【THE KING OF FIGHTERS ’97】セガサターン版KOF’97総合ガイド|オロチ編完結作の魅力と攻略

広告/Amazon のアソシエイトとして、遊びゴコロは適格販売により収入を得ています。

【THE KING OF FIGHTERS ’97】セガサターン版KOF’97総合ガイド|オロチ編完結作の魅力と攻略

『THE KING OF FIGHTERS ’97』(以下、KOF’97)は、SNKが1997年に発表した2D対戦格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズ第4作目です。アーケード(NeoGeo)版を基盤に、1998年3月26日に日本国内限定でセガサターン移植版が発売されました。


ジャンルは3対3のチームバトル格闘ゲームで、1995年作『KOF’95』から始まった“オロチ編”三部作の最終章にあたります。
セガサターン版の開発・販売もSNKが行っており、価格は5,800円(税別)でした。当時アーケード基板そのものの移植と謳われたネオジオROM版のクオリティを、家庭用機セガサターンで再現するため拡張RAMカートリッジ(1MB)対応ソフトとしてリリースされています。セガサターン版にはROMカートリッジ同梱のお得セットも用意され、すでに拡張RAMカートリッジを持っていないユーザーでも追加購入なしで遊べるよう配慮されました。

ゲーム内容としては、前作『KOF’96』のゲームシステムを踏襲しつつ改良を加え、2種類のバトルモードとして(「ADVANCED(アドバンスト)モード」と「EXTRA(エキストラ)モード」)を搭載した点が最大の特徴です。
加えて、『KOF’96』までの人気投票の結果を受けてファン待望のキャラクターを多数参戦させたことも話題となりました。アーケード版からの忠実な移植に加え、セガサターン版ではギャラリーモード(設定原画やイラストを鑑賞できるモード)が搭載されており、シリーズファンには嬉しいおまけ要素も用意されています。なお本作はセガサターン最後のKOFシリーズ作品であり、結果的にSNKが発売した最後のセガサターン用ソフトにもなりました。

想定読者別のポイントとして、新規プレイヤーにとっては格闘ゲームの基本から学べる練習モードや難易度設定が用意されているものの、CPUラスボス「オロチ」の強さは有名で、初見では苦戦する可能性があります。復帰勢であれば’95〜’96からのシステム変更点(後述のゲージシステム変更や新キャラクター追加など)を把握することでスムーズに移行できるでしょう。一方、コア層にとっては当時のアーケード版に極めて近い移植度と、オロチ編完結の物語演出が最大の魅力となります。総じてKOF’97は、“オロチ編のフィナーレを自宅で堪能できる”一本と言え、新旧ファンを問わず楽しめる内容に仕上がっています。

ゲームシステム

基本ルール:KOF’97は、プレイヤーが3人1組のチームを編成して戦う団体戦形式を採用しています。試合は1対1のシングル戦を連続で行い、相手チーム3人を全て倒した側が勝利です。操作系は4ボタン(A:弱パンチ、B:弱キック、C:強パンチ、D:強キック)で、八方向レバーとの組み合わせで多彩な技を繰り出します。攻撃、防御(ガード)に加えて、本シリーズ特有の緊急回避動作(前方or後方へのステップ回避)ふっとばし攻撃(強攻撃ボタン同時押し)も健在です。基本的な戦術としては、ジャンプからの攻撃で崩しつつ地上コンボにつなげたり、相手のスキに強力な必殺技・超必殺技を叩き込むのが王道の攻略パターンになります。

パワーゲージシステム:本作最大の特徴は、前作までのシステムを発展させた「ADVANCED(アドバンスト)モード」と「EXTRA(エキストラ)モード」の選択制です。キャラクター選択時にどちらかを選ぶことで、以降のバトル中のゲージ増減や機動性能が変化します。以下に両モードの概要を示します。

  • ADVANCEDモードKOF’96』をベースに改良されたモードです。攻撃を当てたり受けたりすることでパワーゲージが溜まり、ゲージが一本満タンになるとストック(最大3本)として保持できます。ストックを消費して超必殺技(ストック1本消費)や攻撃力強化の「MAXパワー状態」(ストック1本消費)を発動可能です。機動面では前方ダッシュ(連続入力でランニング)や前転回避が可能となり、スピーディかつ攻撃的な戦い方ができます。ゲージ運用次第で連続超必殺技コンボなども狙えるため、中上級者向けの火力重視モードと言えます。
  • EXTRAモード:こちらはKOF’94~’95』のシステムを踏襲したモードです。パワーゲージは自力で溜める手動チャージ式で、A+B+Cボタン長押しでゲージを蓄積できます。ゲージMAX時または体力が残りわずか(赤点滅状態)の時に超必殺技が使用可能となり、赤点滅+ゲージMAXの場合はゲージが尽きるまで超必殺技を無制限に出せる「MAX状態」が発動します。機動面ではその場緊急回避(バックステップ回避)と前方ステップ移動が可能ですが、ADVANCEDのような連続ダッシュはできません。従来のKOFに慣れたプレイヤー向けで、じっくりゲージを溜めて一発逆転を狙う戦法に向いています。

