【チェンソーマン】チェンソーマンはどんな物語か(ネタバレ控えめの全体像)
2025.11.18投稿
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『チェンソーマン』は、藤本タツキによるダークファンタジー色の強いバトル漫画で、現在は 第1部「公安編」/第2部「学園編」 という二部構成で展開されています。第1部は『週刊少年ジャンプ』、第2部は『少年ジャンプ+(公式ホームページ)』で連載されており、2025年10月時点で累計発行部数は 3,100万部超 を記録する人気作です。
物語の舞台は、「ソ連がまだ存在している」「歴史上の出来事にいくつか欠落がある」など、現実とは少しだけズレた 1990年代風の日本 によく似た世界です。この世界では、「人間が抱く恐怖のイメージから悪魔が生まれる」というルールが存在します。たとえば「銃が怖い」という感情が強ければ強いほど、「銃の悪魔」はより凶悪で強力な存在になります。同様に「戦争が怖い」という集合的な恐怖からは「戦争の悪魔」が生まれる、といった仕組みです。
悪魔は人間社会に深刻な被害をもたらす存在であり、それに対抗するための公的組織が 公安対魔特異課(いわゆるデビルハンター組織) です。人間は悪魔と契約を結び、自分の身体の一部や寿命など何かを代償として支払うことで、その悪魔の力を一部だけ借りることができます。
また、この世界にはいくつかの「悪魔の形態」が存在します。
- 死亡した人間の死体に悪魔が宿った存在 … 魔人(フィーンド)
- 人間と悪魔が融合し、人としての意識を保ちながら変身能力などを得た存在 … ハイブリッド
悪魔たちは「地獄」と「現世」のあいだを、死と再出現を繰り返しながら行き来していますが、その中でも チェンソーの悪魔だけは特殊な例外 とされています。チェンソーの悪魔は、「自分が“食べた”悪魔に関する概念そのものを世界から消してしまう」力を持っており、この能力が物語の根幹に関わる重要な設定になっています。
デンジとポチタの出会いと「チェンソーマン」誕生までの物語

主人公は、極貧生活を送る少年 デンジ。
父親が残した多額の借金を背負わされ、片目や内臓まで売って返済に充てるような生活を送っています。
彼の唯一の相棒が、チェンソーの鼻を持つ小さな悪魔 ポチタ です。デンジはポチタと力を合わせ、ヤクザの下請けとして悪魔退治の仕事をこなしながら、なんとかその日暮らしを続けています。
しかしある日、ヤクザが「ゾンビの悪魔」と契約したことでデンジは裏切られ、殺されてしまいます。
瀕死の中でポチタは、自身の存在と引き換えにデンジの心臓となる契約を結び、「普通の暮らしをしてほしい」という願いを残して、デンジを 「チェンソーマン」 へと生まれ変わらせます。デンジは胸のコードを引くことで、頭と両腕からチェンソーが生えた凶悪な姿へと変身し、常人離れした再生能力と破壊力を得ます。その力でゾンビの悪魔とヤクザたちを一掃し、ここから物語は大きく動き始めます。
そこでデンジの前に現れるのが、内閣直属のデビルハンター組織・公安対魔特異課に所属する女性「マキマ 」です。マキマはデンジの力に強い興味を示し、「公安の『飼い犬』として働くか」「従わなければ殺されるか」という二択を突きつけ、デンジを半ば強制的に公安に引き入れます。
この時点でのデンジの夢は、『毎日三食ちゃんと食べる』『普通の部屋で寝る』『女の子とイチャイチャする』といった、かなりささやかで俗っぽいものばかりです。そんな「等身大すぎる欲望」を抱えたまま、彼はプロのデビルハンターとしての生活をスタートさせます。
デンジ・アキ・パワーの奇妙な共同生活と“疑似家族”感

デンジ・アキ・パワーの3人が一緒に暮らすことになるのは、マキマの命令がきっかけです。
もともと早川アキは一人暮らしで、静かで整った生活を送っていましたが、そこへいきなり常識ゼロの問題児デンジと、さらに輪をかけて破天荒な魔人パワーが転がり込んでくる、という形で共同生活が始まります。作中でもアキがマキマに「なんで俺の家にヤバい奴ばかり集めるんですか」とこぼすシーンがあり、最初からうまくいくはずもないスタートだったことが強調されています。
3人が暮らす早川家は、アキが元々住んでいた住居に、デンジとパワーが加わった形です。
描写から、リビング・キッチン・風呂・トイレ・各メンバーの個室があるそこそこ広めのマンションで、単なる安アパートというより「ちゃんとした家」といった印象の間取りになっています。リビングで3人がそろってテレビを見たり、食事をしたりするシーンが多く、ここが物語の“日常パート”の中心舞台になっています。
