【Xenoblade X】WiiU 2015年発売

ゼノブレイドクロス (Xenoblade Chronicles X) は、任天堂のWii U向けにモノリスソフトが開発したアクションRPGで、2015年にリリースされました。

この作品は、「ゼノブレイド」シリーズの一部として、広大なオープンワールドと驚くべきビジュアルを誇り、プレイヤーに豊かな冒険体験を提供しています。
本記事では、ゼノブレイドクロスの主要な魅力、独特のゲームシステム、そしてこのゲームが今なお多くのファンから愛されている理由について深掘りしていきます。

機種	Wii U
発売元	任天堂
開発元	モノリスソフト
発売日	2015年4月29日
ジャンル	オープンワールドRPG

特徴的な要素

ゼノブレイドクロスの最大の特徴は、その広大なオープンワールドです。プレイヤーは、惑星ミラと呼ばれる広大なフィールドを自由に探索することができます。惑星ミラは地球を失った人類が新たな拠点「ニューロサンゼルス（NLA）」を築き、生存と開拓を目指す場所として描かれています。
この惑星は、森、砂漠、湿地、そして氷原など多種多様な環境が共存しており、それぞれが独自の生物群と風景を持っています。

ミラの各地を探検する中で、プレイヤーは発見の喜びを感じ、圧倒的なスケール感に感動を覚えることでしょう。また、フィールドの高低差や広がりは、まるで本当に異星の大地を歩いているかのような没入感を提供します。

ストーリー

『ゼノブレイドクロス』の物語は、地球が異星文明間の戦争に巻き込まれ、崩壊の危機に瀕するところから始まります。
人類は生存をかけて宇宙船「白鯨」に乗り込み、地球を脱出しますが、追撃を受けて未知の惑星「ミラ」に不時着します。
プレイヤーは、記憶を失った主人公として、ミラでの新たな生活を始める人々と共に、失われた「ライフポイント」を探し出し、人類の再建を目指す冒険に挑みます。ライフポイントは、『ゼノブレイドクロス』において、地球からの脱出時に使用された宇宙船「白鯨」の一部である「ライフ」と呼ばれる施設が着陸時に分離し、惑星ミラの各地に散らばったものを指します。

物語は、ミラの広大な世界を探索しながら進行し、多様な種族や文化、そして未知の脅威と出会います。
プレイヤーは、エルマやリン、イリーナといった個性的な仲間と共に、ミラの謎を解き明かし、人類の未来を切り開くための戦いに身を投じます。

この壮大なストーリーは、プレイヤーに深い没入感を与え、未知の世界での冒険心を刺激します。また、サイドクエストやキャラクタークエストを通じて、仲間たちとの絆を深め、物語の奥行きを感じることができます。

ゲームの魅力

『ゼノブレイドクロス』は、広大なオープンワールド、搭乗可能なロボット「ドール」、多彩なカスタマイズ要素、そして独自のオンライン機能を備えた壮大なRPGです。プレイヤーは未知の惑星ミラを探索し、多様な環境や生物と出会いながら、人類再建のための冒険に挑みます。以下に、本作の主要な魅力を詳述します。

オープンワールドの探検

惑星ミラは5つの主要な大陸で構成されており、それぞれにユニークな環境があります。
各地域には異なる生物群が存在しており、プレイヤーは様々な動植物と遭遇します。例えば、広大な草原が広がる「原初の荒野」は、緑豊かな大地で地球に最も近い環境です。また、幻想的な光を放つ植物に覆われた「夜光の森」では、夜になると輝く美しい風景が広がります。一方で、「忘却の渓谷」は荒涼とした砂漠地帯で、過酷な環境に挑む必要があります。「白樹の大陸」は雪のように白い植物が覆う神秘的なエリアで、「黒鋼の大陸」は火山活動が激しく、険しい自然がプレイヤーを待ち受けます。

ドール (ロボット) の搭乗

ゲームを進めることで登場する「ドール」は、プレイヤーが搭乗可能な人型ロボット兵器で、探索と戦闘の自由度を大きく広げます。
ドールは強大な戦闘能力を持ち、歩行だけでなくビークル形態に変形することで、移動手段としても非常に便利です。

