆に緊張感を生み出しています。この“タメ”があるからこそ、次に来る主旋律の入りがより一層爽快に感じられます。
主旋律に入ると、テンポの速いリズムとトランペット系のリード音色が一気に前面に出てきます。メロディ自体はとてもキャッチーで、数回聞いただけで口ずさめるような分かりやすさがありますが、バックのストリングスやベースが細かく動くことで、単調にならないように支えています。FF5全体のサウンドが「明るく耳に残る曲が多い」と言われるのと同じく、「バトル1」も戦闘曲でありながらどこか前向きで、冒険の高揚感を感じさせる雰囲気をまとっています。
この「明るさ」と「戦闘の緊張感」のバランスが、FF5らしさの一つです。FF4の戦闘曲がシリアスさやドラマ性を強く打ち出していたのに対し、FF5の「バトル1」はもっと軽快で、プレイヤーを前に進ませるような推進力を持っています。敵を倒すことへのプレッシャーだけでなく、「さあ次のエリアへ進もう」「ジョブを育てよう」といったポジティブな感情を自然に引き出してくれるBGMと言えるでしょう。
中間部に入ると、「バトル1」はさらに面白い顔を見せます。このパートではストリングスとトランペットがどちらも“主旋律”のように振る舞うという珍しい構成になっています。
通常、植松伸夫の楽曲は「ここがメロディ」「ここが伴奏」と役割がはっきりしていることが多いのですが、「バトル1」の中間部では、ストリングスが流れるようなフレーズを奏でる一方で、トランペットも別のラインで主張してきます。どちらか一方を聴いていても成立するし、両方まとめて聴くとさらに厚みが感じられる。まるで“二重の主旋律”のような作りになっているのです。
この部分を支えているのが、ベースパートの巧みな動きです。FF4のバトル曲と比べると、FF5ではベースにパッシングノート(経過音)が多用されていると指摘されており、次のコードや小節の頭に向かって半音で滑り込むようなラインが頻繁に登場します。これにより、単にコードの根音を刻むだけでは生まれない“おしゃれな緊張感”が加わり、短いループでも飽きずに聴き続けられる奥行きが生まれています。
ドラムパートも、派手すぎないながらよく聴くと細かいフィルインやゴーストノートが散りばめられており、ループが進むごとにグルーヴが増していくような感覚があります。SFCの限られた音源チャンネル数の中で、ドラム・ベース・リード・ストリングス・エフェクトをバランスよく配置し、情報量と聴きやすさを両立させている点も見逃せません。
こうした構成上の工夫をまとめると、「バトル1」は次のような流れで設計されていると言えます。イントロで静かに緊張感を高め、主旋律でスピード感と明るさを提示し、中間部で音楽的な厚みと“二重主旋律”による聞き応えを確保し、最後にもう一度盛り上がってから自然にループへ戻る。この一連の流れがわずか30秒少々の中に収まっていることを考えると、非常に密度の高い作りであることがわかります。
実際、ベースだけを取り出して演奏しても成立するほどフレーズが練られているため、ファンによるベース・ギターのコピーやTAB譜も多く共有されています。短いループでありながら、「演奏しても楽しい」「分析しても面白い」「ゲーム中に何度聴いても飽きない」という三拍子が揃っている点が、「バトル1」が長年にわたって愛される理由の一つでしょう。
- 要点まとめ
- ●1分ちょっとの短い曲だが、イントロ〜主旋律〜中間部〜再展開というミニマルなドラマ構成を持つ
●イントロは音数少なめのベース主体で、“戦闘前の静かな緊張感”を演出。
●主旋律ではトランペット系の明るいリードと速いテンポが、冒険感と疾走感を強く打ち出す。
●中間部ではストリングスとトランペットが二重の主旋律となる珍しい構成で、曲に厚みと聞き応えを与えている。
●ベースにはパッシングノートが多用され、半音で滑り込むラインが“おしゃれな緊張感”とループの中毒性を生み出している。
●ドラム・ベース・リード・ストリングスのバランスが良く、SFC音源の制約を感じさせない密度の高いアレンジになっている。