キャラクターとチーム編成:登場キャラクターは総勢35名(ラスボス含む)に及び、歴代シリーズの人気キャラに加えて本作初登場のオリジナルキャラも多数存在します(詳細は後述ストーリー参照)。プレイヤーは固定チームだけでなく自由な組み合わせでチームを編成可能(エディットチーム機能)なので、自分の使いやすいキャラ3人を選んで挑戦できます。初心者には主人公チーム(草薙京・二階堂紅丸・大門五郎)や餓狼伝説チーム(テリー・アンディ・ジョー)などバランスの良いチームがおすすめです。一方で上級者は、高火力キャラ(山崎竜二やラルフなど)を中心に据えたり、戦法に応じて足の速いキャラ+飛び道具持ち+掴み技キャラのように役割分担を意識した編成を組むことで、対戦やCPU戦を有利に進められるでしょう。

難易度と詰まりやすいポイント:ゲーム難易度はオプションで設定でき、初心者はまずイージーで始めると良いでしょう。ただし最終ボス「オロチ」の強さは突出しています。
オロチは超反応でこちらの攻撃に割り込み、全画面攻撃級の超必殺技を多用してくるため、初見では「理不尽」に感じるかもしれません。対策として、ジャンプ攻撃からの連続技を当て逃げする戦法や、ガードに徹して隙の大きい攻撃後を狙う方法が有効です。

本作はプレイヤー自身のキャラの使い込み(習熟度)が物を言います。各キャラクターごとに通常技のリーチや必殺技の性能が大きく異なるため、まずは1~2キャラを集中的に練習して動きを覚えるのが上達の近道です。
例えば草薙京はオーソドックスな技構成で扱いやすく、対空技「百八式・闇払い」や連続技に組み込みやすい「百二拾七式・八拾八」で攻守バランスに優れます。同様にテリー・ボガードも飛び道具と突進技を持ち初心者向けです。一方、クセの強いキャラや上級者向け性能のキャラは最初は避け、慣れてきたら挑戦してみると良いでしょう。

要点まとめ
3人チーム対戦:1対1の勝ち抜き戦を3連戦行う独自ルール。基本4ボタン操作+レバーで多彩な技を繰り出す。
ADVANCED vs EXTRAモード:戦闘前に2種類のゲージシステムを選択。アドバンストはストック制&ダッシュ可能、エキストラは手動チャージ制&ステップ回避など、プレイスタイルに応じて選べる。
キャラ構成:総勢30名以上の豊富なキャラ陣。チーム編成は自由で、初心者は扱いやすいキャラ中心のチームがおすすめ。上級者は役割分担や高火力狙いの編成で攻略性アップ。
難所:ラスボス戦:最終ボス「オロチ」が非常に強力。ジャンプ攻撃やガード重視で隙を突く戦法が有効。コンティニューでの難易度緩和も活用可能。
練習と上達:育成要素は無いが、自分の練度向上がカギ。まずは得意キャラを作り基礎を固め、徐々に他キャラにも挑戦していくと良い。

ストーリー/世界観

【※ネタバレなし:1997年の世界を舞台に、格闘大会「ザ・キング・オブ・ファイターズ」が前年に引き続き開催されるところから物語は始まります。前回大会(『KOF’96』)の決勝直後に起きた大爆発事件の余波で世間は混乱しましたが、その原因は未だ不明とされ「テロリストの犯行」という公式発表のみがなされている状況です。
しかし謎の異変に人々の関心は高まり、逆に大会の知名度は急上昇。大企業がこぞってスポンサーに名乗りを上げ、世界各地で予選が開かれるなどKOFは社会現象化しました。
「KOF’97」として開催が決定した今大会には世界中から格闘家たちが集結し、それぞれが様々な思惑を胸に闘いに挑みます。主人公チームの草薙京は日本代表として参戦しつつも、一年前の事件で見え隠れした異常現象の真相を追う決意を秘めています。やがて大会は順調に進行するかに見えましたが、各地で不穏な噂や予兆が囁かれ始め…。果たして今年のKOFは無事に幕を閉じるのか、それとも再び何者かの陰謀により悲劇の舞台となってしまうのか──。物語はクライマックスへと突き進みます。