ただし、搭乗には「ドールライセンス」が必要であり、ストーリー第6章クリア後に受注可能となるクエストを攻略する必要があります。

ドールには「ライトタイプ」「ミドルタイプ」「ヘビィタイプ」の3種類が存在し、それぞれに特徴があります。

タイプ	特徴
ライトタイプ	安価で命中・回避性能が高いが、HPと燃料積載量が低い。燃費は良い。
ミドルタイプ	バランス型で、性能は全体的に中程度。
ヘビィタイプ	高価で燃費が悪いが、HPと燃料積載量が高く、高出力兵器が使用可能。

各ドールにはレベルが設定されており、搭乗者のレベルがそれを上回っていなければ乗ることができません。
販売されているドールの機体レベルは30と50、ライセンス取得時に支給される機体は20となっており、エンディング後にはレベル60の機体が開発可能です。

ドールは戦闘においても強力な兵器として機能します。プレイヤーはドールに多様な武器を装備することができ、通常のキャラクターよりも圧倒的な火力で強敵に立ち向かうことが可能です。
特に大型の敵や異星人種族「グロウス」との戦闘では、ドールの火力が戦局を左右する重要な要素となります。

ドールはまた、自分好みにカスタマイズすることができます。名前やカラーリングを変更したり、武装を左右の手や肩、背中など合計10箇所に装着することが可能です。
ただし、戦闘中に部位破壊されるとその箇所の武装は使用不可となるため、戦略的な運用が求められます。

また、ドールでの戦闘では、アーツ（特殊技）を使用するたびに「燃料」が必要で、燃料管理が重要な要素です。
燃料が切れるとドールの性能が制限されるため、適切なタイミングでの補給が必要です。

さらに、ドールには「コクピットタイム」や「フライトユニット」などの独自機能があります。「コクピットタイム」は特定のアーツを使用するとランダムに発生し、全アーツのリキャストが完了し、一定時間無敵状態となります。「フライトユニット」を装備することで空を飛ぶことが可能になり、探索の幅がさらに広がります。

ドールの登場によって、探索や戦闘のスケールが一気に広がり、プレイヤーに新たな冒険の可能性を提供します。

カスタマイズ性

ドールは自由にカスタマイズが可能です。
外見や装備に加え、ドールの名前、カラーリング、武装を自由に変更できます。ドールの武装は左右の手、肩、背中、腕、予備の合計10箇所に装着することができ、一部の兵装は複数のスロットを占有する場合もあります。ただし、戦闘中に部位破壊をされると、その箇所の兵装は使用できなくなるため、戦略的な配置と運用が求められます（戦闘終了後には修復可能）。また、搭乗者の登録・変更はブレイドホームのコンソールで行うことができます。

さらに、武装以外にも「フライトユニット」を装備することで飛行能力を追加したり、搭乗者の装備によってドールの性能を強化することも可能です。このようなカスタマイズの自由度によって、プレイヤーは自分の戦闘スタイルや目的に応じたドールを作り上げることができ、より戦略的なプレイが楽しめます。

オンライン要素

ゼノブレイドクロスのオンライン要素は、完全なオンラインゲームとは異なり、他のプレイヤーと直接コミュニケーションを取るのではなく、「ゆるくつながるネットワーク」として設計されています。
このシステムにより、プレイヤーは他のユーザーが同じ惑星ミラのどこかで活動していることを感じながらゲームを進めることができます。

他のプレイヤーのキャラクターがNPCとしてフィールド上に現れたり、一時的にパーティに加えることが可能です。
この仕組みにより、双方にアイテムやリソースなどの恩恵がもたらされます。また、共通の課題を複数のプレイヤーがそれぞれこなして少しずつ達成していく協力型のミッションも存在し、間接的に他プレイヤーとの繋がりを楽しむことができます。

この「ゆるいつながり」こそが、プレイヤー同士の共感を生み出し、ソロプレイでありながらも他のプレイヤーの存在を感じられる独特のオンライン体験を提供しています。開発段階での設計変更により、このシステムが導入され、物語の主人公もアバターとしての自由度を高めたデザインに変更されました。
これにより、プレイヤーごとに異なるキャラクターを作り出し、それぞれが自分だけの物語を体験できるようになっています。