ハード別&アレンジ展開で聴き比べる「バトル1」
「バトル1」は、オリジナルのスーパーファミコン版だけで完結している楽曲ではありません。その後の移植やリマスター、さらにはシリーズ他作品へのゲスト出演やアレンジに至るまで、30年以上にわたってさまざまな形で再解釈され続けてきました。ここでは、ハード別サウンドと主なアレンジ展開を整理してみます。
まずオリジナルのSFC版『FF5』では、スーパーファミコンのPCM音源を活かしたクリアなバンドサウンドが特徴です。ドラムは硬質で、ベースは太く前に出ており、その上にトランペット系のリードとストリングスが重なります。FF4からさらに音作りが洗練され、全体として“抜けの良い”聞きやすさを持った戦闘曲として評価されています。
その後のゲームボーイアドバンス版『ファイナルファンタジーV アドバンス』では、GBA本体の音源仕様の影響もあり、一部の曲で音が1オクターブ下がって聞こえるなどの問題が指摘されています。「バトル1」も例外ではなく、オリジナルよりもややこもった印象のサウンドになっていますが、フレーズ自体は原曲に忠実であり、メロディやリズムはほぼ同じ構成です。携帯機で遊べるというメリットと引き換えに、音質面では妥協が必要だった世代と言えるでしょう。
さらに時代が進み、スマホ・PC向けのピクセルリマスター版が登場すると、「バトル1」は“原曲を尊重しつつ現代的なアレンジを施したバージョン”として再び脚光を浴びます。Pixel Remaster版サントラでは「Battle 1 FFPR Ver.」という名称で収録されており、編曲は浦谷玲央氏が担当しています。オリジナルの構成やメロディを守りつつ、歪みギターの追加やドラム/ベースのニュアンス調整によって、より生演奏のバンドに近いサウンドへアップデートされています(内容は公式サイトの解説にも言及あり)。
ピクセルリマスター版では、2ループ目でベースラインに小さなアドリブ的フレーズが追加されるなど、原曲を知っているプレイヤーほどニヤリとできる“遊び”も盛り込まれています。また、同シリーズのサウンドトラックでは木管五重奏アレンジなどの室内楽バージョンも制作されており、同じメロディがオーケストラ寄りの表現でも映えることを示しています。

ゲーム本編以外のメディア展開としては、MMORPG『ファイナルファンタジーXIV』におけるアレンジ版が代表的です。FF14では、「FINAL FANTASY V: Battle 1 (Dawntrail)」というタイトルでアレンジが登場し、特定エリアのFATE(突発イベント)BGMとして使用されています。オーケストラ調のサウンドに再構成され、複数ループで展開が変化していく構成になっており、1周目は原曲に忠実、2周目以降でコーラスやリズムの変化が加わることで、徐々にスケール感が増していく作りです。
さらに、『ファイナルファンタジーXV』でも「バトル1」は別の形で取り上げられています。FF15本編のボス「オメガ」戦のBGM「Omega」には、「バトル1」をモチーフにしたアレンジが含まれており、とくに最終フェーズで原曲のフレーズが強く前面に現れます。また、ゲーム内の音楽プレイヤーで再生できる「Memories of FFV」アルバムにも原曲が収録されており、FFVを直接遊んでいないプレイヤーにもこの戦闘曲が届く仕組みになっています。
加えて、『ディシディア ファイナルファンタジー』シリーズなど、クロスオーバー作品でも「バトル1」はたびたびアレンジされています。ディシディア版では、よりハードなロック寄りのサウンドにリメイクされ、対戦アクションのテンポに合わせたアグレッシブなアレンジが施されています。バッツやエクスデスのバトル時にランダムで流れることもあり、「FF5の戦闘曲」としてシリーズの枠を越えた再利用がなされています。
こうしたハード別・アレンジ別の「バトル1」をブログで紹介する際は、表形式で整理してあげると読者にもイメージが伝わりやすくなります。例えば、次のようなテーブルでまとめると便利です(実際の記事では中身を埋めて使うイメージです)。
