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『トバルNo.1』は、1996年8月2日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたPlayStation用の3D対戦型格闘ゲームです。
このゲームは、ドリームファクトリーが開発し、鳥山明がキャラクターデザインを手掛けたことで注目を集めました。
ゲームシステム
『トバルNo.1』は、従来の2D格闘ゲームとは異なり、3D空間を自由に移動できるシステムを採用しています。
プレイヤーは方向キーでキャラクターを前後左右および奥行き方向に移動させ、R1ボタンを使ってガードを行います。
さらに、R1ボタンを押しながら攻撃ボタンを押すことで強攻撃が発動し、中段攻撃ボタンでは「つかみ」が発動します。「つかみ」は相手をつかんだ後、動かす・打撃を加える・投げ飛ばすの三種類の行動が選択可能です。
このシステムは当時としては非常に革新的であり、特にトリガーボタンを活用した操作方法は、後の3Dアクションゲームの基礎となりました。
『トバルNo.1』のゲームシステムは、上段攻撃・中段攻撃・下段攻撃の3つのボタンと方向キーの組み合わせで多彩な技を繰り出すことができます。
このシステムにより、従来の格闘ゲームにありがちだった「しゃがみパンチ」などの不自然な現象を排除し、常に緊張感のある駆け引きを楽しむことができます。
アクション | ボタン | 詳細 |
---|---|---|
移動 | 方向キー | 方向キーで前後・奥行き方向に移動 |
上段攻撃 | 上段ボタン | 上段の攻撃を行う |
中段攻撃 | 中段ボタン | 中段の攻撃を行う |
下段攻撃 | 下段ボタン | 下段の攻撃を行う |
ガード | R1 | R1でガードを行う |
強攻撃 | R1 + 攻撃ボタン | R1を押しながら攻撃ボタンを押すと強攻撃となる |
つかみ | R1 + 中段ボタン | R1を押しながら中段ボタンを押すとつかみ |
下段ガード | R1 + 下キー | R1を押しながら下キーを押すと下段ガード |
ジャンプ | L1 | L1でジャンプを行う |
キャラクター
本作のキャラクターデザインは『ドラゴンボール』の作者である鳥山明が担当しました。
個性的で魅力的なキャラクターたちが、プレイヤーの心を掴みました。例えば、チュージ・ウーやエポンなど、特徴的な背景や性格を持つキャラクターが登場し、プレイヤーはそれぞれのキャラクターの物語を楽しむことができます。
『トバルNo.1』には個性的なキャラクターが多数登場します。主なキャラクターには、地球出身の少年チュージ・ウー、キッタイク星出身のエポン、キエンタック星出身のオライムスなどがいます。チュージ・ウーは独学で武術を身につけた運動の天才で、エポンはスピードと手数で勝負するキャラクターです。
以下は、『トバルNo.1』のデフォルトキャラクターとボスキャラクターの情報をまとめたテーブル表です。
キャラクター
キャラクター名 | 声優 | 出身地 | 年齢 | 身長 | 体重 |
---|---|---|---|---|---|
チュージ・ウー | 緑川光 | 地球 | 17歳 | 175cm | 70kg |
エポン | 永島由子 | キッタイク星 | 18歳 | 167cm | 50kg |
オライムス | 青野武 | キエンタック星 | 19歳 | 198cm | 110kg |
ホム | 龍田直樹 | 不明 | 20年(製造年数) | 180cm(203cm) | 150kg |
フェイ・プウスー | 八奈見乗児 | 地球(台湾) | 不詳(推定70歳) | 161cm | 50kg |
イール・ゴガ | 郷里大輔 | ワコイバヤイ星 | 不詳 | 201cm | 180kg |
マリー・イボンスカヤ | 中友子 | 地球(ロシア系フランス人) | 32歳 | 189cm | 140kg |
グリン・カッツ | 神谷明 | 地球(イギリス) | 17歳 | 175cm | 70kg |
ボスキャラクター
キャラクター名 | 声優 | 出身地 | 年齢 | 身長 | 体重 |
---|---|---|---|---|---|
ムーフー | 龍田直樹 | ジャルング星 | 不詳 | 221cm | 60kg(160kg) |
怪人ノーク | 佐藤正治 | イルドアーボ星 | 不詳 | 304cm | 350kg |
ウダン皇帝 | 古川登志夫 | 惑星トバル | 不詳 | 152cm | 45kg |
鳥山ロボ | 鳥山明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
