『幽☆遊☆白書』は1990年から1994年まで週刊少年ジャンプにて連載された作品です。
1992年にはテレビアニメ化、そして映画化、後に舞台などの多くのメディアでファンを獲得していきました。
コミックスの最終巻が発売されてからも人気は衰えず今も尚ファンの心を掴んで離さない漫画の一つとなっています。
ジャンプの黄金期を象徴する作品だった『幽遊白書』ですが、今回の記事ではゲームボーイにて発売された4本を紹介いたします。
発売一覧表
タイトル | 発売日 | メーカー | 価格 | |
幽☆遊☆白書 | 1993年7月23日 | トミー | 4,250円 | |
幽☆遊☆白書 第2弾 暗黒武術会編 | 1993年12月10日 | トミー | 4,250円 | |
幽☆遊☆白書 第3弾 魔界の扉編 | 1994年6月3日 | トミー | 4,378円 | |
幽☆遊☆白書 第4弾 魔界統一編 | 1994年12月9日 | トミー | 4,250円 |
幽☆遊☆白書
機種 | ゲームボーイ |
発売元 | トミー |
発売日 | 1993年7月23日 |
価格 | 4,250円 |
ジャンル | 対戦格闘 |
幽遊白書シリーズの記念すべきゲーム化第一弾、かつゲームボーイ作品第一弾となる今作は、原作にて「霊界探偵編」と称されている幻海師範が主催する門下生大選考会と四聖獣との戦いが描かれた部分をゲーム化しています。
前述した2つのストーリーを原作通りに進んでいくのは、ゲームボーイの容量を考えてもよくできた作品だと感じています。
門下生大選考会では「浦飯幽助」と「桑原和真」の2人を選択し、途中のミニゲームで回復アイテムを取りながら『武蔵』『牙野』『風丸』『少林』『乱童』の5人と戦っていきます。
対戦格闘としては荒削りな部分が多く『斜め⇩ + B』ボタンのスライディングでピヨったら必殺技、もしくは桑原の必殺技『霊剣』を使用すれば壁際に追い込んでハメることも可能になるので、難易度をHARDにしても何度もプレイして敵の動きを読めればクリアは簡単なゲームとなっています。
四聖獣編では難易度をHARDでクリアしないと朱雀との戦闘で2戦目が発生せず真のエンディングには進めなかったりします。
動画で確認してもらうと一目瞭然ですが、かなりビジュアルに凝ったドット絵となっており原作再現されていてファンからも高評価な場面となっています。
使用キャラクターも原作人気の高い「蔵馬」と「飛影」を使用することが可能となるのも嬉しい仕様となっており、エンディングの最後には暗黒武術会編に登場する人気キャラクターも一瞬だけですが出演してくるのも特徴です。
1993年には下記でも紹介している『幽☆遊☆白書 第2弾 暗黒武術会編』も発売。
ゲームボーイだけでも年内に2本発売されているのは幽遊白書の人気が伺えます。
幽☆遊☆白書 第2弾 暗黒武術会編
機種 | ゲームボーイ |
発売元 | トミー |
発売日 | 1993年12月10日 |
価格 | 4,250円 |
ジャンル | 対戦格闘 |
戸愚呂兄弟との闘いを描く『幽☆遊☆白書 第2弾 暗黒武術会編』は原作での6巻(Amazon商品ページ)から13巻(Amazon商品ページ)までを対戦格闘としてゲーム化した作品です。
前作のエンディングにてチラッとだけ出演した戸愚呂が満を持して登場した本作は、前作からわずか半年で発売されたというスピード感ある販売方法となっています。
システム的には前作と同じ戦闘方法ですが、キャラ数がかなり増えているのと『妖狐蔵馬』『戸愚呂弟の100%』が対戦モード限定として隠しキャラとして登場する等ゲームとしてかなりパワーアップされており人気の作品となりました。
技もしっかりと格ゲー化されていて、⇦⇩⇨Aで霊丸などとストリートファイターの様なコマンドで技を出す仕様となります。
技表のコマンドを見たい方はこちらの記事から⇩
前作と同じく桑原の霊剣が強く、SPの調整次第で桑原一人で戸愚呂まで倒すといったことも出来るため桑原無双、霊剣無双とも言われています。
ミニゲームでHP・SPを回復しつつ、「浦飯幽助」「桑原和真」「蔵馬」「飛影」「玄海」の5人を操りながら優勝を目指していきます。
前作のグラフィックもなかなかの出来でしたが、今作では更に全体的にビジュアルが増えているのが特徴的で、キャラクターデザインもゲームボーイの少ない容量に対して一層磨きがかかっており、動きがよりリアルになりました。
原作でも盛り上がったシーンをうまく再現しているのはファンから好評となっています。