アキは、家族を悪魔に殺された過去を持つ冷静でストイックな青年デビルハンターです。
黒スーツに一つ結びの髪型というきっちりした見た目通り、生活面でも掃除・洗濯・炊事などをきちんとこなすタイプで、共同生活が始まると自然と家事の大半を引き受ける“お父さんorお兄ちゃん”ポジションになります。
アニメ第2話では、トイレットペーパーを替えないデンジに対してアキが説教する“日常あるある”のシーンが追加されており、他人と暮らすストレスと、それでも見捨てない優しさがコミカルに描かれています。また、デンジと殴り合いのケンカになったときも、アキは急所を狙わず、派手に見えて実は“手加減している”描写があり、口では「ウザい」と言いつつもちゃんとデンジを気遣っていることが伝わります。
原作・設定資料でも、デンジと一緒に任務をこなしたり暮らしたりするうちに、アキはデンジを“うるさいが大切な友人”として見るようになっていったと記されており、彼らの関係が職場の同僚から疑似兄弟のようなものへ変化していく過程がうかがえます。
一方で、パワーは猫・ニャーコ(メウィー)への強い愛情を持っており、デンジが彼女のために命がけでニャーコを救おうとしたことで、デンジへの信頼が一気に芽生えます。その後も、3人で北海道旅行に行く際には、ニャーコを岸辺に預けて出かけるなど、“家族+ペット”としての早川家が描かれるエピソードもあります。
特にパワーとは、序盤こそ「胸を揉ませろ」みたいな下心全開の関係ですが、ある一件を境にデンジが彼女を完全に恋愛対象ではなく“家族・相棒”として見るようになる描写があり、その後は同じ部屋で寝たり、風呂場で騒いだりと、性別を気にしない兄妹のような距離感になっていきます。
世界を揺るがす「銃の悪魔」と公安編の主要エピソード
デンジたちのドタバタな共同生活の“裏側”で、物語全体の空気をじわじわと重くしていく存在が、世界規模の脅威 「銃の悪魔(ガンデビル)」 です。
銃の悪魔は、他の悪魔と同じく「人間の恐怖」が形になった存在ですが、その元になっているのは文字どおり銃への恐怖。世界各地で銃を使ったテロや内乱が連発し、人々の「銃こわい」という感情がピークに達した結果、1984年11月18日、アメリカで“銃の悪魔”が出現した——というのが作中で語られる経緯です。
登場シーンのインパクトも桁違いで、銃の悪魔はわずか数分のうちに世界各地を高速で移動しながら都市を薙ぎ払い、合計およそ120万人前後の人間を殺したとされています。コマには「◯秒で◯人死亡」といった箇条書きの“犠牲者リスト”が延々と並び、読者に「これがこの世界でどれほど異常で、忘れようのない事件だったか」を叩きつけるような見せ方がされています。
「銃の悪魔の肉片」と公安の長期計画
銃の悪魔は、現在では本体がバラバラに分割され、各国や一部の悪魔の体内に“肉片”として存在していると説明されます。日本政府もその一部を保有しており、公安はこの「肉片(フレッシュ)」を手掛かりに銃の悪魔を追跡する長期計画を進めています。
作中で明かされるルールはざっくり以下のようなものです。
- 銃の悪魔の肉片を食べた悪魔は、力が大きく増幅する
- それらの肉片同士は磁石のように引き合い、集まれば集まるほど“本体”の位置を指し示す精度が上がる
- 公安は、任務を通じて悪魔を討伐しながら、体内にあった肉片を回収 → まとめて保管 → 方角を特定というサイクルを回している
この設定があるおかげで、「一見ただの悪魔退治ミッション」に見えるエピソードが、実は銃の悪魔捜索の一部だった、という裏の意味を持つことになります。永遠の悪魔のホテル任務でも、実は「銃の悪魔の肉片を食べた悪魔を追っていた」という背景が語られます。
さらに、世界情勢的には「各国が銃の悪魔のパーツを“兵器”として利用している」「銃の流通は国際条約で厳しく規制されているが、裏では各国が抜け道を使って武器をばらまいている」といった政治的な話も示唆され、ホラー・バトル漫画でありながら、冷戦期っぽい軍拡競争の影がにじむ世界観になっています。
銃の悪魔は、第1部「公安編」のかなり序盤——マキマがデンジに世界の被害状況を見せるくだりから、“いずれ必ず向き合わなければならない最終目標”として読者の頭に居座り続ける存在です。長くにらみをきかせるラスボス的ポジションであり、「いつ出てくるのか」「本当に倒せるのか」という不安が作品全体の緊張感を底上げしています。