※ネタバレあり(物語の核心に触れます)】実は今大会にエントリーした新チーム「ニューフェイスチーム(七枷社・シェルミー・クリス)」の3人こそ、前回大会で暗躍したオロチ四天王の残党でした。彼らはKOFという戦いの場そのものを利用し、格闘家たちの闘争から生じる莫大なエネルギーを集めて、封印された大蛇(オロチ)の復活を目論んでいたのです。大会決勝直後、本性を現した社・シェルミー・クリスは血の封印に縛られた八神庵とレオナを「オロチの血」によって暴走状態に陥れます。辛くも庵とレオナを制止した後、主人公チームおよび庵・神楽ちづるの前にオロチ四天王が立ちはだかり、そのまま最終決戦に突入します。激闘の末、四天王を打ち破るも、クリスの肉体を依り代としてオロチそのものが完全復活を遂げてしまいました。

いまだかつてない強大な力を振るうオロチに対し、京・庵・ちづるの「三種の神器」チームは最後の力を振り絞ります。庵は己の意志で暴走状態をねじ伏せ、オロチを背後から押さえ込みます。そこへ京が渾身の必殺技「無式」を叩き込み、ちづるが封印の術式を発動。【オロチ復活】を巡る長き戦いはついに決着しました。しかし、勝利の代償として京と庵の姿はその場から消え去り、行方不明となってしまいます(※エンディングによっては異なる描写もあり)。大会自体は大団円とはいかなかったものの、この結末によってオロチの脅威は再び封印され、KOFはひとまず平和を取り戻しました。

本作のストーリーは格闘ゲームとしては珍しくシリーズの完結編となっており、ゲームメディアからも「オロチ編をきっちり締めくくった構成が見事」と評価されています。
特に主人公・草薙京が見せる仲間との絆や宿敵「八神庵」との共闘劇はファンの心に強く刻まれ、京VSオロチの最終対決シーンはシリーズ屈指の名場面として知られます。また、京の恋人ユキが物語の鍵を握る存在「クシナダの生贄」であったという設定や、庵・レオナの暴走といったドラマチックな展開も物語に深みを与えました。これらの演出はゲーム内のテキストやデモだけでなく、当時発売された小説版や漫画版にも発展し、メディアミックス展開されるほどの人気を博しました。

要点まとめ
オロチ編の最終章:’95から続いた謎と因縁が本作で解決。格闘大会“KOF’97”開催中にオロチ復活を狙う敵対勢力の陰謀が進行する。
主人公チームの奮闘:草薙京、八神庵、神楽ちづるの三種の神器チームが共闘し、オロチ四天王や最終ボス「大蛇」に立ち向かう熱い展開。
各チームの結末:エンディングは使用チームによって変化(※公式設定では京たちがオロチ封印)。ドラマ性の高いストーリー演出がシリーズ屈指の評価。
ストーリー理解のススメ:物語を十分楽しむには前作’95・’96のプレイがおすすめ。セガサターン版にはストーリー鑑賞向けのギャラリーモードも搭載され、設定資料も補完可能。

地域差とバージョン違い

発売地域とプラットフォーム展開:セガサターン版『KOF’97』は日本国内のみで発売されました。当時すでに海外ではセガサターン市場が縮小していたこともあり、北米や欧州では本作のサターン版はリリースされていません(他機種版での展開は後述)。以下の表「地域別発売情報」に、日本(JP)、北米(NA)、欧州(EU)、アジア地域(AS)それぞれの発売状況をまとめます。

地域発売日機種価格表記と言語レーティング/規制特典/限定版
日本(JP)1998年3月26日セガサターン5,800円(税別)タイトル表記:日本語(『ザ・キング・オブ・ファイターズ’97』)ゲーム内テキストも日本語対象年齢:全年齢対象(※CERO発足前につきレーティング無し)初回生産分に**1MB拡張RAMカートリッジ同梱版**あり:contentReference[oaicite:36]{index=36}。
通常版+RAM同梱版の2形態で発売。限定版特典は特になし(店舗別特典としてAmazon限定バインダーインデックス付属例あり)
北米(NA)未発売
欧州(EU)未発売
アジア(韓国・台湾 他)未発売(日本版を輸入販売)※非公式に日本版そのまま流通

※海外ではセガサターン版は未発売のため、プレイするには日本版ソフトと日本版ハード(もしくはリージョンフリー化した本体)が必要でした。なお、同じ1998年にはPlayStation版(日本国内向け)も発売されていますが、こちらも海外では公式発売されていません。のちにシリーズのオロチ編3作品(’95,’96,’97)を1本にまとめたPS2用ソフト『KOF オロチ編』(2006年)や、ダウンロード配信のアケアカNEOGEO版(2017年)などで海外ユーザーも遊べるようになります。