主なオンライン機能

『ゼノブレイドクロス』のオンライン要素は、他のプレイヤーとゆるやかにつながることを特徴としています。これにより、プレイヤーは他のユーザーと直接的なコミュニケーションを取ることなく、間接的に協力や情報共有を行うことが可能です。

これらのオンライン要素により、プレイヤーは他のユーザーと間接的に協力し、情報共有やアイテム取引を行いながら、惑星ミラでの冒険をより深く楽しむことができます。

Switchへの移植

『ゼノブレイドクロス』の移植に関する話題は、長い間ファンの間で熱望されてきました。2024年10月、任天堂は『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』をNintendo Switch向けに正式に発表しました。このリマスター版は、2025年3月に発売予定であり、グラフィックの強化や新たなストーリーの追加、さらにはWii U版で提供された全ての追加コンテンツも収録されることが発表されています。この移植により、より多くのプレイヤーが手軽に『ゼノブレイドクロス』の壮大な世界を再び、もしくは初めて体験できる機会が提供されることになります。

Switch版では、グラフィックの改善に加え、新しいクエストや要素も追加される予定で、これによりプレイヤーに新鮮な冒険が提供されます。また、Nintendo Switch Onlineの機能を活用した新たなオンライン要素も期待されており、旧版以上に多くのプレイヤーとの繋がりを感じながら遊べるような設計がなされていることが示唆されています。この移植により、『ゼノブレイド』シリーズ全体をSwitchでプレイできるようになることから、シリーズファンにとっても大きな節目となるリリースです。

ゼノシリーズ関連作品

ゼノシリーズは、深いストーリーと独自の世界観を持つサイエンス・フィクションRPG作品群で、各作品は独立した物語を展開しながらも、共通のテーマや設定が多く見られます。

シリーズ名	リリース年	概要
ゼノギアス	1998年	スクウェアからリリースされた、哲学的で深遠なストーリーを持つ作品。シリーズの始まりとして、プレイヤーに強い印象を残しました。
ゼノサーガ シリーズ	2002年～2006年	モノリスソフトが開発し、全3部作で構成。壮大な宇宙規模の物語で、各エピソードはSF要素が色濃く描かれています。エピソードIからIIIまで続く物語がプレイヤーを魅了しました。
ゼノブレイド	2010年	任天堂からリリースされ、オープンワールドの冒険と深いキャラクター描写が特徴。後にSwitch向けにリマスター版「ディフィニティブ・エディション」も登場。
ゼノブレイドクロス	2015年	Wii U向けに発売された広大な惑星ミラを舞台にしたオープンワールドRPG。ドールと呼ばれるロボットに搭乗し、ミラの世界を探索する楽しさが特徴。2025年にはSwitch向けにリマスター版が発売予定。
ゼノブレイド2	2017年	広大な世界観と新たな戦闘システムを導入し、多くの新規ファンを獲得。前日譚である「黄金の国イーラ」も2018年にリリース。
ゼノブレイド3	2022年	シリーズの集大成とも言える作品で、これまでのストーリーを統合する壮大な物語が描かれています。追加ストーリー「新たなる未来」も2023年にリリースされました。

これらの作品は、どれも独自の世界観と物語を持ちながらも、共通するテーマや用語、キャラクターデザインがシリーズ全体に一貫性を与えています。
ゼノシリーズは、深い物語性とキャラクターの成長、そして戦闘の楽しさを通して、多くのプレイヤーを惹きつけ続けている名作RPGシリーズです。

まとめ

『ゼノブレイドクロス』は、その広大なオープンワールドと、プレイヤーの自由な冒険をサポートするドールやオンライン要素によって、他に類を見ない壮大な体験を提供する作品です。惑星ミラを舞台に、探索、戦闘、そして仲間たちとの絆を深めることができるため、単なるRPGを超えた奥深いプレイ体験が待っています。また、Nintendo Switchへの移植により、より多くのプレイヤーがこの壮大な世界に触れられる機会が増えました。

プレイには少し学習が必要ですが、そのハードルを超えた先には、圧倒的な達成感と没入感が得られるでしょう。ぜひ、ミラの広大な世界での冒険を楽しんでください。