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機種 | ファミコン |
発売元 | スクウェア |
発売日 | 1990年4月27日 |
価格 | 9,240円 |
ジャンル | RPG |
ファイナルファンタジーシリーズとしてファミコン最後の作品となった『ファイナルファンタジーIII』(以下FF3)は、1988年4月27日に、にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された、ファイナルファンタジーシリーズの第3作目の作品です。
1990年(ソフト一覧記事)は他に、エニックスで発売された『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』や、任天堂の大ヒットシリーズとなるファイアーエムブレム第一作品『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』等の大ヒット作品に囲まれながらも、『ファイナルファンタジーIII』は140万本売り上げる大ヒットとなります。
【FF3の特徴】
ジョブシステムが初登場したのも今作が初であり、前作からの大幅なシステムの向上が図られています。
下記は主にFF3の特徴的な点です。
- ジョブチェンジシステム: 戦士や魔道士などのジョブを自由に変更可能で、ゲーム攻略に合わせた柔軟な戦略が楽しめる。
- 召喚魔法: 初めて召喚魔法を導入し、攻撃や回復など多様な効果を持つ召喚獣を呼び出せる。
- 戦闘システム: ターン制で、オートターゲット機能やポップアップ式ダメージ表示など新たな要素が追加された。
- 世界設定: 2つのワールドマップを行き来できる広大な世界。
- 高難易度: ラストダンジョンは特に難易度が高く、戦略的なプレイが必要。
ストーリー
『ファイナルファンタジーIII』の物語は、突如として発生した大地震により、世界の光の源であるクリスタルが地中に引きずり込まれ、闇の魔物が解き放たれるところから始まります。
辺境の村ウルの近くに住む4人の少年は、大地震でできた洞窟を探検する中で、風のクリスタルに遭遇します。
クリスタルからの啓示を受け、彼らは「光の戦士」として世界を救う使命を担うことになります。
物語の舞台は、ストーリー前半の『浮遊大陸』と後半の『地上世界』に分かれ、4人の少年たちは光の戦士として様々な町やダンジョンを巡り、世界の光と闇の均衡を取り戻すために戦います。
システム
本作の最も特徴的なシステムは「ジョブチェンジ」で、プレイヤーキャラクターの職業を自由に変更し、戦士や魔道士などさまざまな役割に切り替えられる。
各ジョブには熟練度があり、戦闘経験を重ねることで能力が向上するため、戦略的なジョブ選択が求められます。特に、ゲーム内で特定のジョブでなければ攻略が難しい場面があるため、状況に合わせたジョブチェンジが鍵となります。
戦闘システムには「オートターゲット(戦闘中にコマンド入力後に対象の敵が撃破された場合、残りの敵からランダムに新たなターゲットを自動選択する)」や「ポップアップ式ダメージ表示」などの新機能が追加され、テンポ良く、そして視覚的にも分かりやすいバトルが展開されるようになっています。
また、初登場の「召喚魔法」は、攻撃・回復・補助の効果を持つ召喚獣を呼び出すもので、以降のシリーズ作品でも定番となる。召喚魔法には「白」「黒」「合体」の3つの効果があり、ジョブに応じて異なる効果を発揮する。
ジョブチェンジシステム
FF3のジョブチェンジシステムは、従来のFF1のクラスチェンジシステムをさらに発展させたものです。
プレイヤーはシナリオ進行に合わせて、クリスタルの力を借りて多様なジョブへと変更でき、その自由度が戦略的な面白さを提供します。
このシステムの導入により、プレイヤーはストーリーに応じて適切なジョブを選択し、装備品やアビリティを活用しながら効率的に攻略を進めることが可能になりました。
ただし、ジョブチェンジにはキャパシティポイントが必要であり、ジョブ間の転職の際には計画的に熟練度の高いジョブを経由するなどの工夫が求められます。
FF3ではキャラクターの成長に伴い、戦士系ならナイトから忍者へ、魔道師系なら導師から賢者へといったように、ジョブのアップグレードを行えます。
また、戦士型と魔道師型、善と悪の2軸でジョブが分けられ、個々のジョブはそれぞれ独自のコマンドを持っているため、組み合わせ次第で多様なパーティ編成が可能です。