プラットフォーム別の仕様差

次に、セガサターン版と他プラットフォーム版(NeoGeoやPlayStation版、および後年の配信版)との技術的・内容的な違いを整理します。
セガサターン版KOF’97は総じて「アーケード(NeoGeo MVS)版の忠実な移植」と評価されますが、一部に他機種版との差異があります。
下表「仕様差/バージョン違い」では主要プラットフォーム毎のフレームレート・ロード時間・追加要素などを比較しています。

プラットフォーム描画性能ロード時間追加要素・変更点周辺機器/DLC備考
NeoGeo(MVS/AES)60fps / 解像度320×224ドット相当(オリジナル)ラウンド間ロード無し(ROMカセットのため高速)特になし(アーケード基板準拠)メモリーカード対応(戦績保存)オリジナル版。BGMは一部アレンジ版を使用(山崎のテーマ等)
NeoGeo CD60fps / 同上ラウンド間に長いロード時間(毎ラウンド数十秒程度)BGMが全編アレンジ音源に変更。一部楽曲は過去作の流用(例:山崎のテーマ)内蔵メモリにセーブローディングの遅さが難点。CDメディア特有のアレンジBGM収録
セガサターン
(1998年版)
60fps / ドット絵ほぼオリジナル同等(拡張RAM1MBで豊富なスプライト再現)試合前ロード約7秒×各ラウンド(※前作’96より長め)練習モード搭載、ギャラリー閲覧モード搭載、ボスキャラ「オロチ」は練習モード限定使用可要拡張RAM(1MB必須・4MBも動作可)。セーブデータは内部メモリ/パワーメモリ対応日本国内のみ発売。SNK最後のSSソフト。移植度高く評価◎
PlayStation
(1998年版)
60fps / 一部キャラ動作簡略化(容量制約でアニメ削減)試合前ロードやや長い(最適化でNeoGeo CD版よりは短縮)練習モード搭載、VSモードでラスボス「オロチ」使用可能(隠しコマンド)。一部隠しキャラの出現コマンドを簡略化周辺機器不要(標準でプレイ可)。メモリーカード対応。DLCなし日本国内のみ発売。ロード短縮努力もSS版に比べて劣化移植との評価(背景簡略・キャラ小さめなど)
PlayStation 4/Windows他
『KOF’97 GLOBAL MATCH』(2018年)
60fps / オリジナル準拠(画面比4:3、ドット絵)ロードほぼ無(SSD/HDD読み込みで快適)オンライン対戦機能を新規追加。ギャラリーモード、BGM切替搭載。最初から全隠しキャラ使用可(オロチ除く)発売後に不具合修正アップデートを実施(特定チームがCPU戦に出現しない問題を修正)Code Mystics社が移植開発。家庭用NEOGEO版ベースにつき練習モードが未収録等の細かな差異あり

上記のように、セガサターン版とPlayStation版を比較するとセガサターン版の完成度が総じて高いことが分かります。他機種に比べアニメーションの滑らかさやレスポンスで優れており、「PS版よりもSS版が上」という評価は当時からゲーム雑誌等でも一致していました。
一方、PS版には「オロチが対戦で使える」「一部モーションの追加」といった独自要素も存在しますが、決定的な差とは言えず、総合的には“移植度重視ならセガサターン版、手軽さならPS版”という位置付けでした。また、2018年の「GLOBAL MATCH」版は現行ハードでオンライン対戦できる利点がありつつも練習モード省略など一長一短があるため、プレイヤーの目的によって最適なプラットフォームを選ぶと良いでしょう。

要点まとめ
日本限定のセガサターン版:北米・欧州では未発売(遊ぶには日本版を入手する必要)。日本版は通常版とRAMカートリッジ同梱版の2種。
他機種展開:NeoGeo(ROM/NeoGeo CD)やPlayStationでも発売(いずれも日本版)。後年、PS2やダウンロード配信で海外含め遊べる機会あり。
セガサターン版の出来栄え:拡張RAM1MBのおかげでほぼアーケード同等の再現度。ロード時間は7秒程度とあるが許容範囲。評価も「SS版がベスト移植」と高い。
PlayStation版との違い:PS版はアニメ削減や背景簡略化など若干の劣化あり。その代わりロードは比較的短く、ボスキャラ使用可能といった独自要素あり。
最新移植版:2018年の「KOF’97 GLOBAL MATCH」はオンライン対戦対応などメリット豊富。反面、練習モード未収録など細部の問題も指摘された。

評価・売上・コミュニティ動向

『THE KING OF FIGHTERS ’97』(以下、KOF’97)は、“オロチ編”の最後を飾る節目作としてシリーズ内で特別な位置づけにあります。アーケード稼働当時から高い注目を集め、後年の移植版も含めて「KOFという文化」を国内外に広げる役割を担いました。とりわけセガサターン(SS)版は完成度の高さで評価が定まり、PlayStation(PS)版は賛否が割れた——このコントラストが本作の評価史を象徴します。まずは雑誌評・売上の実数、そしてコミュニティでの“生きた人気”を手掛かりに、KOF’97がいかに遊ばれ続けてきたかを俯瞰します。