第1部「公安編」主なエピソード

公安編の中でも特に人気の高いのが、「コウモリの悪魔編」/「永遠の悪魔編」/「刀の悪魔編(サムライソード編)」の3つの章です。
デンジたちの関係性が一気に深まるきっかけになったり、作品のダークさ・ギャグ・バトル要素がフルスロットルで描かれたりと、どれも『チェンソーマン』という作品の「らしさ」をギュッと凝縮した内容になっています。
| エピソード名 | 概要 | 主な出来事・キーイベント | 見どころ・特徴 |
| 蝙蝠の悪魔編 (バットデビル編) |
序盤を代表するバトル&ラブコメ混成エピソード。 パワーに「さらわれた愛猫メウィー(ニャーコ)を助けてほしい」と頼まれたデンジが、 見返りとして「助けてくれたら胸を揉ませてやる」という俗っぽい約束に釣られて動き出す。 |
・パワーが猫を取り戻すため、デンジを蝙蝠の悪魔への「エサ」として差し出し、一度裏切る ・蝙蝠の悪魔との激戦の末、デンジが猫もパワー自身もまとめて救い出す ・この出来事をきっかけに、パワーがデンジを見直し、のちの共同生活(早川家)につながる重要な転機となる |
・グロテスクなバトルと下ネタまじりのラブコメが同居する、チェンソーマンらしいカオスなノリ ・パワーの過去や、猫・メウィーへの深い愛情が描かれ、単なるギャグ要員ではない一面が見える ・「この作品はこういうテンションの物語なんだ」と読者に強く印象づける序盤の看板回 |
| 永遠の悪魔編 (エタニティデビル編) |
ホテル8階に閉じ込められる閉鎖空間ホラー回。 デンジ・アキ・パワーに加え、姫野・コベニ・荒井の6人チームが、 「銃の悪魔の肉片を食べた悪魔」を追って地方のホテルを調査するところから始まる。 |
・ターゲットの永遠の悪魔の能力により、ホテルの8階から一切出られないループ空間に閉じ込められる ┗ 階段を上っても下りても8階、窓から出ても8階、時間も止まり精神が削られていく ・永遠の悪魔が「デンジを殺して差し出せば解放する」と条件を提示し、 メンバーは「仲間を差し出すか、自分たちが壊れるか」の極限状態に追い込まれる ・デンジは「どうせ死ぬなら悪魔がギブアップするまでいたぶる」と逆ギレし、 自ら永遠の悪魔の体内に飛び込み、三日三晩血まみれで戦い続ける ・耐えきれなくなった永遠の悪魔が「早く死なせてくれ」と悲鳴を上げ、ループ空間が崩壊する |
・ホラー映画のような密室シチュエーションと、登場人物のメンタル崩壊(特にコベニ)が生む緊張感 ・それをブラックユーモアとしても機能させる、チェンソーマン特有の“笑っていいのか迷う”空気感 ・デンジの「常識外れの狂気」と、それすらも武器にしてしまうタフさが最大限に描かれる ・姫野が「こいつなら銃の悪魔とも戦えるかもしれない」と評価する、デンジの異質さを決定づけるエピソード |
| 刀の悪魔編 (サムライソード編) |
公安編中盤の山場となるテロ&ライバルバトル回。 銃の悪魔とつながる勢力による対公安同時多発テロが発生し、 日常だったはずの職場や街が一気に“戦場”へと変わっていく。 |
・特異4課を含む各地の公安特異課メンバーが、任務中に一斉に銃撃される ・デンジ・アキ・パワーが食事をしているレストランに、刀の悪魔(カタナマン)一味が乱入 ・デンジの心臓(=チェンソーの悪魔)を狙い、執拗な攻撃を仕掛ける ・特異4課の多くがこの襲撃で命を落とし、生存者も大きなトラウマと傷を負う ・一連の事件を通して、「この作品は本当に誰でも死ぬ」という読者の認識が決定づけられる |
・「銃の悪魔の肉片を巡る長期戦」という背景が、「銃の悪魔側の手先による人的テロ」として牙をむく構造が秀逸 ・デンジと刀の悪魔の戦いを通じて、アキの復讐心と、デンジの“ノリと勢い”で戦う価値観の違いが際立つ ・死人が多く出る重い展開でありながら、オチではブラックユーモアを効かせた“復讐の落とし前”が用意されている ・少年漫画的な「因縁の相手との決着バトル」と、チェンソーマンらしい残酷さ・虚無感が同時に味わえる章 |
第2部「学園編」パート

第2部「学園編」では一度視点が切り替わり、いじめられがちな女子高生 三鷹アサ が新たな主人公ポジションとして登場します。アサはある事件をきっかけに、戦争の悪魔・ヨル と体を共有することになり、「チェンソーマンを殺せ」という目的を押し付けられます。