ジョブチェンジの概念や召喚獣の導入、さらに自由度の高いパーティ編成が可能なジョブシステムによって、FF3はシリーズの基礎を築いた作品とされています。
ジョブ一覧
初期
ジョブ名 | 説明 | 特徴/アビリティ/装備 |
---|---|---|
たまねぎ剣士 | 主人公の初期状態のジョブ。最高レベル近くになるまで成長しにくいが、レベル99で全能力が最大に。 | 固有アビリティなし。装備可能な武器: 剣・短剣・弓。 |
風のクリスタル
ジョブ名 | 説明 | 特徴/アビリティ/装備 |
---|---|---|
戦士 | 力・すばやさが高い戦士系の基本ジョブ。 | 固有アビリティなし。装備可能な武器: 剣・短剣・弓。 |
モンク | 素手での攻撃が得意。レベル18から素手攻撃が武器攻撃を上回る。 | 装備可能な武器: 棍。 |
白魔道師 | クラス7までの「白魔法」を扱うジョブ。 | 装備可能な武器: 杖・ロッド。 |
黒魔道師 | クラス7までの「黒魔法」を扱うジョブ。 | 装備可能な武器: ロッド・短剣・弓。 |
赤魔道師 | クラス4までの「白魔法」「黒魔法」を使うことができる万能ジョブ。 | 装備可能な武器: 剣・短剣・ロッド・杖。 |
火のクリスタル
ジョブ名 | 説明 | 特徴/アビリティ/装備 |
---|---|---|
狩人 | 弓矢を扱う。クラス3以下の白魔法も使える。 | 装備可能な武器: 弓と矢。 |
ナイト | 戦士の上級ジョブ。他メンバーの庇護特性がある。 | 装備可能な武器: 剣・短剣・投擲武器。 |
シーフ | アイテムを盗む「ぬすむ」、逃げる「とんずら」など。 | 装備可能な武器: 短剣・投擲武器。 |
学者 | 敵のHPや弱点を知る「しらべる」「みやぶる」。 | 装備可能な武器: 本。 |
水のクリスタル
ジョブ名 | 説明 | 特徴/アビリティ/装備 |
---|---|---|
風水師 | 自然の力で攻撃する「ちけい」。 | 装備可能な武器: ベル。 |
竜騎士 | 槍を扱い、ジャンプ攻撃の「ジャンプ」を持つ。 | 装備可能な武器: 槍。 |
バイキング | 雷属性武器で海系敵に強い戦士。 | 装備可能な武器: 斧・槌。 |
空手家 | モンクの上級ジョブで「ためる」を使う。 | 装備可能な武器: 爪。 |
魔剣士 | 暗黒剣などを扱う戦士。 | 装備可能な武器: 暗黒剣、投擲武器。 |
幻術師 | 召喚魔法を使う。 | 装備可能な武器: ロッド。 |
吟遊詩人 | 「うたう」「おどかす」「おうえん」などの特殊アビリティ。 | 装備可能な武器: 竪琴。 |
土のクリスタル
ジョブ名 | 説明 | 特徴/アビリティ/装備 |
---|---|---|
魔人 | 黒魔道師の上級ジョブで、すべての「黒魔法」を使える。 | 装備可能な武器: ロッド。 |
導師 | 白魔道師の上級ジョブで、すべての「白魔法」を使える。 | 装備可能な武器: 杖・ロッド。 |
魔界幻士 | 幻術師の上級ジョブで、より強力な召喚獣を使う。 | 装備可能な武器: ロッド。 |
禁断の地「エウレカ」
ジョブ名 | 説明 | 特徴/アビリティ/装備 |
---|---|---|
賢者 | 白・黒・召喚魔法を使える最強ジョブ。 | 装備可能な武器: 杖・ロッド・本・短剣。 |
忍者 | しゅりけんを扱える最強ジョブ。 | 装備可能な武器: 全ての武器・防具(オニオン系除く)。 |
召喚魔法
「ファイナルファンタジーIII」で導入された召喚獣は、プレイヤーが戦闘中に呼び出してサポートを得るキャラクターで、シリーズ全体にわたって重要な要素となっています。
特に「バハムート」や「オーディン」などの代表的な召喚獣は、以降のシリーズでも繰り返し登場し、プレイヤーからの人気が高いキャラクターです。
召喚魔法は「敵全体への大ダメージ」や「弱体化」など強力な効果を持つものが多く、召喚獣は、シリーズを代表するキャラクターとして以後も進化し続け、多彩な設定や役割を持ちながらプレイヤーをサポートしています。
召喚魔法一覧
召喚魔法の効果には「白」「黒」「合体」の3種類があり、ジョブによって発動する効果が違います。
クラス | 召喚魔法の名前 | 買値 | 売値 | 呼び出される召喚獣 | 白の効果 | 黒の効果 | 合体の効果 | 使用できるジョブ | 入手場所 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | エスケプ | 100 | 50 | チョコボ | 戦闘から逃走する | 効果なし | 敵単体に無属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)レプリト、ドーガの村 |