発売当時の評価

KOF’97はアーケード稼働時から高い人気を得ており、ゲーム雑誌『ゲーメスト』の読者投票では年間ベスト格闘ゲーム上位に入る評価を受けました(※参考:オロチ編完結を讃える声も多数)。家庭用セガサターン版についても専門誌で高評価を獲得しています。
セガサターンマガジン(日本・EMAP社)のレビューでは「前作’96の失望を払拭するシリーズ復活作。シリーズファン待望の素晴らしい出来」と評価され、91%のスコアが付けられました。このレビュアーはKOF’97を“グレイトゲーム”かつ“ファンタスティックなアップデート”と絶賛し、ゲーム内容・移植度ともに太鼓判を押しています。また海外のセガサターン雑誌でも「2D格闘ゲームの最高峰の一つ」と紹介され、特にアニメーションの滑らかさやキャラクターの豊富さが賞賛ポイントとなりました。

一方、PlayStation版の評価は賛否が分かれました。国内外のメディアから「ロード時間やグラフィック面でSS版に劣る」と指摘されており、ドイツのゲーム誌Consoles Newsは「PS版KOF’97はSNK格ゲーの中で最も最適化された移植だが、それでもセガサターン版には及ばない」と論評しています。またFun Generation誌(独)では「ビジュアル面の見劣りと長いロード、BGMの音質劣化」を酷評し、プレイ自体は楽しめるものの「真の格闘ゲーム好き向け」とかなり限定的な推奨に留まりました。
総合すると、家庭用移植に関してはセガサターン版が概ね最高評価を得ていたのに対し、PS版は及第点止まりという位置づけでした。

売上状況

セガサターン版KOF’97の販売実績は、発売初週で94,327本を売り上げる好調なスタートを記録しました。この数字は前作『KOF’96』の初週約10.9万本からは落ち込んだものの、当時のセガサターン市場規模を考えれば依然として上位クラスのヒットです。
累計販売本数は156,000本に達し、セガサターン全ソフトの歴代売上ランキングでも50位前後にランクインしています。
一方、PlayStation版KOF’97(1998年5月発売)は初週約54,000本、累計約160,000本と報じられ、こちらは後発ながら最終的にセガサターン版と同程度の売上を残しました。PS版は廉価版(1999年)などの再出荷もあったため、長期間で見れば若干上回った形です。

コミュニティ・その後の展開

KOF’97は以降のシリーズ作品や関連コンテンツにも大きな影響を与えました。翌年発売の『KOF’98』(いわゆるドリームマッチ編)は、本作までの反省点を踏まえてシステムを磨き上げ、歴代人気キャラを総登場させる内容で「シリーズ最高傑作」と称されます。
しかし一方で、「オロチ編までがKOF」という考えの古参プレイヤーも少なくないとも言われ、本作で一区切りついた物語への思い入れが強いファン層も存在します。とりわけ中華圏(中国)でのKOF’97人気は突出しており、「子供からお年寄りまで誰もが遊んだ」と言われ“国民的ゲーム”扱いされるほどです。中国では現在でもKOF’97の大会が開催されることがあり、2019年にはPS4/PS Vita向けに本作のみを収録したパッケージ版が限定発売された(※他地域では未発売)というエピソードもあります。この背景には「基板の中古流通でタイトルが広まった」「’98などに比べゲームバランスの穴が逆に実力差を埋めやすかった」等の要因があると分析されています。いずれにせよ、KOF’97は格闘ゲーム史に残る一作として国内外のコミュニティで語り継がれ、現在もリバイバル配信やファンイベントを通じてその熱気が受け継がれています。