クエストモード
本作の特徴の一つとして、格闘ゲームとしては珍しい「クエストモード」が搭載されています。このモードでは、プレイヤーはダンジョンを探索し、敵を倒しながらアイテムを収集していきます。この要素により、単なる対戦格闘ゲーム以上の深みが加わっています。
クエストモードの概要
- 目的
プレイヤーは地下ダンジョンを探索し、最深部にある「モルモラン鉱石の塊」を手に入れることを目的とします。 - キャラクター
クエストモードでは、プレイヤーが選んだキャラクターでダンジョンを攻略します。キャラクターごとに異なるスキルや能力があるため、プレイヤーは自分のプレイスタイルに合ったキャラクターを選ぶことが重要です。 - ダンジョン構造
ダンジョンは複数のフロアで構成されており、それぞれに敵キャラクターやトラップが配置されています。ダンジョンのマップはランダムに生成されるため、プレイするたびに異なる探索が楽しめます。 - 戦闘システム
クエストモードでは、通常の対戦モードと同じく、キャラクターの攻撃や防御、特殊技を駆使して敵と戦います。敵を倒すことで経験値を得て、キャラクターがレベルアップし、能力が向上します。 - アイテム
ダンジョン内には様々なアイテムが落ちており、これらを拾って使用することでキャラクターの能力を強化したり、体力を回復したりすることができます。アイテムには武器、防具、回復アイテムなどがあり、戦略的に活用することが求められます。
クエストモードの特徴
- 探索要素
ダンジョン内には隠し部屋や秘密の通路が存在し、これらを見つけることで貴重なアイテムや強力な装備を入手することができます。また、特定の条件を満たすと新しいエリアが開放されることもあります。 - ボス戦
ダンジョンの最深部には強力なボスキャラクターが待ち構えており、これを倒すことでモルモラン鉱石の塊を手に入れることができます。ボス戦は通常の戦闘よりも難易度が高く、プレイヤーの技術と戦略が試されます。 - 成長システム
戦闘で得た経験値を元にキャラクターが成長し、レベルアップすることで新しい技を覚えたり、ステータスが向上したりします。プレイヤーは成長させたいキャラクターの強みを活かして戦うことが求められます。
クエストモードの魅力
『トバルNo.1』のクエストモードは、対戦型格闘ゲームの枠を超えて、RPGの要素を取り入れることで新しいゲームプレイの体験を提供しています。探索やアイテム収集、キャラクターの成長など、多様な要素が組み合わさることで、長く楽しめるモードとなっています。
このモードは、『トバルNo.1』を単なる対戦ゲームではなく、より深いゲーム体験を提供する作品として際立たせる要因の一つです。
影響と評価
『トバルNo.1』は、後に続く3D格闘ゲームやアクションゲームに大きな影響を与えました。続編の『トバル2』や『エアガイツ』、『バウンサー』などでも、本作のシステムが改良されながら引き継がれています。発売当時の評価も高く、独特な操作感や鳥山明によるキャラクターデザインが話題となりました。
『トバルNo.1』は、その独自性と革新性から、多くのゲーマーに愛され続けています。発売から20年以上経った現在でも、レトロゲームファンの間で語り継がれる名作の一つです。
トバル2について
『トバル2』は、前作『トバルNo.1』の発売から約8か月後にリリースされた続編であり、1997年4月25日に日本国内で発売されました。この短い開発期間にもかかわらず、『トバル2』は前作の成功を踏まえた多くの改良と新要素を取り入れ、ファンから高い評価を受けました。
『トバル2』では、グラフィックが大幅に向上しています。前作で評価されたキャラクターデザインはさらに洗練され、滑らかなアニメーションと詳細なステージデザインが実現されました。特に、キャラクターの動きや表情がよりリアルに表現されており、戦闘の迫力と臨場感が一層増しています。
キャラクターの追加
前作から多くのキャラクターが引き続き登場するだけでなく、新たなキャラクターも多数追加されました。これにより、プレイヤーはより多様な戦闘スタイルや戦略を楽しむことができるようになりました。新キャラクターたちは、それぞれ独自の背景やストーリーを持ち、ゲームの世界観をさらに深めています。
ゲームシステムの改良
戦闘システムにも多くの改良が加えられました。各キャラクターには新しい技やコンボが追加され、戦闘のバリエーションが広がりました。また、バランスの取れたゲームプレイが実現されており、初心者から上級者まで幅広いプレイヤーが楽しめる設計となっています。これにより、『トバル2』は対戦型格闘ゲームとしての完成度が一層高まりました。