2 | アイスン | 7000 | 350 | シヴァ | 敵全体を眠らせる | 敵単体に無属性ダメージ | 敵全体に氷属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)レプリト、ドーガの村 |
3 | スパルク | 7000 | 750 | ラムウ | 敵全体をマヒさせる | 敵単体に雷属性ダメージ | 敵全体に雷属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)レプリト、ドーガの村 |
4 | ヒートラ | 7000 | 1500 | イフリート | 味方全体のHP回復 | 敵単体に炎属性ダメージ | 敵全体に炎属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)レプリト、ドーガの村 |
5 | ハイパ | 7000 | 2500 | タイタン | 敵単体に無属性ダメージ | 敵単体に無属性ダメージ | 敵全体に地属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)レプリト、ドーガの村 |
6 | カタスト | 40000 | 22500 | オーディン | 味方全体にリフレク | 敵単体に無属性ダメージ | 敵全体を即死させる | 幻術師、賢者 | (店)エウレカ、(宝)サロニア地下迷宮 |
7 | リバイア | 50000 | 27500 | リバイアサン | 敵全体を石化させる | 敵全体に風属性ダメージ | 敵全体に雷属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)エウレカ、(宝)ドールの湖 |
8 | バハムル | 60000 | 32500 | バハムート | 味方全体の攻撃回数上昇 | 敵単体を即死させる | 敵全体に無属性ダメージ | 幻術師、賢者 | (店)エウレカ、(宝)バハムートの洞窟 |
評価
ファイナルファンタジーIII(FFIII)は、ファミコン時代にリリースされ、FFシリーズを国民的なRPGタイトルへと押し上げた名作とされています。
本作では、ジョブシステムや戦闘システムの自由度の高さ、壮大なスケールのシナリオ、そして「悠久の風」などの名曲が多くのプレイヤーを魅了しました。
バグやジョブ間のバランスに課題はあったものの、グラフィックの美しさとゲームバランスで多くのファンを獲得し、シリーズ初のミリオンヒットを達成しています。
【ゲームの内容とシステム】
多くのプレイヤーは、本作のジョブシステムに高い評価を寄せています。プレイヤーはジョブを変更し、様々な戦略を楽しむことができる点が多くの支持を得ています。特に「たまねぎ剣士」や「忍者」、「賢者」などのジョブが特徴的で、それぞれの特性に合わせて戦略を立てることがプレイの醍醐味となっています。
ジョブバランスに多少の偏りはあるものの、ジョブシステムによって特定の敵に対抗するためにジョブチェンジが求められることもあるものの、システム全体としての戦略的要素は非常に高いとされています。
【ストーリーと世界観】
ストーリーは一見複雑で頭に残りにくいというユーザーからの指摘もあるものの、ファンタジー性に富んだ広大な世界が冒険をより魅力的にしています。
「浮遊大陸の外に広がる世界が見えた時の驚きと感動」は、まさにファンタジーの世界に没入する感覚を与えてくれたと言えます。
曲も「悠久の風」を含め、「クリスタルタワー」などの曲が世界観を一層高めてくれており、その音楽も本作の魅力の一つであるといえます。
【難易度とダンジョン】
FFIIIは、特にラストダンジョンの難易度が高く、多くのプレイヤーが試行錯誤を繰り返しながらクリアを目指しています。
特にファミコン版はセーブポイントが少ないために厳しい戦いが続くことを指摘しつつも、その挑戦のしがいがはファミコン版随一と言っていいのではないでしょうか。
【総評】
ジョブチェンジシステムや自由度の高さ、広大な世界観、音楽の素晴らしさなど、ファミコン時代のゲームながらも、ファイナルファンタジーシリーズの基盤を築いたと言える名作です。
バグやシステムバランスなどの厳しい評価もあるものの、それも含めて当時のプレイヤーを魅了した点が多かったことは明白です。
シリーズの歴史を知る上で、ファイナルファンタジーIIIは欠かせない作品であると言えるでしょう。