項目数値・内容出典
初週売上本数(国内/SS版)94,327本ゲームデータ博物館 調べ(メディアクリエイト推定)
累計売上本数(国内/SS版)156,367本ゲームデータ博物館 調べ(~2004年)
累計売上本数(国内/PS版)160,124本ゲームデータ博物館 調べ
レビュー評価①セガサターンマガジン(日本):91点/100点「シリーズ復活の傑作。操作感・内容ともファン納得の出来」と絶賛
レビュー評価②Consoles+(仏)96%「2D対戦格闘の集大成。アニメーションとバランスが素晴らしい」
レビュー評価③Fun Generation(独)「PS版はロード長&画質難あり。音楽もシリーズ最低。硬派ファン向け」
要点まとめ
セガサターン版の初動は好調:初週約9.4万本を売り上げ、累計約15.6万本に到達。PS版も累計16万本超で、両機種ともファン層に行き渡った。
批評家から高評価:SS版は専門誌で軒並み高評価(SSM91点等)。移植度・内容ともに賞賛され、「シリーズ最高峰」との呼び声も。PS版は良移植との声もあるが「SS版に一歩劣る」との指摘多数。
オロチ編完結の満足感:物語の締めくくりが好評で、1UPやKotakuなど海外メディアもストーリー面を称賛。オロチキャラの狂気的演出も話題に。
コミュニティの熱狂:日本では「KOF=オロチ編」派の根強い支持。特に中国でのKOF’97人気は伝説的で、未だに大会や配信視聴者数で驚異的な記録を持つ。
後続作品への影響:続編のKOF’98で本作の要素がさらに洗練され、KOF’97自体も後年「GLOBAL MATCH」として蘇るなど、その遺産は色褪せていない。

攻略の入口(最初の3時間の指針)

初心者から上級者まで、それぞれのプレイスタイルや経験に応じて効果的な序盤の進め方があります。ここではプレイヤー層ごとに、セガサターン版KOF’97を最初の数時間で楽しむためのアドバイスを紹介します。

初心者向け攻略ポイント

操作に慣れる:まずは操作に慣れることが第一歩です。セガサターン版にはプラクティス(練習)モードが用意されているので、対戦に入る前に基本操作をここで確認しましょう。練習モードでは相手の反撃を気にせず技の出し方やコンボの練習ができます。特に必殺技コマンド(例:↓↘→+パンチで波動拳系)を安定して出せるよう反復練習すると良いでしょう。

キャラ選び:初心者には、扱いやすいキャラクターを選ぶことが攻略の近道です。具体的には技のリーチが長めで癖の少ないキャラ(例:リョウ・サカザキやテリー・ボガード、京など)がオススメです。これらのキャラは飛び道具や対空技を持ち、遠近どちらにも対応しやすいため初めてでも戦いやすい傾向があります。逆にクセの強いキャラ(チャムチャムのような特殊操作キャラはKOF’97にはいませんが…)や設置技が多いテクニカルなキャラは、最初は避けた方が無難です。

ゲームモード設定:最初のうちは難易度を「EASY」に設定してゲームを始めましょう。オプションでCPUの強さを下げておけば、序盤から極端に行き詰まることが減り、ゲームの流れを掴みやすくなります。またADVANCEDモードとEXTRAモードは、自分に合う方を試してみてください。初心者にはADVANCEDモードの方がおすすめです。ゲージを溜める手間が無く、自動でストックが貯まるため超必殺技を狙いやすく、前転回避も使いやすいからです。EXTRAモードはゲージ手動チャージが難しく感じるかもしれませんので、慣れてから挑戦すると良いでしょう。

CPU戦のコツ:アーケードモード(シングルプレイ)では、徐々にCPUが強くなっていきます。序盤ステージはジャンプ攻撃からの連打でゴリ押しし、中盤からは相手の動きをよく見てガードも織り交ぜるように意識しましょう。特に飛び込み→しゃがみ弱キック→弱パンチ連打などの基本コンボは、多くのキャラで有効です。困ったときは遠距離で飛び道具(京の大蛇薙やテリーのパワーウェーブ等)を撃ち、安全に攻める戦法もありです。ただし連発しすぎると飛び込みを狙われるので、適度に。ラストのオロチ戦では、無理に攻めず待ちの姿勢で相手の大技後の硬直を狙うのが攻略ポイントになります。

久しぶりのプレイヤーへのアドバイス

前作までとの違いを把握:KOF’95や’96以来に復帰するプレイヤーは、まずシステム面の変更点を押さえましょう。特にADVANCED/EXTRAのゲージシステム選択は’97独自の要素なので、前項を参考にどちらで行くか決めてください。従来のチャージ式に慣れているならEXTRA、’96のゲージ自動増加に慣れているならADVANCEDがしっくり来るはずです。また、新キャラクターとしてニューフェイスチームオロチ化キャラが追加されている点も要チェックです。お気に入りキャラにオロチ版がある場合、ぜひ一度使って性能を確かめてみましょう(例:オロチ庵は通常の庵と技性質がかなり異なります)。

ブランクを埋める:久々のプレイで感覚が鈍っている場合は、最初の1時間程度をリハビリに充てるのがおすすめです。練習モードやVSモード(CPU戦でもOK)で、得意だったコンボや立ち回りを思い出しましょう。KOFシリーズはショートジャンプ(素早く弱攻撃を当てる小ジャンプ攻撃)や緊急回避など、独特のテクニックが多いので、昔できていた動きができるか一通り試してみると良いリフレッシュになります。