| バージョン | 収録作品/媒体 | 主な特徴 | 備考 |
| SFC版 | FF5 オリジナル | PCM音源によるクリアなバンドサウンド | シリーズ初出 |
| GBA版 | FF5 アドバンス | 一部で音程が1オクターブ低く聞こえる | 携帯機向け移植 |
| FFPR Ver. | FF5 ピクセルリマスター | 歪みギター追加の現代的アレンジ | サントラにフル収録 |
| FF14版 | FFXIV: Dawntrail | オーケストラ+コーラスによるアレンジ | FATE BGMとして使用 |
| FF15版 | FFXV「Omega」など | ボス戦BGMにモチーフとして組み込み | ゲーム内音楽プレイヤーにも収録 |
このように、「バトル1」はオリジナル版から現代機まで一貫して大事に扱われていることがわかります。アレンジの方向性はハードや作品ごとに異なっていても、ベースラインやメロディといった“芯の部分”は共通しており、どのバージョンを聴いても「あ、FF5の戦闘曲だ」とすぐにわかるのが特徴です。
- 要点まとめ
- ●SFC版ではPCM音源を活かしたクリアで抜けの良いバンドサウンドとして初登場
●GBA版ではハードの制約から、音が1オクターブ低く聞こえるなどの音質面の違いがある
●ピクセルリマスター版の「Battle 1 FFPR Ver.」は、原曲を尊重しつつ歪みギターなどを加えた現代的アレンジ
●FF14では「FINAL FANTASY V: Battle 1 (Dawntrail)」としてオーケストラ寄りのアレンジで登場し、FATE BGMとして使用
●FF15やディシディアなど他作品でも、ボス戦やBGMアルバムにモチーフやアレンジ版が登場し、シリーズ外へも広く展開
●バージョンごとにサウンドは異なるが、ベースラインとメロディという“核”は共通しており、どのアレンジでも「FF5の戦闘曲」だとすぐにわかる。
シリーズ内での評価と、なぜ愛され続けるのか
最後に、「バトル1」がFFシリーズ全体の中でどのように評価されてきたのか、そしてなぜ今でも多くのプレイヤーに愛され続けているのかを整理してみます。
ゲーム音楽の人気投票やレビュー記事では、FF5の「バトル1」はしばしば“通常戦闘曲の代表格”として名前が挙がります。ラスボス曲やボス戦曲が上位を占めるランキングの中で、通常戦闘曲としては珍しく高順位に食い込むこともあり、「地味な役割のはずなのに妙に記憶に残る曲」として語られることが多いのが特徴です。
評価ポイントとしてまず挙げられるのが、「一聴して“FFの戦闘曲”だとわかるわかりやすさ」です。エンカウント音からおなじみのイントロ、そしてキャッチーな主旋律への流れが非常にスムーズで、複雑な前振りなしにプレイヤーのテンションを戦闘モードへ切り替えてくれます。FFシリーズ経験者なら、数音聴いただけで「あ、FF5だ」と気づけるほどの識別性も高く評価されています。
次に、明るさと緊張感のバランスです。テンポは速く、ベースやドラムもかなりアグレッシブに動いているにもかかわらず、メロディ自体は前向きで爽やかな印象が強く、重苦しさがありません。何百回も繰り返し聴くことになる通常戦闘曲にとって、この“しんどくならない明るさ”は非常に重要で、長時間プレイでも疲れにくいBGMになっています。
また、短いループでありながら情報量が多く、“聴き込むと新しい発見がある”タイプの曲であることも、コアなゲーム音楽ファンから支持されている理由です。中間部の二重主旋律やベースの細かい動きなど、1回や2回聴いただけでは気づきにくい仕掛けが随所に用意されており、「演奏してみて初めて分かるおもしろさ」があると語るプレイヤーも少なくありません。
そして何より大きいのが、ゲームプレイの思い出と強く結びついている点です。FF5はジョブシステムを駆使した育成・育成周回が楽しい作品であり、AP稼ぎやアビリティ習得のために同じエリアでひたすら戦闘をこなす場面が非常に多くなります。その間、ずっと鳴り続けているのがこの「バトル1」であり、プレイヤーにとっては「強力なアビリティを覚えたときの達成感」や「オメガや神竜に挑んだときの緊張感」とセットで記憶に刻まれていきます。