一方で世界では、チェンソーマンが“ヒーロー”のように祭り上げられ、社会現象的な存在として消費されている、という構図も描かれます。
アサとヨルのギクシャクした同居関係や学園ドラマ的な人間関係、そこに突然なだれ込んでくる凄惨なバトルが入り混じることで、第1部とはまた違った 青春ホラー 的な色合いが強くなっているのが第2部の特徴です。
また、アニメや映画、原作マンガの「どこから手をつければいいか」を知りたい人向けには、視聴(読書)ルートだけを整理した別記事も用意しています。
どのメディアが原作のどこまでをカバーしているか、ライト層/原作重視派それぞれにおすすめの入口をまとめているので、まずはそちらで自分に合ったルートを決めてから本記事の全体像解説を読んでもらうと、作品の見え方がよりスッキリするはずです。
→ チェンソーマンはどこから見るべき?アニメ1期・映画・原作のおすすめ視聴ルート
メディア展開・評価パート

メディア展開としては、MAPPA制作のテレビアニメ第1期が2022年に放送され、その続編として劇場版『チェンソーマン -レゼ篇-』が2025年9月に公開されました。
映画は世界80か国以上で上映され、2025年11月時点で 全世界興行収入1億ドル超のヒット作 となっています。
アニメ版『チェンソーマン』に惹かれた方は、制作スタジオMAPPAの歩みもあわせて追っておくと、映像表現の“質感”やカメラワークがどこから来ているのかが見えやすくなります。『呪術廻戦』や『進撃の巨人 The Final Season』と並ぶ中での立ち位置を知りたい場合は、MAPPA作品のテレビ&劇場アニメを年代順に整理した
「MAPPAテレビ&劇場アニメ年表――代表作と表現の“進化”が一目でわかる完全リスト」もチェックしてみてください。
こうしたアニメ展開やスタジオMAPPAの注目度の高まりも後押しとなり、『チェンソーマン』という作品そのものも、小学館漫画賞(少年向け部門)やHarvey Award「Best Manga」など国内外で数多くの賞を受賞しています。いまでは、現代の少年漫画・アニメシーンを語るうえで欠かせないタイトルのひとつと言ってよいでしょう。
| タイトル | 媒体/章 | 時期 | メモ |
| チェンソーマン 第1部 | 漫画(週刊少年ジャンプ) | 2018-12〜2020-12 | 公安編で完結的区切り。単行本で通読推奨 |
| チェンソーマン 第2部 | 漫画(少年ジャンプ+) | 2022-07〜連載中 | MANGA Plusで同時配信あり。 |
| TVアニメ第1期 | 全12話/MAPPA | 2022-10〜12 | テレ東火曜24:00/Prime Video最速/OP米津玄師 |
| 劇場版『レゼ篇』 | アニメ映画/MAPPA | 日本: 2025-09-19 | 配給:東宝(日本)/Crunchyroll&SPR(海外)。IMAX/4DXほか |
| 主な受賞 | 第66回小学館漫画賞 少年向け部門(2021)/Harvey Awards Best Manga(2021〜2023) | 2021/2021-2023 | 国内外の批評的評価を確立 |
| 視聴ルート | 配信・劇場 | 随時 | TV=Prime Video最速(当時)/映画=各国劇場→後日配信予定 |
要点まとめ(箇条書き)
- 『チェンソーマン』は藤本タツキによるダークファンタジー&ホラー系バトル漫画で、
第1部「公安編」/第2部「学園編」 の二部構成。 - 舞台は「人間の恐怖から悪魔が生まれる」1990年代風の架空の日本。
恐れられる度合いが強いほど、その悪魔も強力になる。 - 主人公デンジは極貧生活を送る少年で、相棒の悪魔ポチタと融合して
チェンソーマン(ハイブリッド)となり、公安のデビルハンターとして働き始める。 - 公安編では、アキやパワーとの共同生活やさまざまな悪魔との戦いを通じて、
「銃の悪魔」 やマキマの正体をめぐる物語が展開される。 - 学園編では、女子高生・三鷹アサと戦争の悪魔ヨルが中心となり、
「チェンソーマンを殺せ」という新たな目的のもと、
ヒーローとして祭り上げられたチェンソーマンと世界との関係が掘り下げられる。 - 全体のトーンは、グロテスクなバトル、ホラー、ブラックユーモア、青春ドラマが
高速で切り替わる“ジェットコースター系”で、ハマる人には非常に刺さる作風。 - 2025年時点で漫画は累計3,100万部以上、劇場版レゼ篇は世界興収1億ドル超規模と、国内外で高い人気と評価を獲得している。