攻略チャート再考:復帰組とはいえ、物語を改めて追いたい人もいるでしょう。本作はストーリーが重要な位置を占めるため、主人公チーム(京・紅丸・大門)でクリアしてエンディングを見るのがおすすめです。まずノーコンティニューで進め、エンディングを目指してみましょう(途中コンティニューするとエンディングが変化するので注意)。それが達成できたら、今度は他の好きなチームでもクリアして各エンディングを楽しんでみてください。特に餓狼チームや新設のスペシャルチーム(山崎・マリー・ビリー)のエンディングはファンサービス的内容で必見です。

コアプレイヤーへの挑戦

高難度に挑む:既に腕に覚えのあるコアゲーマーは、ゲーム難易度をMAX(LEVEL-8)に上げてチャレンジしてみましょう。CPUの反応速度が飛躍的に上がり、オロチ戦もまさに死闘となります。ノーコンティニュークリアは骨が折れますが、自分のテクニックを磨く良い試練になります。特にゲーメスト技(※当時の高等テクニックの俗称)とも呼ばれる空中ガード不能技への割り込みや、カウンターモード活用など、高度なテクニックを駆使しないと太刀打ちできない場面もあるでしょう。技を駆使し、全クリできた時の達成感は格別です。

隠し要素コンプリート:コア層ならではの楽しみとして、本作の隠しキャラクター・隠し要素をすべて体験することがあります。KOF’97では通常プレイでは使えないオロチチーム(オロチ社/シェルミー/クリス)やオロチ(ラスボス)、さらに草薙京’94Ver.や八神庵(通常版)などが隠しキャラとして存在します。セガサターン版では隠しコマンド入力でこれらのキャラが使用可能(オロチのみ練習専用)ですので、ぜひ全キャラを触ってみてください。特にオロチ社らは通常キャラと必殺技性能が大きく異なり、新鮮な戦略で楽しめます。

タイムアタック・スコアアタック:対戦だけが格闘ゲームの醍醐味ではありません。CPU戦で最速クリアハイスコアを狙うのもやり込み要素の一つです。例えば特定の高威力コンボ(例:オロチ八傑集チームを相手に、MAX発動から超必殺技フィニッシュを狙うなど)でボーナスを狙ったり、被弾ゼロのパーフェクト勝利を重ねることでスコアを極限まで伸ばす挑戦ができます。また、セガサターン版は家庭用移植ならではの2人協力プレイ(VSモードでタッグを組み交互にCPU戦)も可能です。友人と一緒にチームを組んでCPUトーナメントに挑み、高難易度クリアを目指すのもコアゲーマーならではの遊び方と言えます。

セガサターン版にはトロフィーはありませんが、現行機版の“トロフィー/実績”はKOF’97の到達目標を整理できます。チーム別クリア/ノーコン/高難度攻略/隠し要素回収など、SS版のやり込み設計に直結するので、まずは全体像を押さえてから進めましょう。→ 関連:KOF’97 トロフィー・実績一覧(やり込み目標の全体像と効率的な取り方)

要点まとめ
初心者:まずは練習モードで操作確認。扱いやすいキャラでチーム編成し、難易度イージーから開始。ADVANCEDモードがおすすめ。基本戦術(ジャンプ攻撃→連打コンボ)で序盤を突破し、徐々にガードや待ちも活用する。
復帰勢:’95/’96とのシステム差(ゲージや新キャラ)を把握。ブランクがあれば1時間程度のリハビリ戦を。主人公チームで真エンドを見るなど、まずはオロチ編完結を堪能すると良い。
上級者:最高難易度ノーコンテストクリアに挑戦し腕試し。隠しキャラ全開放で全キャラ使用を目指す(オロチ含むオロチチームの性能差を楽しむ)。タイムアタックやスコアアタックでやり込み深化も◎。
共通:どの層でも、セガサターン版の高移植度と追加モードを活かし、自分のペースで練習・挑戦を繰り返すことが攻略の近道。ゲームに慣れたら難易度を上げたり様々なチームでプレイし、KOF’97の奥深さを味わおう。

総括

セガサターン版『THE KING OF FIGHTERS ’97』は、オロチ編3部作の有終の美を飾るタイトルとして、物語・ゲーム内容ともにシリーズファンの期待に応えた一作です。拡張RAMカートリッジ対応によるアーケード級の再現度や、追加要素のギャラリーモードなど、家庭用ならではの楽しみも用意され、当時としては家庭でKOFの最新作を遊べる贅沢を味わえました。格闘ゲームとしての完成度も高く、後年の評価では「シリーズ屈指の名作」と位置付ける声も少なくありません。