裏ボス・オメガ戦で通常戦闘曲がそのまま流れる演出も、この“記憶の結びつき”をより強くしています。普段と同じBGMが流れているのに、現れる敵は桁違いに強く、あっけなく全滅させられる。このギャップ体験は、一度味わうと忘れがたいものです。プレイヤーの多くが「オメガにボコボコにされたときのBGM」として「バトル1」を語るのは、まさにこの演出の妙と言えるでしょう。
さらに、Pixel RemasterやFF14、FF15、ディシディアなどを通じて、新しい世代のプレイヤーにも繰り返し届けられていることも重要です。オリジナル版をリアルタイムで遊んでいない若いプレイヤーでも、FF14のFATEやFF15の車内BGMで「バトル1」に触れ、そこからFF5本編に興味を持つケースも考えられます。シリーズ全体の横断的な展開の中で、「バトル1」は“FF5の玄関口”としての役割も果たしているのです。
このように、曲そのものの完成度と、ゲーム内演出との結びつき、そしてシリーズをまたいだ継続的な再利用が組み合わさることで、「バトル1」はFFシリーズの中でも特に記憶に残りやすい通常戦闘曲になっています。FF5を遊び終えたあとも、ふとした瞬間にベースラインを口ずさんでしまうような、“生活に染み込む戦闘曲”として語り継がれていくことでしょう。
- 要点まとめ
- ●各種人気投票・レビューで“通常戦闘曲の代表格”として名前が挙がることが多い。
●イントロ〜主旋律の流れが非常にわかりやすく、「数音でFF5と分かる」識別性の高さが評価されている。
●明るく前向きなメロディと、ベース・ドラムの緊張感あるグルーヴが共存しており、長時間聴いても疲れにくい。
●中間部の二重主旋律やベースの経過音など、分析しても演奏しても楽しい仕掛けが多数盛り込まれている
●ジョブ育成やAP稼ぎ、裏ボス・オメガ戦など、プレイヤーのプレイ体験と強く結びついたBGMになっている
●Pixel RemasterやFF14、FF15、ディシディアなどを通じて新規プレイヤーにも届き続けており、世代を超えて愛される通常戦闘曲となっている
まとめ:FFらしさ全開の通常戦闘曲として
ここまで見てきたように、FF5「バトル1」は、単なる“雑魚戦のBGM”という枠を大きく超えた存在になっています。シリーズ共通の戦闘イントロを受け継ぎつつ、FF5らしい明るさと疾走感、そして短いループに凝縮された音楽的な工夫を兼ね備えたこの曲は、まさに「FFらしさ全開の通常戦闘曲」と呼ぶにふさわしい楽曲です。
イントロの静かなベースラインは、FF1〜6に連なる戦闘曲の伝統に根ざしながらも、FF5独自のアレンジによって“お約束”の枠を一歩進めています。主旋律では冒険の高揚感を、 中間部では二重主旋律やパッシングノートによる厚みを提示し、わずか30秒少々のループとは思えないドラマ性を生み出しています。こうした構成の巧みさが、ゲーム中で何百回と聴いても飽きない中毒性につながっていると言えるでしょう。
ゲーム内での使われ方に目を向けると、「バトル1」は序盤から終盤まで、プレイヤーの日常的な戦闘を支え続けるBGMです。海賊アジト前の洞窟で初めて耳にしてから、ジョブ育成やダンジョン探索、レベル上げやAP稼ぎに至るまで、この曲は常にプレイヤーの近くにあります。そして、裏ボス・オメガ戦でもあえてBGMを変えないことで、通常戦闘曲でありながら“最凶の戦い”とセットで記憶に残る、珍しい存在となっています。
さらに、SFC版・GBA版・Pixel Remaster版とハードをまたいで受け継がれているだけでなく、FF14・FF15・ディシディアといった他作品でのアレンジや引用を通じて、世代の違うプレイヤー同士をゆるやかにつなぐ“共通言語”のような役割も果たしています。シリーズのどこかで「バトル1」に触れたプレイヤーが、FF5本編や他のアレンジバージョンへと興味を広げていく…そんな連鎖が、今も静かに続いているのです。