幽☆遊☆白書 第3弾 魔界の扉編
機種 | ゲームボーイ |
発売元 | トミー |
発売日 | 1994年6月3日 |
価格 | 4,378円 |
ジャンル | アクションRPG |
原作コミック13巻(Amazon商品ページ)から17巻(Amazon商品ページ)での魔界の扉編をベースにゲーム化された作品。
能力的にしょうがない部分がある「海藤 優」以外のキャラクターはほぼ出揃っているのが嬉しい『幽☆遊☆白書 第3弾 魔界の扉編』は、アクションRPGとして発売されています。
マップ移動をして街で情報収集し、その情報を頼りに敵の場所まで辿り着く、そうするとアクションパートに突入し、『浦飯幽助』『桑原和真』『飛影』『蔵馬』の4人を変更しながらプレイを進めていきます。
プレイ次第では主人公「浦飯幽助」の変更できない固定した箇所以外は、好きなキャラクターのみをエンディングまで通して使用するなどファンにとっては嬉しい仕様となっています。
全体的なゲームの難易度としてはは優しい部類のゲームとなる今作。
しかし、最後のラストダンジョンとラスボスの「仙水忍」はレベルを最高まで上げても難しいと言われており、攻撃を無効化する特殊攻撃、さらに1度倒しても再度戦わないといけない原作さながらの難しさは人によってはトラウマになる程の闘いとなる場合も。
幽☆遊☆白書 第4弾 魔界統一編
機種 | ゲームボーイ |
発売元 | トミー |
発売日 | 1994年12月9日 |
価格 | 4,250円 |
ジャンル | 対戦格闘 |
原作の18巻から最終巻の19巻までに行われた魔界統一トーナメントをベースにしたストーリー。
原作では仙水との戦いが終了した浦飯幽助、蔵馬、飛影の元に魔界からの使者が表れ、魔界にいる「雷禅」「軀」「黄泉」の3すくみの戦いに3人が巻き込まれていきます。
最終的には幽助の提案で、魔界全体で一番強い奴を決めるトーナメントを開催し、その勝者に魔界を委ねるといった終盤最後のストーリーをゲーム化しているのが本作「幽☆遊☆白書 第4弾 魔界統一編」です。
ゲームでは原作であった緻密な人物関係などのストーリーをすっ飛ばし、いきなりトーナメントから始まることとなります。
今作のシステムも、前作同様に対戦格闘ゲームの仕様となっており、ゲームボーイにしては操作しやすく、対戦が盛り上がる仕様となっているのは嬉しい所です。
ストーリーモードといえるのが統一戦というモード。
しかし、前述した通りいきなりトーナメント形式で進む所から始まり、更に原作再現されているのはエンディングのみといった所は、前3作のゲームがストーリーの作りが良かっただけに今作では悪目立ちしてしまう箇所かもしれません。
せめて飛影と躯が戦ったら個別会話があったりなど、ファンがニヤリとする要素があれば嬉しかったかもしれませんね。
まとめ
全体的に幽遊白書のゲームボーイ版は機体の仕様上制限がある中でも素晴らしい出来となっているのが特徴です。
ファンの方から見ても特にストーリーの作りは素晴らしく、ドット絵で描かれた緻密な描写で描かれた幽遊白書の世界は見ていて圧倒されます。
また、1994年に発売されたトミーの2作の幽遊白書のソフトは、まさにその当時のアニメの大ヒットを反映しています。この時期、日本国内外で「幽遊白書」は熱狂的なファンを魅了し、その絶大な人気を誇っていました。アニメや漫画がゲームとしても展開されることは一般的でしたが、最初のゲームボーイソフトから数えて4作ものソフトが2年といった短期間で登場したことは、作品の魅力と需要の高さを物語っています。
これらのソフトは、ファンにとっては物語の世界に没入できる絶好の機会となり、幽助や飛影などお馴染みのキャラクターと共に冒険できる喜びを提供しました。
ゲームプレイは、独自のストーリー展開やキャラクター同士のバトルが楽しめるため、アニメや漫画を愛するプレイヤーにとってはたまらない体験となったことでしょう。
また、これらのソフトの成功は、幽遊白書が異なるメディアで展開される際にもその人気が通用することを示しています。
ゲームの登場により、新たなファンが作品に触れ、さらなるブームが生まれました。このような連動した展開は、当時のアニメとゲームの融合の一環として、ファンにとっては喜ばしい限りでした。
その後『幽遊白書』としてはナムコからスーパーファミコンにて発売されたシリーズや、セガの『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』など名作を残していくこととなります。