誰にオススメか:まず、KOFシリーズやSNK格闘ゲームのファンには間違いなくおすすめできます。オロチ編ストーリーの完結を見届けるには欠かせない作品であり、プレイすることでキャラクターや世界観への理解も深まるでしょう。また、レトロゲーム愛好家2Dドット格闘の魅力を味わいたい方にも、このセガサターン版KOF’97は打ってつけです。高精細なドット絵アニメーションや迫力の演出など、90年代格ゲー黄金期のエッセンスが詰まっています。

プレイ環境とベストプラットフォーム:もし当時の実機環境があるなら、セガサターン版は最有力の選択肢です。ただし拡張RAMカートリッジ(1MB)が必須なので入手をお忘れなく。現行環境で手軽に遊びたい場合は、2018年配信の「KOF’97 GLOBAL MATCH」(PS4/Steam他)がおすすめです。オンライン対戦や現代的な快適さを得られます。ただし練習モードが無いなど一部機能差があるため、ストーリーやオフライン対戦主体ならセガサターン版、対人戦メインならGLOBAL MATCH版といった選び分けが良いでしょう。

注意点海外の方向けになりますが、セガサターン版は日本語表示オンリーで海外版が存在しないため、ストーリーを理解するには日本語の知識が必要です(ただし対戦するだけなら言語の壁は低いです)。また、当時のゲームゆえ高度なチュートリアルはなく、現代の格闘ゲームに慣れた人には不親切に感じる部分もあります。しかし、そうした硬派なゲームデザインも本作の味わいの一つです。自分で試行錯誤し攻略法を見つけていく過程に、格闘ゲーム本来の楽しさが宿っています。

最後に、本作はオロチ編の完結作として極めて満足度の高い内容を持っています。印象的なストーリー演出と多数の人気キャラクター、そして熱い対戦バトルが織りなすKOFワールドは、25年以上経った今でも色褪せません。もし未プレイであればぜひ一度体験してみてください。きっと、オロチ編を締めくくる熱狂と感動を味わえることでしょう。

FAQ

  • Q1: セガサターン版『KOF’97』は海外でも発売されたのですか?
    A1: いいえ、セガサターン版KOF’97は日本国内限定で発売されました。北米や欧州ではリリースがなく、遊ぶ場合は日本版ソフトと対応ハードが必要です。ただし、PS版KOF’97も海外未発売だったため、当時海外ファンはNeoGeo版や後年の移植版でプレイする形となりました。
  • Q2: セガサターン版を遊ぶために必要なものは何ですか?
    A2: セガサターン本体の他に、拡張RAMカートリッジ(1MB)が必要です。KOF’97は拡張RAM対応ソフトで、このカートリッジを本体スロットに挿すことでゲームが正しく動作します。なお1MB専用ですが4MBカートリッジでも代用可能です。また、セーブデータを残す場合は本体内蔵メモリかパワーメモリカートリッジが必要になります。
  • Q3: KOF’97とKOF’98の違いは何ですか?
    A3: KOF’97はオロチ編ストーリーの完結編であり、シリーズ初期の物語に一区切りをつける作品です。一方KOF’98は「ドリームマッチ」と呼ばれ、ストーリーを排したお祭り的作品となっています。ゲームシステム的には’97で完成された部分をベースに’98でバランス調整とキャラクター追加が行われています。簡単に言えば、’97は物語重視、’98は対戦バランス重視の違いがあります。
  • Q4: 『KOF’97』の隠しキャラクターはどうやって出すのですか?
    A4: セガサターン版KOF’97では、いくつかの隠しキャラが使用可能です。使用可能にする方法は特定のコマンド入力です。例えば、オロチチーム(社・シェルミー・クリスのオロチ化)はキャラ選択画面でそれぞれの通常版キャラにカーソルを合わせて特定のボタン操作をすると選択可能になります。また草薙京’94Ver.八神庵(通常版)も隠しキャラ扱いです。詳細なコマンドはマニュアルや攻略サイトに記載されていますので参照してください(ラスボスのオロチだけは練習モード限定で使用可)。なお、2018年の「GLOBAL MATCH」版では最初から隠しキャラが解放済みとなっています。
  • Q5: セガサターン版とPlayStation版、どちらを遊ぶのがおすすめ?
    A5: こだわり派にはセガサターン版をおすすめします。拡張RAM対応によりアーケード版の再現度が高く、動作も滑らかで快適です。一方、手軽さを求めるならPlayStation版も一つの選択肢です。ロード時間が多少短めでコントローラ環境など整えやすい利点があります。ただしPS版はグラフィックや演出が簡略化されており、総合的な完成度ではSS版に軍配が上がります。現在であれば、SS実機を持っているならSS版、無い場合はPS2の『KOFオロチ編』(ネオジオROM版収録)や現行機の配信版でプレイするのも良いでしょう。また実績などがある現行機版が今ではオススメとなります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA